見出し画像

9月9日 ゼルダ無双発表じゃーい!

『ゼルダ無双 厄災の黙示録』1stトレーラー

4Gamer:「ゼルダ無双 厄災の黙示録」の第1弾トレイラーが公開。リンクはもちろん,あの4人の英傑達,ゼルダも操作可能

!ブレスオブザワイルドのネタバレが含まれます!

 『ブレスオブザワイルド』のプレイヤーにとって、これは“歴史”ですから、コーエーテクモが作るのは必然……!
(これはジョーク。歴史物を扱っているのはコーエーテクモの中でもシブサワ・コウブランド。無双シリーズはオメガフォース制作)
 コールドスリープで力が衰えてしまう以前の、全盛期のリンくんがどれだけの力を持っていたか、その力を表現するために『無双』シリーズをここに当てはめてくるという判断、さらには100年前の戦いがいかに激しかったかを表現するために『無双』シリーズ系列で制作しようという決断……どれをとってもあまりにも楽しみな企画になっている。
 それにしても、最近の任天堂とコーエーは仲が良い……。

画像1

 リンくんは最終的にはたった一人でガーディアンの大群を相手に、孤軍奮闘、獅子奮迅、八面六臂の大激戦を繰り広げ、この場所――ハテノ砦で倒れた……と伝えられている。
 あの門の向こうに何があるのかというと、おびただしい数のカーディアンの残骸。門は見ての通りズタズタになってしまっているが、その手前側にはガーディアンは一体たりともいない。ということはリンくんは、この門を守り切って倒れた、というわけだ。
 門の向こうの、あの壮絶な様を見ると、まさに『無双』な大活劇があったんじゃないか……と想像してしまう。
 とはいったものの、それも後に伝えられている話に過ぎず、実際がどんなものかわからない。
 あの戦いがどんなものだったのか。それをプレイヤー自身でクリエイトできる……それをいま想像しただけでも興奮してしまう。

 現在紹介されているムービーでは、4英傑も登場し、さらには操作可能であると告知されている。見ているとリーバルとリンクの諍いが少し描かれている。ということは4英傑との関係が始まった初期の頃、まだ4人が団結していない頃から物語が描かれる……ということになる。
 すると『ゼルダ無双』のストーリーはハイラル城が陥落して、ひたすら撤退戦……という感じではなく、それよりももう少し前から物語が描かれるのだと想像できる。

画像2

 ただそれがどのあたりから……なのかは予想しづらい。まず厄災ガノンが復活する前か後なのか、もういっそリンクが「お前は伝承で伝えられるあのリンクの生まれ変わりなのじゃ」と言われるところなのからか。
 作り手としてやりやすい展開は、「ハイラル城陥落」という大きなクライマックスから物語を導入させ、それから個々のエピソードを回想形式として断片的に語っていく、という方法がある。この方法だとそれぞれのエピソードをリニアに繋げる必要がない。ただ物語全体が長大になっていくと、冒頭に描かれたハイラル陥落がプレイヤーにとって遠い過去になっていき、印象が薄くなってしまう。そこまで長大でなければ、冒頭の緊張感を維持しつつ、ゲームのクライマックスへ持って行けるが……。
 でもこれをやってしまうと、正直なところ「ありきたりかな」という印象が先に立ってしまう。物語としての密度を持つためには、最初からきちんと一つ一つのエピソードを追いかけて、それからクライマックスへ向けていった方が、物語としては強くなる。
(漫画では非常によく見かける手法。どうして誰もあの手法を「使い古されてもの」と言わないのだろう?)
 またおそらくは『ブレスオブザワイルド』未プレイヤーでも受け入れやすく作られるはずだから、(シナリオライターが妥協しない限り)それぞれのキャラクターはそれなりにきちんと描かれると思われる。ゲーム中の一部のシーンでちょっと使って終わり……ってことはないだろう。
 さて、このありはどうなるか。

