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ユーラシア大陸横断日記39 帰国

ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。

ユーラシア大陸を横断する、そんな酔狂な、目的ともいえないような目的を掲げて始まった旅でした。
上海から始まってひたすら西へ西へと進んでいく旅。ついに、ユーラシア大陸の西の果てロカ岬にたどり着き、大陸横断を成し遂げました。

ロカ岬からシントラを経てリスボンに戻り、日本に帰国します。

前回はこちらです↓

帰ってきたリスボン

ロカ岬からシントラに戻り、シントラからは再び列車でリスボンへ。
リスボンではお世話になっていたユースホステルに再び宿をとる。
帰りの航空券の手配をし、帰国の準備をしつつ数日を過ごした。

日本を出発して4か月、旅が当たり前の毎日だった。

バスで、電車で、船で、歩いて、ひたすら西へと進み見ず知らずの街を歩き、安い宿に泊まる。そしてまた進んでいく。

観光名所も、遺跡も、日本離れした街並みもあたり前の中にあって、「旅=非日常」っていう感覚はすっかりなくなっていた。

日本を出発するときには「なんでこんなことやろうとしてるんだろう」って思って仕方がなかったけれど、不思議なものだ。

そんな旅も、もうすぐ終わりを迎える。出発の日も決まった。
あと数日でポルトガルから飛行機で日本に飛ぶ。

陸路で4か月かかった旅は、飛行機でわずか15時間だった。

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帰国 日本へ

出発までの数日はリスボンでゆるゆるのんびり過ごした。

毎日散歩に出て、とくに何か目的があるわけでもないけれどあちこち歩き回り、いつものスーパーに立ち寄って食料品、たまにはお酒なんかを買って帰り、宿のドミトリーでいただく。

そんな日々を過ごしていた。あと数日なんだからもっといろいろやってもよいのかもしれないけれど、こんな風になんにもなく過ごすのがよかった。

出発の日も、飛行機は夜の便だったのでそれまではいつものように過ごす。散歩して、スーパーに行って、でも最後なのでお土産にワインを買った。

夜、空港について飛行機を待つ。

このときの気持ちは今ではよく覚えていないのだけど、割と淡々としていたようにも思う。

でも時おり、旅が終わること、日本に帰ること、いろんな思いが頭の中に広がったりもしていたようにも思う。

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飛行機はリスボンからチューリッヒを経由し、成田へ。

空の上からではよくわからなかったけど、いよいよ着陸するってときに外を見るとすっかり秋も深まった田んぼと紅葉の、これぞ日本な景色が広がっていた。なにもかも懐かしい…

久しぶりの日本に1歩を踏み出す。
空港の建物にあった「おかえりなさい」の看板でさえ、なんかうれしい。

そして『帰国』のスタンプをもらう。

「あの、スタンプここに押してもらっていいですか?」

「はい。ここでいいですか?」

最後ばかりはあらぬページに押してもらいたくなかったから、ポルトガルの出国スタンプの横に押してもらった。

『帰国』

返ってきた自分のパスポートのスタンプを見たら、ここにきてさすがにちょっとうるうるだ 笑

空港を出て、電車に乗ってバスに乗って、その日の夜に家に着いた。

7月22日、バックパックを背負って出た家。4ヵ月後、無事に帰ってくることができた。

なんというか、あんなに遠くまで行ってまた家に帰ってくるのって、なんだか不思議。

あたり前だけど、日本も、ポルトガルも、上海からのすべての道のりも、全部つながってるんだなあ…なんか面白い……

というわけで、ユーラシア大陸横断の旅、これにておしまい、です。

長い長い記事になってしまいましたが、読んでいただいて本当にありがとうございます。

人生の中で、何かの足しになればとてもとてもありがたいです。

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↑ バイブルだった深夜特急。新版が出ていました。

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