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ドラマ感想 ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 第2話感想 中つ国に異変迫る。

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 感想文続きです。
 この感想文は飽きるまで続けようかな。忙しくなったら、こんな長文、書けなくなっちゃうから。こういうのを書けるのは、今だけだから。

 空を火の玉が横切り、ハーフットの集落のすぐ側に落下した。
 その落下地点にやってくるノーリ。そこには、パンツ一丁のやばいおじさんが倒れていたのだった……。

 翌日の朝、様子を見に行くと、謎の男は目を覚ましていて……。
 ふーむ……。
 メディアによる事前情報では、この男は「人間に化けているサウロンだと思われる」という話だが……。
 いや、“灰色の人”じゃないか? ハーフットと接点を持つわけだし、ノーリがフロドをイメージして創造されているとしたら、この人は“灰色の魔道士”ってことになるけど……。
 指輪ファンの間では、この男は「サウロンが化けた姿」っていうことになってるのかな? 私は灰色の魔道士だと予想するけど……。

 エルフの名工・ケレブリンボール。私も名前しか聞いたことのない人物だったから、実在してたんだなぁ……。それにしてもいい顔の俳優だ。気難しい職人って感じが顔から出ている。

 カザド・ドゥーム。モリアのドワーフたちの王国。エレギオンと意外と近所だったんだね。
 穴を掘り進めながら街を建造していったと考えられるから、構造がひたすら多層的になっている。霜降り山の麓なので、雪解け水が常に入り込んできて、水には困らない。山の表面にもいくつも滝が流れているのが見られたが、内部にも滝が流れるように作られている。ただ、そのおかげでコケだらけ。管理が大変そうだ。
 光の光線が見えるが、ずーっと上の方から光を取り入れて、反射板で洞窟王国を照らしているようだ。ただ、その反射板を動かす作業が人力……。大変そうだ。

 明かりは光線以外には“何か”を燃やして得ている。しかし、これだけ広大な王国の明かり、毎日どんだけの燃料を燃やすことになるのだろう……。何年も維持し続けられるとはとても思えない。燃やしているものが「木」だとすると、近場の森で伐採していると考えられるが……。
 明かりの大半が通りの側にあるから、これらの照明は公的サービスだと考えられる。するとモリアの王国はエルフとの交易が始まる以前からすでにどこかと交易をしていて、国民に公共サービスを提供できるくらいに潤っていたと推測できる。

 第2紀の頃のモリアは、エルフの都・エレギオンと交易をしていて、非常に繁栄したとされている。しかしドラマではエルフとドワーフの関係は断たれているから、交易するようになる直前の光景のようだ。歴史ではケレブリンボールもドワーフとだいぶ親しかったと言われるので、そうなる前の話なのだろう。
 ドワーフはやがてサウロンの軍勢と戦うことになるのだが、それが第2紀1697年以降のこと……。うん、そんなに? 第2紀って3441年まで続くんだが……。

 ちなみにバルログを掘り起こしてしまうのは、第3紀1980年。今から3000年後。でも『力の指輪』予告編にバルログの姿が描かれている。バルログはどのように登場するのだろうか……。

 ドワーフの王子、ドゥリン。後に「不死のドゥリン」と呼ばれる人で、非常に長寿で、しかもその子供たちが彼とそっくりだったため、何度も転生していると言われた。「不死のドゥリン」の名前は、彼1人に付けられた呼び名ではなく、その子孫達に付けられた名前だ。
 エルロンドとはドワーフたちと50年にわたり友好を温めていたはずだが、この20年、結婚の時も出産の時もエルロンドは姿を現さず、それでドゥリンはすねていた。エルフにとって20年は一瞬のことだったから、うっかり忘れていたのだ。

 ゴンドラに乗って上昇して行くエルロンドとドゥリン。これも人力で動いているんだと思うが……。ドワーフ王国の維持は大変だなぁ。

 この場面を見て、ドワーフの撮影法はどうやら変わってないな……ということに気付く。画面左側でエルロンドに抱きつくディーサ親王妃は小人の代役。一方、右側奥に見えるドゥリンはデジタル合成。つまり撮影中、エルロンドとドゥリンは一緒の場所にいない。映画『ホビット』のときに試みられた撮影法が踏襲されている。

 ドワーフ美術がよくわかる場面。直線と斜め線を組み合わせた幾何学模様が全体に施されている。ドワーフは粗野で食事マナーもないのだけど、造形物の「美意識」だけは一級品。1人1人が頑固な職人親父みたいな気質で、性格まで職人親父なのでなかなか素直になってくれない。でも心を開くと正直者。そういうところがチャーミングでもあるのだが、でも面倒な性格ともいえる。
 ここの場面ではエルロンドと対立するドゥリンが描かれているのだが、気持ちの距離が近付くにつれてゆーっくりカメラが回り込んできて、背景の「エルフの木」が見えるようになっている。うまい演出だ。

 ドゥリンのお父さん。髭長っ!
 さて、宝箱の中身はなんだろな。カザド・ドゥームといえばミスリルの産地として知られるけれど……。

 泳いで帰るつもりだったガラドリエルの前に、運良く難破した人々と遭遇して、救われる。
 うーん、光源がどうにも「セット撮影」っぽい。まあ、こういう場面をナチュラルな画作りでやるのは難しいよね。

