烏籠

はじめまして、烏籠(とりかご)です。 趣味で小説を執筆・投稿しています。 主な投稿先→…

烏籠

はじめまして、烏籠(とりかご)です。 趣味で小説を執筆・投稿しています。 主な投稿先→『小説家になろう』様/『カクヨム』様/『E★エブリスタ』様 ここでは短い文章や日々の呟きを書いていこうかなと思っています。

最近の記事

【短文】午後5時、クローゼットの中

小さな音で目が覚めた。 ピピッ、ピピッ、と規則正しく鳴り響くアラームを止めて、時刻を確認。午後5時。15分程寝ていた。パタン、とスマホのカバーを閉じて、そのまま机の上に戻す。 そうだ、机の上。 「痛いなぁ……」 無理な姿勢で寝ていたせいで首周りが痛い。 「痛い、痛い……」 誰にともなく呟く。ぐっ、と伸びをする。椅子の背もたれがぎいっ、と小さく軋む音がする。後ろのクローゼットから発せられる謎の引力に導かれるように、さらに背中を反らす。 馬鹿馬鹿しいと思われるかも知

    • 【短編集】『地獄』完結しました。

      『小説家になろう』様で昨日から連載中の短編集『地獄』が本日完結しました。 ホラーのつもりで書きましたが、怖さは控えめになってしまったかもしれませんが…。 読んでいただけたら幸いです。 『小説家になろう』様の作品ページに飛びます ↓ https://ncode.syosetu.com/n2196hm/

      • 【短編集】『地獄』連載開始しました。

        『小説家になろう』様にて短編集『地獄』を連載開始しました。 基本1話完結、3話目のみ前後編の全4話です。 全て書き上げておりますので、今日は2話まで、明日残り2話分投稿予定です。 ホラー作品です…。 投稿サイトに掲載するの久々すぎて怖いです。 よろしくお願いします。 『小説家になろう』様 作品ページに飛びます ↓ https://ncode.syosetu.com/n2196hm/

        • 【短文】神様のいたずら

          “神様から特別な力を与えられた”という人間が、世界には一定数存在するらしい。最近よく耳にする噂によれば。 可哀想な人。 とてもつらい目に遭っている人。 誰かを酷く憎んでる人。 もう二度と会えないはずの誰かと会いたい人。 もうなにもかも諦めてるけど、最期にひとつだけ、思いを遂げたい人―――――等々、様々だ。 神様は人々の願いを叶えてくれる。 魔法みたいに“ちょちょいっ”と。 私は自分が嫌で嫌で仕方がない。自分で自分を殺せたらどれだけ楽になれるだろう。どうにかしてください。

        【短文】午後5時、クローゼットの中

          【詩】『シュガー・ゴースト』

          角砂糖が歩く。 歩いた方がいいらしいので歩いている。 走ってもいいらしい。 走り疲れた角砂糖が眠る。 眠ってばかりいると怒られるらしい。 食べてばかりいても駄目らしい。 角砂糖は自分から溶けるといけないらしい。 自分から溶けた角砂糖は悪い子だと言われる。 角砂糖は誰かにコーヒーや紅茶の中に落とされるのを待たなきゃいけない。 勝手に自分から溶けてはいけないらしい。 角砂糖が角砂糖を溶かすのもいけないらしい。 角砂糖に許されているのは角砂糖が角砂糖を作ることだけ。 角砂糖

          【詩】『シュガー・ゴースト』

          【短文】『悠久の部屋』

          わたしは、幼い頃から、幸せというものを知らずに生きてきました。 だからといって、特別不幸だったのかと言われれば、そうではありません。 少なくとも、自分が不幸だとか、可哀想だとか、そういう感情に悩まされたことなど一度も無いのです。 私は、生まれてきた頃から母と二人暮らしで、憶えている限りでは、父親と呼べる人はいませんでした。 私と母が住んでいるのは、海沿いの小さな家で、母の話によれば、周辺に民家や建物など、人の気配は無いようです。 私は母の言い付けで、一度も家の外へ出たことが

          【短文】『悠久の部屋』

          【短文】『きみのぬけがら』

          僕と、君の部屋。 僕は、ソファに座る君を見つめる。 けれど君は、目の前に立っている僕を見ない。 二人は確かに此処に居て、お互いに触れ合える距離に居ると云うのに……。 其処に居る君は、間違いなく僕の知る君だけれど、君は、いま目の前に居る僕を知らない。 一週間前の君が其処に居る。 先週の木曜日――――君は、僕に別れを告げた。 僕は、悲しくて悲しくて、君が出て行った部屋で一人泣き続けた。 翌日、僕は君に、『さよなら』と告げる。 其処に一人、君を置き去りにして。 そして―――

