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メイドインアビス第2期 第11話の度し難感想 怒りの燃え尽きたその先には
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ファプタの復讐戦後半!
……でもブログとして書く事ってほとんどない。
いやいや、アニメの出来が悪いとかそういう話じゃないよ。11話の内容って、これまで描かれてきたことの「帰結」であって、ここのシーンはこういうことだろう……みたいにわざわざ深掘りするような要素がほとんどない。ひろうべき伏線とかもない。ただただ「描写」があるだけ。その描写が凄いことになっている……というところが注目点ではあるんだけど。
でもせっかく11話まで続けてきた感想文なので、今回も書いていきましょう。
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白笛をピューと吹いて体力消耗のリコさん。
……第6話の時はそんな設定なかったのにな。「吹き方」とかが関係しているのかな。
特殊な力にはペナルティが必要だ。……というのは漫画の世界の定石。
ペナルティなしでいくらでも力が行使できる、というのは緊張感に欠ける。レグの火葬砲にしても、使用すると2時間昏倒し、そのあいだリコを危険にさらすから軽々に使うわけにはいかない。こういうペナルティを与えると、お話に緊張感が出る。
白笛を吹くとレグをパワーアップさせられるけど、時間制限あり、連続使用不可。これくらいのペナルティがあったほうがいいでしょう。ただレグの昏倒ほどわかりやすい設定ではないのが少し惜しい。
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「お前、レグになにをした。ファプタの全てを、レグを、なぜ忘れた!」
「お前さえ、お前さえいなければ!」
ここを要約すると「この泥棒女」。痴情のもつれは怖いのだ。
それはそれとして、どうしてレグは記憶を失ったんだろう。第1期第1話の火葬砲が切っ掛けだと思われるけど、その後、何度も火葬砲を使っているけれど、記憶の消失は起きていない。この部分、ちゃんと理屈のつく理由は用意されているのだろうか。
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ここの振り向き方がちょっと疑問。体を掴まれている状態なのに、なんで180度くるっと回転できたのだろう。それに、回転台に乗っているかのような振り向き方だし。あんなふうに回転できるってことは脱出できるんじゃない?
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「わ、我は守るためにいる」
「違う。この者に手をかければ、君はもう戻れなくなられる。レグというハクも喪う」
復讐は不毛……。成れ果て村の住人ですらないリコを殺してしまったら、もう後戻りはできない。ファプタは成れ果て住人を恨む理由はあるが、リコを恨んで殺す理由がない。
それでも殺してしまうと、ただの外道、畜生に堕ちるだけ。ガブールンはそれを止めたのだった。ガブールンは最後までファプタの良き導き手であった。
復讐に燃えあがっていたファプタの感情は、次第に困惑していく。
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今さら復讐を止める……なんてできるわけはない。ファプタは復讐のために生まれ、150年、それが叶う時を待っていた。それを今さらやめろなどと……。
困惑を深めていくファプタ。とにかく目の前の人間と元人間をみんな殺してしまえば、こんな困惑は終わってくれるはず……。
10話、11話は久野美咲のキャリア最高かも知れない名芝居。燃えあがる芝居をじっくり聞きたい。
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さあ、ナナチがやってまいりました。元気になって良かった。
うーん、ファプタの腕、もらってきた意味なくなっちゃったな……。
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ああ、ちゃんとズボンも持ってきてもらったんだ。良かった。下スッポンポンなのかと……(放送規制入っちゃうよ!)。動物の頭部っぽく見える兜のデザインがいい。相変わらずデザインセンスが見事。でも描くのは大変そうだな……。
ここからはコマ送りで見ていきましょう。
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「行こうぜベラフ! たった1度きりの最後の謁見だ!」
ここでカット変わりまして、
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いやぁ動く動く。カットが止まらない。テレビアニメでこういう動画を見られるのは本当に凄い。
ただ格好よく登場してきたナナチだけど……実は何もしない。まあ場面が映えればそれでいいか。
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ファプタ、ベラフへ突撃! ベラフの体から煙が吹き出す……。
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ファプタの意識に、記憶が流れ込んでくる。おそらくベラフ視点のイルミューイの記憶(ベラフの姿が映っている場面があるけど)。ファプタも知らなかった母の姿……。
ベラフはこの記憶もイルミューイに奪って欲しかった。この記憶があるからベラフは苦しみ続ける。なにもかも忘れた白痴になって、えんえん喫ミーティをし続ける堕落した生き物になってしまいたかった。でもイルミューイはベラフの記憶を奪わなかった……もしかしたら、この時が来ることを予期していたからかもしれない。
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「君がいてくれてよかった。宿命の終わりに、君の価値を君自身で決めるときが来る」
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「美しい目だ。恐れず進め。君の冒険を楽しんで欲しい」
ベラフは目の美しさが大事……って第1話の時から言ってたね。ファプタの瞳に、ベラフは美しさを見出す。
ファプタの行動原理は生まれたときに母から与えられたものに過ぎず、ファプタはずっとそれに捕らわれ続けていた。ファプタ自身による価値意識がファプタにはない。ベラフは「母から与えられたもの」ではなく「君自身で価値を決めよ」と促して消えていくのだった。それはもしかしたら、“父”としての想いかも知れない。
