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「眉村卓的感性」の喪失~だから、現実を直視せざるを得ない時にSF的要素やファンタジー要素の力を借りて、一つづつ自分を立て直していく。

まあとある方で程良いアウトプットが出来ていな
かった頃、2019年末の象徴として書いてたものが
まずは「眉村卓的感性」を知る上での叩き台。
なので、そのセンテンスになってますが、まあ
お許し下さい。なのでここは文型を調えただけで
リライトまではしてないから、引用のハコに入れて。

関西SF・ジュブナイル界の巨匠で昨年(2018年)も
カズレーザーの影響で「妻にささげた1778話」
(新潮選書,2004)が再ブレイクを果たしていた
眉村卓[11/3,85歳]に関してやはり少しリライト
せねばならないか。

 竹内まりやの映像ででも「時空(とき)の旅人」
(1986年にアニメ化された際の主題歌。原作の原題で
云うと「とらえられたスクールバス」)流れてたし、
「なぞの転校生」も青い鳥文庫で新装版出てたりするし
(その数年前にテレ東のドラマ24でドラマ化されてたのも
再評価されつつあるし)、いろいろ揃うモノが揃って
来つつはあったのですが。

ま、竹内まりや「時空の旅人」でもいいけど、今日の
BGMとしては『ギャラリーフェイク』で一番ハマった
EDで、片割れがガムランコースにいたものだから、
通ってガムランを演奏したのがちゃんとイントロに
反映されてもいるこれを流すのもアリかなあと。


眉村卓の略歴としては「かーずSP」さんのトコに投下
したものが一番まとまっているか。

世代的には小松左京や筒井康隆などと同じ世代。SF作家
の代表的な一人で1970年代を中心にジュブナイル小説を
多数書き、それらがメディアミックスされていったことに
よって後の「角川らノベル(略してラノベ)」になって
いく礎を敷いた一人。
 作品としてはだから『ねらわれた学園』よりも『なぞの
転校生』や『時空の旅人』を抑える方が適切で、後に2度
ブームの流れを起こす。

ここ十年ほどにおける眉村卓ブームのムーブメントもここに
簡潔なまとめがあった。

草彅剛主演で映画化され、映画化された際に対し特別上映会
に当時の皇后陛下(現在の上皇后美智子さま)が御臨席
されたことで起きた2011年頃。

と、

アメトーークの「本屋で読書芸人」でカズレーザーが熱く
紹介し光浦靖子が号泣した(妻に捧げる千夜一夜(ルバイ
ヤート)ともいえる)2018年の2回に渡ってブームがあった)
『僕と妻の1778の物語』まで抑えるのがポイント。

2度目の2018年における眉村卓ブームの余波に
関してはいくつかネットにも知見が残されている
ような。

いかにこの本に対する思い入れと感動があるかを、
感極まって紹介しています。

本気で読みたいと思わせるそのプレゼンには、常に
たくさんの本を読んでいる、カズレーザーだからこそ
出せる厚みを感じました。

アメトークで紹介された「妻に捧げた1778話」が涙なしでは読めないと話題

2010年代に2度ブームがあったことを知らせているのは
件の阿部氏の朝日新聞に載ったベストセラーコラムか。

最初の読者であり続けた人へ|好書好日

阿部嘉昭(アベカショウ)
評論家、北海道大学大学院准教授
妻に捧げた1778話 [著]眉村卓

ただの「涙活」本でない点は読めばわかる。

最初の読者であり続けた人へ|好書好日

「妻に捧げた1778話」は単なる短編集ではなく、毎日1話を書き続ける日々の中での眉村先生の心情の変化が綴られています。

個人的には短編よりもこちらの方が読み応えがありました。


原稿を書き上げると私は、妻に読んでもらうのがならい
であった。読めない字や脱字を指摘してもらうため
である。だが、ときどき感想を述べたり、

「女の人はこんな考え方せェへんよ」
 
と言ったりで、読んでもらうことでいろいろ助かったのである。

「しんどかったら、やめてもいいよ」

「自分がやりとうない仕事やったら、断ったらええやんか。家のことは何とでもなるんやさかい」

妻に捧げた1778話|最終回、6行に込められた愛情が凄い【感想】 | かめ暮らし

奥さまの為に捧げる話の数々もまたルバイヤート
(千夜一夜物語)の如く、ってあたりにも琴線は
あるのですが。

ともあれ『よりもい』10話の日向の格言

『時計の針を一番進めるものは忙しさである』

第10話「パーシャル友情」

『時計の針を一番進めるものは忙しさである』
『また適当なことを…』
『これはコンビニの時に思い付いたやつ。
私忙しい方が好きなんだよね、多分』

【宇宙よりも遠い場所】第10話 感想 友達の証と心の距離 : あにこ便

ではないけれど、何かに集中することで、を求め
られるとき、現実を直視せざるを得ない時にSF的要素
やファンタジー要素の力を借りて、一つづつ自分を立て
直していく、といふのもまた「眉村卓的感性」の要諦
だったような気はするのです。

(多分角川の文庫が「らノベルズ」を求めすぎた
代償はこの「眉村卓的感性」の要諦を完全に無視した
コレクション癖に陥っていることで、だからこそ「気味が
悪い」(キモカワイイのカワイイを剥がされた時点での
アンガールズみたいな「キモイ」)レベルに堕している、
といふのがまあ大体私が唱えている主張ではあるのです
けれども)

眉村卓(2019年11月3日死去)がお百度参りのように
ショートショートを日課として書き切ったことで
「おみおくり」を果たしたように、それらの成果が
やがて結願(けちがん)したかのように映画「青春
ブタ野郎はゆめみる少女の~夢を見ない」や「天気の子」
としてSFあるいはファンタジー的要素を孕んだ作品が
矢継ぎ早に公開されたことで、自然と眉村卓の成仏する
タイミングが来たのだな、と考えると非常に腑に落ちる
一年ではありました。

、ってのがひとまず2019年の総括で以前書いてみたもの。
 だからそのもう一つの代償と副作用が現実の2020年にも
到来した、と観るのは、穿(うが)ちすぎですかね。

「眉村卓的感性」の喪失~だから、現実を直視せざるを
得ない時にSF的要素やファンタジー要素の力を借りて、
一つづつ自分を立て直していく、でした。

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