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ダン・バン・ラム〜日本に降り立つベトナムの壁

ダン・バン・ラム。
ベトナムでその名を知らないものはいない。
ベトナム代表の正GKを務め、ベトナム、ラオス、ロシア、タイと様々の国でプレーしてきた。
そんな彼がついにJリーグにやってくる。
この記事では彼がどのような選手なのかをまとめていきたい。

基本プロフィール

選手名 ダン・バン・ラム(Đặng Văn Lâm )
生年月日 1993年8月13日
出身 ロシア・モスクワ
身長 188cm
体重 88kg
利き足 左足
所属チーム セレッソ大阪
ポジション GK
背番号 1

来歴

ロシア出身でベトナム人の父とロシア人の母を持つ。
サッカーを始めたのもロシアで、スパルタク・モスクワやディナモ・モスクワの下部組織に所属した。

父の出身国であるベトナムのホアン・アイン・ザライ(HAGL)で初のプロ契約を結ぶ。しかし、ベトナムでの適応に苦しみ、姉妹クラブであるラオリーグ(ラオス)のホアン・アイン・アッタプーFCにレンタル移籍。このホアン・アイン・アッタプーFCではコンスタントに試合に出場したものの、ホアン・アイン・ザライに戻ることは出来ずその後ロシアに帰国した。

だがロシアではプロ契約を結ぶことはできず、アマチュアチームであるドゥスラル・モスクワや4部リーグのロジナ・モスクワでプレーした。

2015年にベトナムのハイフォンFCに移籍。
移籍初年度は試合に出れなかったが、翌年には正GKの座を奪取。2016年には三浦俊也監督率いるベトナム代表に招集され、2017年のアジアカップ予選のヨルダン戦で代表デビューを果たした。2018年、リーグ戦ではリーグ2位の少失点と目に見える結果を残すと、AFFスズキカップでもグループリーグ4戦連続クリーンシートと素晴らしい活躍を見せ、チームを優勝に導き自身もベストイレブンに選ばれた。

アジアカップ2019でもベトナム初のベスト8進出に貢献。その活躍が認められタイの強豪ムアントンユナイテッドに移籍することとなった。

その後もムアントンユナイテッド、ベトナム代表で活躍続け、来たる2021年1月30日、J1セレッソ大阪への加入が発表された。

プレースタイル 

長所

彼のプレーの長所はシュートへ反応と安定感だ。
その持ち前の体格と反射神経でどんなボールもパンチングで弾き返してし、1対1やPKにも無類の強さを誇る。アジアカップのベトナム戦を見ていた人なら覚えているかもしれない。冨安、南野、遠藤航と日本を代表する選手達が決定的なシュートを放ったが、ゴールを破らせることはなかった(日本代表の得点は堂安選手のPKのみ)。
その安定感は、彼のロシア語名(レフ・ショノヴィッチ・ダン)の由来にもなっているレフ・ヤシンのようである。

短所
彼の短所はポジショニングと足元の技術
反応はいいものの、シュートそのものに対して準備が出来ていないため、キャッチングではなくパンチングで対処するシーンがよく見られる。ニアやファーを空けてしまうことも多い。足元の技術は悪くはないものの、キムジンヒョンと比べるとどうしても劣る。彼からスタメンの座を奪い取りたいのならば、これらの短所を直さなければならないだろう。

終わりに

J1初となるベトナム人選手である彼の活躍次第で、これからJリーグを目指すベトナム人選手の評価は大きく変わる。これから続く後身のためにも、活躍して道を切り開いていかなければならない。のしかかるプレッシャーは大きいかもしれないが、今までの数多くの困難を乗り越えてきた経験が彼の背中を支えてくれることだろう。ついに来日するダン・バン・ラムはどのようなプレーを見せてくれるのか。彼の日本での活躍に期待したい。

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