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世界遺産の首里城遺構を見に行ったら柱しか見れなかった。涙。

シカ「私たち、首里城に行ってきました~!」
トラ「うーん、首里城に行きましたって言っていいものかどうか・・・。」
シカ「柱は見たね。」
トラ「柱だけ見たね。」

首里城に行きましたって言っていいものかどうか

沖縄観光といえば、誰もが最初に「首里城」と言うのではないでしょうか。
朱塗りの美しいお城「首里城」は、観光地としても人気の高い場所です。
悲しいことに2019年に火事で消失し、今は再建の真っ最中です。

火災で首里城が消失

2019.10.31 首里城の火災

2019年10月31日、正殿内部から発生したと思われる火災により、正殿を含む9つの建物が焼失しました。

原因の特定には至らず、火災になった原因はわかっていません。

火災前の美しい首里城

在りし日の正殿

首里城は、美しい朱塗りのお城で、およそ450年間栄えた琉球王国の王宮であり、政治や外交を行う場所でもありました。

火災や戦争によって幾度となく消失した首里城ですが、そのたびに復元されてきました。

再建工事

首里城再建工事中

そして今もまた、再建工事がすすめられています。
正殿の復元は、2026年頃になる予定です。
その他も含め、すべての完全復元に至るまでにはさらに年数がかかりそうです。
有料区域では、貴重な工事の様子などを見ることができるそうです。

首里城は世界遺産

世界遺産 琉球王国のグスク及び関連遺産群

首里城は2000年12月に世界遺産の「文化遺産」に登録されました。
石碑には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」と書かれています。

世界遺産は本殿ではなく「遺構」

世界遺産となっているのは、あの美しい朱塗りの首里城ではないことを知っていましたか?

首里城本殿の遺構

首里城は幾度も建て替えられており、歴史的価値があるわけではありません。
本当に価値があるのは、本殿の下にある「遺構」です。
遺構とは、地中にある建物の痕跡のことです。
15世紀頃から今も残っているものは、この「遺構」で、この場所が世界遺産に認定されているというわけなんです。

遺構を見ることができるのは今しかない

・・・ということはですよ。

トラ「世界遺産となっている遺構をこの目で見ることができるチャンスって、今しかないじゃないですか!シカさん!」
シカ「行くシカないね!トラさん!」

今がチャンスだ!

という流れで、那覇に着くなり真っ先に首里城へ向かいました。

首里駅から首里城公園までの道のり

宿泊するホテルに荷物を置き、首里城見学の営業時間を調べるトラさん。
時刻は16時すぎ。
トラ「営業時間は8時までだ。」
シカ「じゃあ今から行っても間に合うね!」

ゆいレール時刻表

ゆいレール(モノレール)に乗り、最寄りの「首里駅」で下車。

丼を持つシーサー

ウキウキしながら徒歩で首里城公園へ向かいます。
途中、かわいらしいシーサーさんに出会いました。
ラーメン好きらしい。

不気味な石像が並ぶ家(店?)

「ギャー!なんか怖い!」
頭のない石像や、ちょっと不気味な石像が並んでいるおうち(お店かな)がありました。

これは現代アートというやつか・・・?

初めて見る沖縄の街をキョロキョロしながら進んでいきます。
10分以上歩いた頃、
シカ「ねえ、遠くない?」
トラ「足が痛くなってきたもの。」
意外にも遠く、迷ったのかとちょっぴり不安になってきた頃、ようやく案内看板を発見しました。

ウィーモー(上の毛)?

上の毛(ウィーモー)

トラ「ウィーモーって書いてあるけど・・・。」
シカ「あはははは!おもしろい!!ウィーモーって何だろう!?」

ちょうどこの「ウィーモー」の下あたりに案内板があり、ウィーモーをまっすぐ進むと首里城に行けそうではあるけれど、ぐるりと回り道して進むよう指示がありました。
(ウィーモーがおもしろすぎて案内看板を撮るのを忘れました)

ウィーモーまっすぐ行っちゃいけないのかな

シカ「まっすぐの方が近そうなんだけどなあー。行っちゃダメかな?」
トラ「ダメでしょ。右の方から行けって書いてある。」

仕方なしに案内板が指し示す方へ、ひたすら歩いていきました。
そこから先もまだまだ遠く、結局首里駅から15分以上は歩いたと思います。

てっきり首里城目の前と思うじゃん

「首里駅」っていう名前の駅だから、すぐ目の前に首里城があるだろうと思ったら大間違い。
かなり歩くので、足が痛くならないシューズで行きましょう!
首里城公園の敷地内も広大です。

足に軽い疲労感を覚えつつも、沖縄の街並みを見ながら歩くのは結構楽しいです。
・・・ウィーモーって結局何だったんだろう。地名?

首里城公園

首里城公園に到着

フーフー言いながら、ようやく首里城公園に到着!

首里城の城壁

美しい曲線を描く石の城壁が見えてきました。
かっこいい!

