焼き鳥の希少部位

公立中学・公立高校から京都大学理学部に進学して数学を専攻した凡人です。 凡人ゆえの解像…

焼き鳥の希少部位

公立中学・公立高校から京都大学理学部に進学して数学を専攻した凡人です。 凡人ゆえの解像度で大学入試数学の本質を伝えたい。

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#1~#5 まとめ~高校数学に思うところ~

noteに投稿を公開してまだ1週間もたっていないですが,記事を作るのはなかなか難しいものですね。どうしてもコンパクトに,簡潔に書いてしまってうまく伝わっていないような気がしてしまいます。(内容が薄いというのもありますかね。)記事の内容は大学入試の2次試験を見据えたレベルになっているので,高校数学は一通り学習し,網羅的な参考書である程度復習が完了している状態で挑んでみてくれたら嬉しいです。 「まとめと感想」ではだらだらと長ったらしく振り返っていこうと思います。 #1整式の除

    • ☡数学の曲がり角~数学Ⅰ数と式~

      出発点教科書の学習区分とは異なるが,高校数学で扱う「数」と「式」に関する用語を確認するところが出発点だと思う。 「数」の出発点 自然数,整数という概念は既に理解できているとして,実数という概念の理解が1つのポイントとなる。ただし,正確な定義は不必要で「数直線上に表せる数を実数という」理解がよい。加えて,整数の分数で表される有理数と,実数であって有理数でない無理数という概念の理解から始めることとなる。 「式」の出発点 単項式と多項式,および単項式と多項式を併せた整式とい

      • ☡高校数学の曲がり角~数学ⅠA集合と論理~

        出発点大学数学では,写像や演算の対象として集合を正確にとらえる必要があるが,高校数学では,集合という概念を深く追求する必要はない。出発点は以下であろう。 数学的に集合が定義できるかどうかの例を理解すること 集合の外延的記法と内延的記法が理解できること 集合と要素の関係が理解できること 空集合の概念が理解できること 1つ目の曲がり角1つの集合に対しては,起点にある程度の内容が分かっていれば十分である。次のステップは,2つ以上(特に2つ)の集合に対する次の事項である。学

        • #6 この1問!平面ベクトル~内積の本質~

          問題とりあえず,問題を解いてみてくださいね! テーマ(1)はベクトルの基本的な扱い,内積の本質に迫る(2)はなかなか手が付けにくい問題だったでしょう。 解答ベクトルは,幾何ベクトルと位置ベクトルの2つに分けられます。大学入試は位置ベクトルを考えることがほとんどで,その場合は「始点をそろえる」ことが大原則です。(1)は始点を$${\rm A}$$に揃えれば問題なく計算できたでしょう。 $${\vec{0}}$$でない2つのベクトル$${\vec{a},\vec{b}}$$

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        #1~#5 まとめ~高校数学に思うところ~

          #5 この1問!常に成り立つ不等式~絶対不等式と最大最小~

          問題とりあえず,問題を解いてみてくださいね! テーマすべての実数$${x}$$に対して,常に成り立つ不等式(受験用語で絶対不等式と呼ばれるもの)に関する問題です。解法さえ分かってしまえば容易です。 解答絶対不等式$${a \le f(x)\le b}$$は, $${「f(x)の最小値」\ge a}$$かつ$${「f(x)の最大値」\le b}$$ を満たす条件を考えればよい。すなわち,「絶対不等式の問題は,最大最小問題」に過ぎない。 さらなる工夫としては,$${f(t)

          #5 この1問!常に成り立つ不等式~絶対不等式と最大最小~

          #4 この1問!2曲線で囲まれた部分の面積~等積変形~

          問題とりあえず,問題を解いてみてくださいね! テーマ単なる2曲線に囲まれた部分の面積を求める問題ですね。文字$${a}$$が入っている点がややこしく,計算力も必要です。 解答2曲線で囲まれた部分の面積を求めるには,「2つの曲線の上下関係」と「積分区間」を正確に把握することが目的になります。多くの問題は,2つのグラフを図示してしまえば一見して「2つの曲線の上下関係」と「積分区間」が分かりますが,グラフをかくことが難しい問題では差をとって考えて,等積変形してあげると考えやすく

          #4 この1問!2曲線で囲まれた部分の面積~等積変形~

          #3 この1問!連立方程式~方程式とグラフの対応~

          問題とりあえず,問題を解いてみてくださいね! テーマ連立方程式の解に関する問題ですね。指数,対数の計算はできる状態で挑みましょう!とりあえず解いてみましょうか。 解答意外と(1)から易しくないですね。①はそのまま判別式を考えますよね。$${m>2}$$であることから,①の判別式が常に正であることが分かります。 ②については,対数の真数が正であることから$${x>1}$$なる条件が得られます。すなわち,$${x>1}$$の範囲に2つの実数解をもたなければならないので,解の範

          #3 この1問!連立方程式~方程式とグラフの対応~

          #2 この1問!三角形の内角~三角関数の和積変換~

          問題とりあえず,問題を解いてみてくださいね! テーマ三角形の内角の和に関する,等式の証明問題ですね。(1)(2)はともに同様のアプローチです。解ける気がしないようであれば,とりあえず(1)の解説を読んでみて(2)は自力で再チャレンジしてみるのが効率的かもしれません。三角関数の計算が丁寧にできる必要があります。 解答1つずつの式変形の根拠や考え方を整理しておきましょう。三角形の内角の和に関する問題では,次のアプローチが基本になります。 $${A+B+C=\pi}$$より

          #2 この1問!三角形の内角~三角関数の和積変換~

          #1 この1問!整式の除法と余り~余りの工夫~

          問題とりあえず,問題を解いてみてくださいね! テーマ整式の除法についての余りに関する問題ですね。(1)に関しては基本事項ですが整式の除法へのアプローチの原則への理解が必須です。(2)(3)については少し難しい要素がありますが,完璧にしておきたいですね!計算力も一定必要になります。 略解式①と式②の立式が基本的なポイントです。剰余の定理や因数定理を暗記して使うことができるだけでは,このように2次式で割るときに困ってしまいますので,このアプローチができるようにしましょう!(1

          #1 この1問!整式の除法と余り~余りの工夫~