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さてワズキャンはどう出る? ナナチはワズキャンがなにを目論んでいるのか、考え始める……。
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ナナチの想像では……
怒り狂ったファプタがリコを殺害する。それによってレグが悲しみに沈む。その時になってファプタは自分がしでかした事態に気づいて、自分の一部をリコに与えようとする。
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で、この描写。頭の赤い宝石みたいなの、あれが「欲望の揺籃」が変形したものだったのか……。
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欲望の揺籃を与えられたリコはどうなるのか? リコは第5層で重体に陥った後、回復するとすぐに「冒険だ!」と活動を始めた。あんな目に遭ってそれでもまだ冒険を続けるよう……という精神がわからんけども……。それでも冒険に対する異常としかいえない意欲がリコたらしめている。
そんな精神を持ったリコに、「欲望の揺籃」が与えられるとどうなるか。リコは人間ならざるものに変質していき、そんな姿であっても奈落の底を目指そうとするのではないか。それは村の住人達の安全を担保したまま、奈落の底を目指してくれる、都合のいい存在になってくれるのではないか。
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人を犠牲にしてでも、目的達成のためにできることならなんでもやっちゃう。その過程で、ファプタが殴り込んできて村人が何人も死ぬ。そのことも織り込み済み。目的のためなら、躊躇いなくなんでもやっちゃうやつがワズキャンだ。ボンドルドと同じ属性の人間。度し難い。
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……と今回はすっかり解説役に徹するナナチだった。
派手に登場したのに、特になんにも活躍しなかったからね。
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復讐への情熱が鎮火してしまうファプタ。
「ファプタは……ファプタは火だ! 喰われ、冒涜されたものたちが継いだ火だ! お前らを焼き尽くすまで、止まれるはずなかろう!」
どうにか自分を鼓舞して、復讐しようという気持ちを取り戻そうとする。
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で、その周囲で笑顔で涙を流す成れ果て住人。あ、この人達も煙を吸ったのか。
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ふと足元を見ると、記憶の中で見たあの獣が……。
もうファプタは殺せなくなっていた。以前だったら気にせず殺して喰っていたけれど、殺すことに抵抗感を持ってしまった。
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やあ来たよ。ご飯が一杯だぁ。
成れ果て村に穴が開いちゃったので、そこから原生生物が入ってきてしまう。原生生物たちにとっては、イルブルの住人はご馳走。たぶん、原生生物たちはイルブルの存在を知っていたのだろう。しかしイルミューイの守りがあったから手を出すことができなかった。でもどうやら村の守りは消えたらしいぞ……という噂を聞きつけたかどうか知らないが、一斉に集まってきてしまう。
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Bパートに入りました。
ファプタは成れ果て住人たちに復讐するはずだったのに、それが原生生物に襲われて喰われてしまう。
ファプタの生きる意味を奪うな! ファプタは原生生物に立ち向かっていくが……。
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こうなって……
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こうなって……
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こうなった。
成れ果て住人に対して、鉄壁の強さを持っていたはずのファプタだけど、原生生物相手ではどうにもならない。
ああ……人類ってどこまでも弱い生き物なんだな……。本当の野生には勝てん。
これで終わりか……と思われたが。
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村人達に救われるファプタ。なぜならファプタは、村の中でもっとも価値のある存在だから。その存在を死なせるわけにはいかない。それが自分たちを殺しに来た者であっても……。
村人達の価値意識がファプタを生きながらえさせるのだった。
そういえば村人はイルミューイの一部が注入されて変化した。イルミューイの子供たちと同じ属性を持っている。それを喰わせればファプタは復活するわけだ。
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村人達を喰ったファプタの体から、白いヌメヌメが広がり、傷を回復させていく……。
ファプタを回復させるのは、復讐の「黒」ではなく、復讐が浄化された「白」のイメージ。
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でも「喰う」という場面はきっちりと生々しく見せる。生きること、喰うことは殺すこと。喰ったから生きながらえることができる。ガンジャ隊はイルミューイの子供を喰ったから、生存できた。「喰う」「生きる」というテーマがここでも生きてくる。そのテーマを外さないところがこの作品のいいところ。
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ファプタの眼差しから復讐の怨嗟が消えた。表情が浄化されていく。
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完全復活したファプタ。髪に黄色のカラーが入って、それが血の色の中で輝いて見えて神々しい。
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その瞳には、レグと同じサインが現れるのだった……。
これはどういうことだろう? レグがなぜ生まれたのか、その理由に「欲望の揺籃」が関係しているってことなのだろうか。それが明かされるのはきっとこの先のお話……。
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