園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)

園比屋武御嶽石門

歴史を感じる古い建造物があります。
これは琉球石灰岩で造られたもので、国王が外出するときに安全祈願をした礼拝所です。
門の形はしているけれど、人が通る門ではなく、神様への礼拝の門なのだそうです。

世界遺産の石碑

隣には世界遺産になった記念の石碑が。

城壁

城壁の高さと曲線の美しさに感嘆しながら首里城の入り口を探して歩きます。

守礼門

首里城といえば、お城の他にも有名なものがありますよね。
そう、「守礼門(しゅれいもん)」です。

トラさんは守礼門を見るのをとても楽しみにしていました。

歩を進めると、目の前にこぶりな門が。
工事中のようで、柱のあたりを囲われています。

工事中の門

守礼門っぽいけど、ちょっと小さいから違うかな。
守礼門」って書いてないしね。

守礼門を探して、あちこち歩きまわります。
守礼門、どこ???
総合案内の図があったので現在地を確認すると・・・。

首里城公園総合案内

地図によると、どうやらこの工事中の小さい門が守礼門らしい。

これ?

トラ「え?守礼門って、これ?」

???

もう一度地図を確認するトラさん。

ホントに!?

トラ「ホントに!?」
シカさんに確認を求めるトラさん。

守礼門と地図を交互に確認
えええ?

トラ「えええ?」
信じられないという表情で地図を凝視し、さらに確認するトラさん。

おおおお ここだ!

トラ「おおおおお ここだここだ!」
ようやくこの門が守礼門だと認めたトラさん。

工事中の壁に囲まれた守礼門

これが守礼門か!

思っていたよりちょっと小さい門でした。
写真で見ると、とても大きいイメージだったんですが。
実際に見てみないとわからないものですね。

守礼門柱脚修繕工事について 張り紙

その時期はちょうど守礼門の柱脚部分の修繕工事中だったようです。
観光シーズンになる前に修繕をしてキレイにしておこうってことですよね。

私たちが悪いのだ

そりゃこんな時期(冬)に来たトラとシカが悪い。
工事中の守礼門をパシャパシャと撮影して首里城へ。

守礼門柱脚(左)
守礼門屋根の下側
守礼門

ちなみに「守礼」とは、「礼節を守る」という意味です。
ここに書かれているのは「守礼之邦(しゅれいのくに)」という言葉で、「琉球は礼節を重んずる国」という意味なのだそうです。

守礼門という名前だから「守礼門」って書いてるわけじゃないんですね。

読めないけど、言葉の意味を知ると、素敵だ!!!と思って、急に守礼門が大好きになります。

歓会門(かんかいもん)

歓会門

守礼門のすぐ近くにあり、一番最初にくぐるのがこの歓会門(かんかいもん)です。

歓会(かんかい)とは、「歓迎します」という意味です。
お客様を歓迎する意が伝わってきますね。

二重に囲まれた外壁

首里城は、外郭(外側の外壁)と内郭(内側の外壁)の二重の石壁に囲まれています。外郭の門をくぐると、また外壁が。

石段

階段は石でできています。
一段一段が広く、ダイナミック。

瑞泉門(ずいせんもん)

瑞泉門(ずいせんもん)

瑞泉(ずいせん)とは、「立派な、めでたい泉」という意味で、門の手前にある湧き水にちなんでつけられた名前です。

漏刻門(ろうこくもん)

漏刻門

次に、漏刻門(ろうこくもん)です。
漏刻(ろうこく)とは、「水時計」という意味です。
門の上の櫓(やぐら)に水槽を設置し、水が漏れる量で時間を計ったと言われています。

漏刻門をくぐる

日影台(にちえいだい)

日影台

影台(にちえいだい)は日時計で、水時計の補助的な道具として使われました。

日影台の説明

首里城本殿へたどり着くまでに、見どころがたくさんあります。
時間はまだまだあると、ゆっくり観光を楽しむトラさんとシカさん。

那覇を一望

上から那覇を一望できて気持ち良かったです。
曇り空でしたが、だいぶ遠くまでよく見えました。

首里城本殿へ

有料区域

さあ、いよいよ首里城本殿へ続く最初の門をくぐります!
門をくぐると、スタッフの方が「めんそーれ!」と挨拶してくれました。
初めんそーれです!!

工事中の建物が見える

広い場所に出ました。
どうやらもう1つ門をくぐっていくようです。
まずは入場券を買わねば。

券売所

券売所

券売所に向かうと、
・・・え・・・?
券売所閉まってる。
今は再建の工事中だから入場料いらないのかな・・・?

スタッフの方に入場券を買わなくていいのか聞いてみると、
「無料ですよ〜。どうぞ〜。」
と言われました。

そうなのか、と思いながら本殿のある方向へ歩いていくと・・・。

奉神門が閉まってる

奉神門

奉神門は、正殿前の広場へ続く最後の門です。
この門をくぐると、いよいよ復興現場です。

・・・ん?
門、閉まってませんか・・・?