 あああっ! 裸が透けないように、服の下にもう一枚着込んでいる!
 裸が透けるのを期待したのに……。

 本家のエルフと、日本人が思い描くエルフとではだいぶ意識が違う。本家のエルフは性とは縁遠い存在。エルフは半分天上人であるから、そこまで生命への執着はない。命が永遠だから、慌ててセックスして子孫を作らなくちゃいけない……という意識が薄い。
 一方の日本人はいつもエロ目線でエルフを考える。日本人はエルフに対する理解が浅く、エルフを人間と同じ目線の存在で考えてしまう。そこで日本人の描くエルフは、性の部分がやたらと誇張されがちになっていく。日本人はエルフの“見た目”だけを輸入しちゃった。日本発のエルフは、巨乳がデフォルトですものね。日本人にとってエルフは、綺麗でエロいねーちゃんくらいの感覚しかない。
 ええ、ええ、私だってエルフをエロ目線で見ますよ。日本人ですもの。俗物ですもの。人間なんて、エロベースでものごとを考えるものです。
 ガラドリエルの裸! 見たかったなぁ!

 この演出が良い。霧の向こうに帆の影がうっすら見えて、「船だ! 助かったぞ!」と思わせて、間もなくそれが帆を引っ掛けて泳ぐ海ワームであるとわかる。この見せ方はいい。

 つづくこのカットはさらに見事。手前へ泳いでいるガラドリエルを正面から捉えつつ、カメラは水上→水中→水上を何度も行ったり来たりしながら、海ワームに襲われる筏の人たちを捉えている。見事なワンショット。
 画面が慌ただしいので状況がわかりづらいが、ハルブランドがとっさに自分の筏と他の人との筏を切り離し、その間に海ワームが襲いかかって筏の人々が海に飲み込まれていく。

 周りを犠牲にして、自分だけで助かろうとしたハルブランド。そのハルブランドと一緒になったガラドリエル。ガラドリエルはハルブランドを警戒している。しかし、助かるために、2人で協力することになる。
 ハルブランドはどうやら南方人らしい。オークに襲われて故郷の村が崩壊した……と語る。
 オークに……襲われた?
 ガラドリエルはその一言を聞き逃さない。1000年前、忽然と姿を消したはずのオークが南の土地にいた? ガラドリエルは男への関心を強めるのだった。

 その南方人の村では、家の下をネズミが這い回る音をよく聞いていた。最近、ネズミがやたらと増えているようだ。
 またネズミが……と思って床をバンバンやっていたら、床下にいたのはゴブリンだった。
 ゴブリンといえば「RPGにおける最弱の存在」。しかしそれは「手練れの戦士であれば」、という話であって、一般人相手だったら手強い存在。ゴブリンが並の人間よりも生命力が劣る訳でもないし、非常に獰猛で凶暴。戦士であれば戦い方を心得ているから、ただ「凶暴なだけ」のゴブリンは対処可能だが、一般人ではそういうわけにはいかない。本気で戦わないとこっちがやられる。

※ ゴブリンじゃなくて、オークでした。すまん。

 ゴブリンにも地域ごとの種族差というものがあって、「地底のゴブリン」はもっと目が大きい。地底暮らしでわずかな光でも感知できるように、目が深海魚っぽくなっている。
 しかしこのゴブリンは目が大きくない。ということはいつも地底にいるゴブリンではなく、普段は地上にいるゴブリンが、穴掘り作業に駆り出されているのだろうと推測される。

 忌まわしき者が地底を這い回っている。このことを知った村人達が、エルフの砦を目指して疎開していく。
 なかなか凄い画面。向こうの丘の稜線にそって人が一列にずーっと並んでいる。こういうロケーションがなければ撮れないような絵。
 ただ……あの小さな村にしては住人多すぎじゃない?

 地底のトンネルを彷徨うアロンディル。
 その途中、地下水に落ちてしまい、持ってきたランタンの火が消えてしまう。
 じゃあ、この場面の光、おかしくないか……?
 それを言い始めたら、シーンが真っ暗になって何もわからなくなってしまうんだけど。

 さて、各地域で同時多発的に“異変”が起きつつあった。しばらく続いた中つ国の平穏は破られようとしている。サウロンは死んだのではなく、時間をかけて準備をしていたのだ。それが今、人々に襲いかかろうとしている。これからどうなる……。

 というところで第2話が終わり。やっとプロローグが終了。それにしても2時間かけてやっとプロローグ完了。もしもこれが1本の映画だったら、「おいおい、やっと始まったところじゃないか」と言うところ。
 でもこれが本来の『指輪物語』なんだ。2001~2003年版の『ロード・オブ・ザ・リング』は色んな要素をザクザクと切りすぎ(といっても、切らなかったら3時間に収まらない)。これくらい超スローペースで物語の展開しているのを見ると、「ああ指輪物語だなぁ」……という感じがする。

 ただ第3話以降の心配もあって……。というのもすぐに映像的に楽しい活劇が展開されるわけではない。サウロンと人間・エルフ・ドワーフの連合軍が戦うようになるのは、数百年後の話。この時代には、まだ盛り上がるような「クライマックス」的なエピソードはないはず。この時代をどう描いていくつもりだろう……?
 予想では、全体で5シーズンも作られる予定なので、次シーズンに入ったら、話は数百年後……ということになるんじゃないかと。なにしろまだ「魔法の指輪」を作りはじめそうな展開すら起きてないわけだから。第2紀におけるサウロン討伐達成まで、あと1500年後くらい。この時間経過をどう捉えるのだろう。
 まあとにかくも第3話を待ちましょう。

次回


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