影響力
昔、友達に自分の好きな人はだれか聞かれた事がある。その時に自分は好きな人がいなかったので気になっている人を伝えた。それからしばらくして学校中にその噂が広がり、自分が気になっている人当人の耳にも届いてしまった経験がある。
口は禍の元だと、その当時中学2年だった自分は気が付いた。これは貴重な経験だった。皆にもこのような経験はあるのではないか。
影響力を持った各方面の著名な人物の発言が、日々誰かの心に届きリアクションされる。良いリアクションもあれば悪いリアクションもある。悪いリアクションの事を俗に叩く、炎上するという。
叩かれる理由は様々だが、「思慮分別を失っている」が主な理由だろう。つまり他人の気持ちを汲んでいないのだ。世界中の人々が今どういう生活をして何の過去があって先々どのようなことを考えているのかまで考えが及ばず、数少ない自分の意見を発言してしまう。
前の話に戻るが自分の気になっている人を校内に言いふらした友達とは中学を卒業してから会っていないし連絡も取っていない。だが、その事実は未だに忘れていない。
中学を皮切りに女子から距離を置くようになり、友達を絞っていった。親友と呼べる人はいなくなっていた。
何が言いてえんだてめぇさっきからごちゃごちゃうるせえよ。と思う人もいるかもしれない。そんなの気にすんな飯食って寝ろという人もいるかもしれない。だが影響力について考えてほしい。
影響力は蟻地獄のように自分に纏わりつく。自分は嫌な経験を覚えているタイプなのでいじめられたり、裏切られたりしたことを忘れない。そのため何度もフラッシュバックしては羞恥心を抱き枕のように抱え込み、泥沼に沈んでいく。
どうしようもできない。抗うこともできない。考えることを停止して、次の作業に移行する。もちろんその作業は上の空。損だけが残る。何度も長い時間ループして過去に浸る。これが被害者側の心境だ。
自分は加害者にもなったことがある。小中学校は知識のなさとひねくれた性格で人をからかった。いじめまではいかなかったが酷いことをした。意味のないただただ自分を下げる行為を繰り返し、人を傷つけた。
そんな自分が今思っていることは周りの環境がすべてということだ。連絡を取っていたり話している友達の影響で自分も同じことをする。取り残されたくない一心で皆と同じことをする。海外は違う。個性を尊重している。
そういうことが普遍的で一番正しいと思い込んでいる。人間なんてただの動物だ。宇宙から見たら塵にも満たない。
それを思い続けてたら少し楽になった。
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