          【短文】『きみのぬけがら』

          【詩】『私の目は貴方だけを見つめる。』

          愛しい愛しいアナタ、 一体何処に行って仕舞われたの? アナタが居なくなってから 毎日毎日、窓の外に 見知らぬ人を見掛けるようになりました。 まるで蜃気楼のように ゆらゆらと、 黒い人影が此方に向かって手を振っているのです。 笑っているのか 泣いているのか、 みえません。 ただ不思議に思うだけです。 此処から出してください。 朝日がとても眩しいです。 アナタの笑顔にとても良く似た、 今にも無邪気な笑い声が聞こえてくるような 暴力的で頭が溶けてしまいそうな喜色です。 そういえ

          【詩】『私の目は貴方だけを見つめる。』

          【短文】『マリア』

          ⚠以下の内容を含みます。 ・死体愛好 ・殺人を匂わせる描写 直接的な描写はありませんが、観覧の際はご注意ください。 ――――――――――――― 「マリア、それ誰?」 「んー?子羊。」 くああっ、と欠伸を一つ。 ずるずると服を引きずり、眠たげに目を擦る少女は夢から醒めたばかり。 「マリア……いくら家の中だからってだらけすぎだぞ」 「別にいいじゃない、私とあなたの二人だけなんだもの」 全く悪びれた様子がない。この子は基本マイペースだ。 黙っていればお人形のような容

          【短文】『マリア』

          【短文】『わたしは不出来な人形なので』

          わたしの恋人はとても人形好きな人です。 彼の部屋にはたくさんの人形がいて、彼と一緒に暮らしています。 人形の髪を優しく梳いたり服を着せ替えたり、人形と向かい合っている時の彼はとても楽しそうで、わたしはその様子をそばで眺めるのが好きでした。 今日の彼は機嫌がいいみたいで、わたしの髪も梳いてもらえることになりました。 じっとしてろよ。彼の言い付け通りわたしは身体の一切の動きを止めました。 お前の髪は好きだよ。昔そう褒めてくれたことは今でもはっきりと覚えています。 ゆっくりと、と

          【短文】『わたしは不出来な人形なので』

          【短文】『まりちゃん』

          「まりちゃんまりちゃん、大丈夫泣かないで」 それでもまりちゃんはしくしくと泣き続ける。 「まりちゃん、痛いのね」 「痛い、痛いよ絵海ちゃん」 かわいそうなまりちゃん。 大事な大事な羽を失ってしまうなんて。 でもこれは仕方ないことなの。 まりちゃんが悪いのよ。 まりちゃんが天使だから、空を飛べる羽なんかを持っているから。 まりちゃんはいつか天国に帰ってしまうんでしょう? そんなの嫌。 私はまりちゃんのことがこんなに好きなのに。 まりちゃんは酷い子ね。 こんな私をまり

          【短文】『まりちゃん』

          【短文】『空落妄想。』

          空に落ちたい。 大空に羽ばたけ私は飛べる。 でもそれは無理な話で、そもそも空に落ちるという表現自体間違っている。 上にあるものへどうやって落ちるというんだ。 空は私の手の届かないところに広がっている。 生きている限り空へは行けない。 夢はパイロットまたは宇宙飛行士ですとかだったら話は別だけどって今はそんな話をしてるんじゃないの。 それにどっちにしたって身体一つでは行けない。 鳥ってすごい。 人間は不便。 それなら幽霊はどうか。 幽霊なら浮いていられるし空へ飛んで行けるだ

          【短文】『空落妄想。』

          【短文】『黒い自販機』

          喉が渇いた。 しばらくうろついていると自販機を発見。 さて何にするか、しばし熟考。 人生単位で見たら下らないなぁーなんて。 「ん……?」 自販機の隣にまたまた自販機発見。 別に自販機が二台、三台と並んでようがそんなに珍しいことなんかじゃない……のだが。 「真っ黒ときたか……」 おおっ、なかなかカッコイイじゃないか。 普通はジュースやらコーヒー(いやこの際それは関係ないか)なんかのサンプルが覗いているはずの窓やボタンが無くてそれなりに怪しさを漂わせてはいるが、しかし人

          【短文】『黒い自販機』

          【雑記】長編短編掲載しました。

          前回・前々回の記事にて、カクヨム様に投稿している長編短編2作品それぞれ掲載しました。リンク貼り付けただけですが。 とりあえず最近投稿・完結したものを勢いで掲載しました…。また色々お話載せれたらなと思います。 初回記事の『スキ』していただいた方、ありがとうございます! 思ったより早く反応していただけたもので驚いています。そしてめちゃくちゃ嬉しい。 またちょこちょこ短文書いていきたいと思います…。 まだまだ不慣れで更新もムラがありまくりになると思いますが、これからもどう

          【雑記】長編短編掲載しました。

          【短編】『復讐』

          短編小説『復讐』 ※外部リンク(カクヨム様)小説ページに飛びます。 ―世界中の誰からも愛される女の子になった君と僕の話。―

          【短編】『復讐』

          【長編】『培養人肉』

          長編小説『培養人肉』 長編小説『培養人肉』 ※外部リンク(カクヨム様)小説ページに飛びます。 ―愛する妻を食べた男の話。―

          【長編】『培養人肉』