 最終的に悲劇(全員死亡)で終わることが確定している『ゼルダ無双』。だから「バッドエンド確定」がトレンドワードに入るわけだが、私は悲劇で終わることを悲観的には考えていない。なぜならその瞬間を目撃した方が、『ブレスオブザワイルド』の感動が高まると考えられるからだ。
「あの時、あんなふうに死んでしまったから、その無念を果たすために『ブレスオブザワイルド』の物語があるんだ」
 と思えるようになるんじゃないか。『ブレスオブザワイルド』の前編として『ゼルダ無双』が一つの重しとなると考えられるし、そのドラマは次なる『ブレスオブザワイルド続編』にも連なっていくと考えられる。ドラマ全体が連なり、3部作としての強さが生まれるんじゃないか、と考えている。
 だから中途半端に「分岐要素」とか入れず、「死んでくれい!」と思っている。「生存ルート」がそこに入ってしまうと『ブレスオブザワイルド』シリーズ全体のドラマがぼやけてしまう。
 またおそらくは『ブレスオブザワイルド』の時のように「どこから攻略してもOK・正規ルートは存在しない」という感じではなく、それぞれのエピソードがステージ形式で独立していて、物語を追っていく感じになると思われる。
(もしかしたら後半、キャラクターをチェンジしながら4英傑それぞれの状況を描いていく展開もあり得るかも知れない)

 そうすると難しいのはいかに死のドラマを演出するか、だ。ゲームはこれが非常に難しい。ゲーム的に「ミッションクリア」しているのに、その次のイベントムービーで死ぬシーンが描かれたらスッキリしないどころではない。それはシーンとしてわざとらしくなる。「泣かせるために殺しているな」という印象を抱かせてしまう。
 アニメや映画ではこういう演出は難しくはない(わざとらしく殺しているな……と感じる作品はまああるけども)。しかしゲームは目の前のミッションをクリアしていき、正解と成功を積み重ねていくことが基本的な構造となっている。物語も基本的にはこの構造に沿うように作られていて、成功と成長が連続していくからゲーム特有の快楽がそこに生まれている。
 もしもゲーム的なミッションを成功させているのにも関わらず、物語で「失敗」と判定されるかのような展開が来ると、どうしてもスッキリしない。どこかでフラグ立てをミスったのかと思ってしまう。プレイヤーの行動が結果に気持ちよく結びつかず、こういうとき、作り手側の「作為」を感じてしまう。だから昔からゲームの「負けイベント」は嫌われる傾向にある。私も色んなゲームを見てきたけど、ここがうまくいっている作品はほとんど見たことがない。
 ゲームとしての納得感を持たせつつ、いかに敗北のドラマを描いていくか。この難題をこなさないと『ゼルダ無双』はどんなにゲーム部分をきちんと作り込んでも、名作の名を堕とすだけの珍作となってしまう。

画像3

 『ゼルダ無双』で期待したいことは、ゼルダ姫がどのように描かれるか、だ。『ブレスオブザワイルド』ではゼルダ姫の葛藤が強く描かれていた。厳しい修行をこなしていたが、能力が覚醒しない。そのうちにもリンクや4英傑たちが能力を覚醒させていく。その状況に、ゼルダ姫ははっきり焦りと苛立ちを抱えていた。時にはリンクに対して苛立ちをぶつけることもあった。
 厄災ガノンが顕現し、ハイラル城が陥落し、ゼルダ姫はリンクに手を引かれて逃亡することとなる。そんな状況下でありながら、ゼルダ姫はいまだに能力を覚醒させられず。父が死に、4英傑もおそらく死んだと思われる状況にゼルダ姫は責任を背負い、絶望に打ちのめされて号泣する。
 ゼルダ姫は能力を覚醒させられなかったばかりに、国を一つ崩壊させてしまうわけだ。壮絶なる絶望を背負っただろう。
(ハイラル国領民もこの時にまとめて死んでしまうわけだが、責めるのはゼルダ姫ではなく、まずガノンだ。ガノンが悪い。ここを取り違えてはならない)

