夏の日

脳が拐われる真夏の下
言い訳にするなら今だと
本能が貴方の手を引く

太陽に翳す仮初の避暑地
隙間から刺す光を
反抗期の目で見つめた

陽炎から逃げて迷い込む
手を広げて迎えるのはいつ
人波と踊る交差点
この熱を愛したのは誰

境界線に触れる
片方が強く輝けば
もう片方は深い悲しみを知る
美しいと思った
この世は私が思うより
ずっと冷たく整合的

歯車がこの熱で溶けてしまったら
きっと私が生まれる
誰のものでもない私が
この心臓赴くままに
美しくない世界で

私の手を引いたのは
きっと私だ

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夏の思い出

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