ガストロノミーの世界と決別したフレンチ料理人

東京都大田区内で、「とんかつカンティーヌ ゆめみるこぶた」という飲食店を一人で運営して…

ガストロノミーの世界と決別したフレンチ料理人

東京都大田区内で、「とんかつカンティーヌ ゆめみるこぶた」という飲食店を一人で運営しています。 ここでの投稿の目的は店のアピールではなく、日々自分が考えていることの整理とまとめです。 あとそこからなにか、議論や思考の小さなきっかけを、周りに提供できたらなとは思っています。

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(自己紹介記事)ガストロノミーやグルメ情報の業界と決別した話

※この文章は2021年9月に書かれたものです。 僕は都内で飲食店を経営している。完全に独りで運営している小さな店だ。このサイトでアカウントを持って投稿しようと考えた理由上、店の名前を明らかにする必然性はないので、ここでは明らかにしていない。 (※注・2023年6月:2022年7月7日の投稿記事において、自分の店の名前を公開しました。) 僕自身の自己紹介もしていない。料理人としての経歴プロフィールも書かない。 今やどこでもかしこでも、誰でも彼でもが、「どこそこの〇ツ星レス

    • 季節デザート『春イチゴのミルフィーユ』

      ※この投稿は、当店のSNSマガジン『こぶた通信』で配信したものの転載です。 新テイクアウト商品群の、カスクルート連続紹介といこうかと思ったのですが、 実はこちら、すでに2週間も前から提供していたのに、写真がうまく撮れないまま、お知らせをしておりませんでした。 知る人ぞ知る、café Kobuta時代に予想外の(?)大きな人気を博した、 自家製の”カスタードクリームだけ”を主役としてめいっぱい味わう、” こぶたカスタード ”の後継デザート、 『春イチゴのミルフィーユ』

      • 黒トリュフ香るコロッケパン

        ※この投稿は、当店のSNSマガジン『こぶた通信』で配信されたものの転載です。 先週に引き続き、今週末も! 土日限定で販売します 「黒トリュフの香るポテトコロッケ」 さらに!先週はやりたかったのですが数が少なすぎて販売を見送った、 「黒トリュフの香るコロッケパン」! コッペパンにコロッケを挟んだコロッケパン、あれって炭水化物✕炭水化物という一見トンデモ組み合わせの割にはけっこうおいしいよなと、個人的には意外と好きなのですが、 当店のランチで使っているあのけっこう好評な

        • カスクルート商品が拡充!

          ※この投稿は当店のSNSマガジン『こぶた通信 3月25日号』に掲載したものの転載です コロナ禍末期、デリカテッセン業態を終了してから現在の「とんかつカンティーヌ⁺」としてリニューアル再オープンするまでのわずか数カ月間だけ、期間限定で 「café Kobuta」 というカフェ業態の営業をしていました。(2022.6~2022.11) 実質的には「サンドイッチとスイーツ」の店として、ちょっとコーヒーだけというよりは、ランチのお食事や午後のおやつタイムでのご利用を多くいただ

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        (自己紹介記事)ガストロノミーやグルメ情報の業界と決別した話

          黒トリュフの香るポテトコロッケ

          ※この投稿は、当店のSNSマガジン「こぶた通信」3月12日号の、転載です。 春の行楽シーズンに入ってくるので、何かちょっと珍しくておいしそうなテイクアウト商品でも作れないかなあと思い… 気まぐれに試作してみたらとてもおいしかったので、今週の週末(土、日)に、さっそく販売してみます。 当店初の、ポテトコロッケ。 黒トリュフ風味です。 中には、炒め挽肉の代わりに、豚肉のリエット(デリカテッセン業態時代に販売していました)が、リエットほどにはペースト状になっていない状態で、

          こぶた通信「牡蠣の『旬』」

          この投稿は、当店のSNSマガジン「こぶた通信」3月12日号の、転載です。 例年この時期に牡蠣を提供している当店ですが、 召し上がったことのない方は、 「なぜ今の時期に、そんなに牡蠣を推すのか?」 と思われるかもしれません。 実は牡蠣は、5月くらいから始まる産卵期に備えて、1月〜2月くらいから、栄養を特に蓄えて身を肥やし始めるのです。そして3月から4月くらいにかけて、ぷっくりとした身のサイズも味の良さも、ピークを迎えます。 日本では12月くらいの真冬のシーズンが牡蠣の

          我々は、何を求めて、走り続けるのか

          あのとき我々は、 生きていられるだけでこんなに幸せということを、 心の底から再認識し、 感謝し、 誓いを胸にしたのではなかったか。  ……。 それから今に至るまで、 我々は、 いったいどれだけのものを求め続け、 欲しがり続けてきたのか? ……。 ガザの人々が、 ウクライナの人々が、 貧困の淵にあえぐ国に生きる人々が、 ただひとえに、望んでいるもの。 平穏に生きることができる幸せ。 ……。 我々は、何を求め、走り続けてきたのか? 走り続けているのか? 走り続けていくのか