閉まってる

まさか、まさかの、閉門。
本殿へは行けないようになっています。
他の観光客の方々も、門に近づいては次々に戻ってきます。

トラ「ウソでしょ!?」
シカ「なんで???とりあえず行ってみようよ!」

門の隙間から覗いてみます。

門の隙間から見えたもの

なんだろう、シャッターらしきものに首里城の絵が描かれているような・・・?
あまりよく見えませんでしたが、そんな感じでした。

扉はすべてビッチリ閉められていて、中に入ることができません。
そんな・・・どこか他に入り口はないのだろうか。

ウソでしょ!?

門の脇の方にも道らしきものがあったので、フラフラと歩いていくと、
「あ、そっち行かないでくださ〜い。」
と注意されてしまいました。

呆然自失。
なにがなんだか・・・。
どうなってるの?

観光客が全然いない首里城

あたりをキョロキョロ見回していると、なにやら音が聞こえてきました。

モニターで首里城を見るシカない

モニター

音のする方へ歩いていくと、そこには大きなモニターが。
首里城の再建の模様や公園内の見どころなどを説明してくれていました。

せめてこれだけでもしっかり見ていこう。

この目で見ることは叶いませんでしたが、とりあえずモニターで世界遺産の遺構を見ることができました。・・・2秒ぐらい?

モニターで遺構を見た

さらに、スタッフさんにこう言われます。
「6時で閉まりますので、お気をつけてお帰りください。出口はこちらです。」

入場時間が変更になっていた

お帰りはこちら

・・・え???
6時に閉まる!?!?!?

いま我々、着いたばっかりですよ!?

いま我々、着いたばっかりですよ!?
8時までじゃないの!?!?!?

入場時間

どうやら、普段は夜の8時までやっているようですが、時間が変更になっていたようです。

午後5時に入場券販売締め切り

もう一度調べてよく見てみると、時間変更の記載が。
ちょうどこの時はコロナ禍だったこともあり、時間を短縮してやっていたのかもしれません。

私たちが到着したのは午後5時頃だったので、園内にいるかわいいニャンコさんを夢中で撮っている間にすでに入場券の販売が締め切られていたというわけなんですねぇ・・・。

首里公園内にいるニャンコさん

のんきにネコ撮ってる場合じゃなかった。笑

肩を落としながら出口方面へ歩いていく途中、火災に耐えて残った柱が展示されていました。

火災に耐えた首里城大龍柱

猛火に耐えた首里城大龍柱

首里城の前に立っていた2本の大きな柱「大龍柱」。
よくぞ猛火に耐え抜いて残ってくれたものです。

大龍柱 頭
大龍柱 胴
大龍柱 脚

一部損傷が見られたものの、ほとんどがキレイな状態で残っていました。

結局、首里城に来て、私たちが見ることができたものはこの大龍柱だけでしたが、その後の観光であちこちに大龍柱のレプリカを発見するたびに「あっ!これ、あの柱じゃない!?」と気づくことができました。

国際通りにある大龍柱のレプリカ

大龍柱の発見が、思わぬ沖縄旅行の楽しみの1つとなりました。

もう誰もいない

柱を見ているうちに、気づくと最後の客になっていました。
雨も降りはじめ・・・。

何も見れなかった

もう、帰るシカない。
沖縄の初観光は、無惨な結果に終わりました。

首里城リベンジを誓う

帰り道。
トラ「結局何も見れなかったね。」
シカ「まあ、でもモニターでは見れたから。」

それは家にいてもできることでしょ

トラ「でもさ、それは家にいてもできることでしょ!?」
シカ「たしかに。」

せっかく首里城まで行ったのに

トラ「せっかく首里城まで行ったのに、モニターで確認してきたってどういうことなの!?」
シカさん爆笑。
たしかにその通り!

すぐそこにあるのに

トラ「あと10メートルも先に行けばそこにあったかもしれないのに!」

でもね、トラさん。
これもまた旅行から帰ってきてからわかったことなんだけど、遺構の公開は2022年5月22日で終了してたらしい・・・。
結局見れないことに変わりなかった。笑

リベンジを誓う

トラ「あーーー!もう!!リベンジする!!」

いつか必ずもう1回行く

トラ「いつか必ずもう1回行く!」

これじゃ終われんぞ

トラ「これじゃ終われんぞ!」
シカ「あははは!」

首里城には行ったけど何も経験せずに帰った

首里城には行ったけど、ほとんど何も見れなかった2人。
唯一、柱だけ見れましたけどね。

こうして私たちはいつかまた首里城に行くことを誓ったのでした。
また沖縄に行く楽しみができたと思うと、ちょっと嬉しい。

今、再建に力を注いでいる皆さん、大変な作業が続くと思いますが頑張ってください。
またあの美しい首里城を復活させてください。
首里城の完成を待ちわびる人が世界中にたくさんいると思います。
私たちも、その日を楽しみに待っています。



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