画像4

 しかし最終的には何かを乗り越えて、穏やかな微笑みを浮かべることになる。
 この時にはリンクが目覚めるまでの100年間、ガノンと戦い続ける覚悟を決めたのだと思われる。

画像5

 素朴な疑問として、あのシーンとの間に何があったのか。ゼルダ姫はこのとき、何を乗り越えたのか。『ゼルダ無双』でこのあたりの答えは描かれるのか……というか『ブレスオブザワイルド』に描かれていた様々なシーンは『ゼルダ無双』で描かれるのか? 描かれるとしたら「あのシーンの完全版」を期待したいところだけども……。
(もしも描かれるとしたら、このシーンはエンディングかも知れない)

 こんなふうにゼルダ姫について考えていると、ひょっとすると今回の3部作でリンクの物語から次第にゼルダ姫の物語へと移っていくのではないだろうか。ゼルダ姫が能力を覚醒させ、葛藤を乗り越え、罪の意識からも解放されて……うーん……任天堂はそういう深いテーマを書いてくれるかな? 『ブレスオブザワイルド続編』はどの方向に進むのだろう。『続編』はゼルダが主役の「贖罪」の物語だと想像しているけども……。

ゼルダ無双厄災の黙示録1stトレーラー (16)

 『ゼルダ無双』のゲーム画面を見ていてふと疑問に思ったが、この画面、どうやって処理しているのだろう? 『ブレスオブザワイルド』に出てくる「草」は一つ一つが意味のあるオブジェクト、というとんでもない描かれ方をしていた。その草を画面一杯に表示しつつ、無数のボコブリンも表示する……。どうやったらそんなことができるのだろう?
 ということは『ゼルダ無双』の草はそれを使った仕掛けとかはない感じかな? 『ブレスオブザワイルド』の時は草に火を付けて、風で延焼させて敵を追い込むことができたが。

AUTOMATON:『ゼルダの伝説 BotW』100年前を描く『ゼルダ無双 厄災の黙示録』はどのような結末を迎えるのか。原作で語られた設定とは異なるひとつの疑問点から考察

さて、ここまでで疑問点が生じたのはトレイラー内の戦闘シーン。具体的には、リンクとゼルダが戦闘中にシーカーストーンの「リモコンバクダン」「ビタロック」の機能を用いたアクションを駆使している点だ。100年前のハイラルであるにかかわらず。
シーカーストーンは、遥か昔のシーカー族が持つテクノロジーによって造られた小型端末だ。原作では様々な機能が搭載されており、勇導石を介することで新たな機能を解放することができた。しかしながら、本作の舞台から100年後のハイラル、原作のゲーム開始時には基本機能や「リモコンバクダン」「ビタロック」といった機能もロックされているのだ。

 そうだそうだ。すっかり忘れてた。この時代、シーカーストーンはまだちゃんと動いておらず、有用な機能はほとんど使えなかったはず。でも映像を見ると、ばっちりリモコンバクダンやピタロックを使ってしまっている。
 この矛盾はどうするつもりなのか?
 もしかしたらプルアが別のものをこの時代に作っていた可能性がある。同じように見えるが、実は別のもの……という可能性もある。とはいえ、これに関する言及が『ブレスオブザワイルド』時代にまったくなかった……というのが引っ掛かりだ。もしも似たようなものを作っていたなら、なぜ100年後の世界になかったのか、100年の間に何もアップグレードがなかったのか……。
 『ゼルダ無双』と本家シリーズとの間に変な矛盾は作って欲しくないところだけども……。いくらゲーム的な爽快感がほしいからといっても、それはダメ。
 『ブレスオブザワイルド』と矛盾を作らず、どのように解釈するのか。このあたりの答えもどうなっているのか、期待だ。

 9月11日!
 『ゼルダ無双』予約しました! 通常版!


この記事が参加している募集

とらつぐみのnoteはすべて無料で公開しています。 しかし活動を続けていくためには皆様の支援が必要です。どうか支援をお願いします。