          2024年、年初の思い 完結編~「とんかつカンティーヌ+」から、一周まわって、再び「とんかつカンティーヌ」へ…

          ※この投稿は、当店のHP「店主ブログ」で2月13日に投稿された記事の、転載です。 1月15日の投稿、2月1日の投稿と続いた、 2024年の「年初の思い」表明のブログの、第三編、最終話です。ついに。すでに2月も半ばですが。 どうーしても文章というのは、書くのにいちいち気合が必要というか、時間的にも体力的にも精神的にも、文章を書くモードとも言うべき条件をそろえられたときにだけしか書けないという自分の性質がありまして、どれほど「今後はもっとライトに書きます」と宣言しても、なか

          2024年、年初の思い 完結編~「とんかつカンティーヌ+」から、一周まわって、再び「とんかつカンティーヌ」へ…

          年初の思い 続編(第二話)

          ※この投稿は、当店のSNSマガジン「こぶた通信」2月1日号に掲載された記事の、転載です。 年初のブログとして、1月15日に投稿しました。読んでくださった皆様、ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。 しかしなんだか、ちょっと尻切れトンボ感があったな、と感じられた方も、いらっしゃるのではないでしょうか…結論は、なんだったんだろうか、と… それもそのはず、あの投稿は、あれで終わりではなく、あと2話くらい続けて、それで結論として改めての「今年の計画のお知らせ」として着

          2024年 年初の思い

          ※この記事は、当店のHP内のブログで1月15日に投稿されたものの転載です。 遅ればせながら、改めて、今年はどういう年にしようか、この店をどうしていこうか、と考えたことを、公にお知らせするとともに、自分にとっても意思表明の覚書として残しておこうと思って、書きます。 と、その前に、のっけから脇道に入って補足となりますが、昨年の夏くらいに、「そろそろブログ投稿を再開、本格化させよう!」と考えて以来、8月に一件だけ投稿して、しょっぱなから完全にストップしてしまっていました。一瞬の

          クリスマス特別イベントの「リアル謎解きゲーム」開催中!

          ※この投稿は、当店のSNSマガジン「こぶた通信」の転載です。 userID : tonkatsucantine とんかつカンティーヌゆめみるこぶたでは毎年、ハロウィンとクリスマスの年間2シーズンの期間だけ、店の「ホームページ(バーチャル空間)」と 「実際の店舗(現実世界)」とを融合させた、 完全オリジナルな「リアル謎解きゲーム」を、季節の特別イベントとして開催しています! 「リアル謎解きゲーム」とは、謎かけを解くことで物語を進めていく「謎解きゲーム」を、「リアルな現実世

          クリスマス特別イベントの「リアル謎解きゲーム」開催中!

          とんかつカンティーヌは、全く新しい「とんかつの店」です

          ※この投稿は、当店のSNSマガジン「こぶた通信」の転載です。「こぶた通信」は、当店のインスタグラムとフェイスブックで不定期配信しております。(ユーザー名:tonkatsucantine) 「こぶた通信」11月6日号で少し改まってお知らせしたとおり… とんかつカンティーヌゆめみるこぶたのコンセプト、目指している方向性を、もっと明瞭に発信し、理解してもらえるようにしていくために、 ーーーー とんかつの店であって、 しかもなお、 『とんかつ屋』じゃない。 ーーーー を、新た

          とんかつカンティーヌは、全く新しい「とんかつの店」です

          もっとスキに、自由に、書いてみる。Vol.2

          2022年4月12日の、自分の同タイトルの投稿を読み返してみました。 なかなか、面白いことを書いているなあ、と(笑)。 なんだか、一定の期間を置いて、同じようなことに、でも、新しい段階における新しいことに、少しずつ、毎回気づくようになってきている。 そして少しずつ、自分の殻を脱してきている。ほんのちょっとずつですが。そんなふうに思えるようになってきました。 ”そうか、1年ちょっと前は、お前(自分)は、そんなふうに感じ、考えていたのか…” そして今また、そのときからち

          もっとスキに、自由に、書いてみる。Vol.2

          東急の冊子「SALUS」に掲載されました

          このnoteにアカウントを持って以来、 初の「店の宣伝となる投稿」です(笑)。 東京都内の、渋谷区、目黒区、大田区など一帯の城南エリアから横浜、川崎までを走る、東急電鉄の東急線各線沿線にお住まいの皆様を主に対象としたライフスタイル誌、 「SALUS(サルース)」今月号(2023年6月号)に、当店が掲載されました。 東急株式会社、東急不動産と一体となって開発されている、 「東急線沿線の独特の街づくり」や、 もともとは渋沢栄一が目指した、「東急線的な田園都市生活の雰囲気

          「信念をもって経営する」ことの、正しい意味とは…

          前のふたつの投稿を読んでくださった方、ありがとうございます… 抽象的な語り方だったので、少し認識しづらかったかもしれないことを、ちょっと補足しておきます。 私の言った信念の問題は… A: 「〇〇という問題が、この社会の中にある。だから自分はこの〇〇を解決するために、△△ということをしたいんだ!」という私の信念(事業理念) B: 上のAのような、(なんであってもいいがとにかく)そういう信念(事業理念)をもって事業主(経営者)になるのでなければ、それは正しい事業主(経営者)

          「信念をもって経営する」ことの、正しい意味とは…

          事業主とはいえ、自分の信念に、固執しすぎるということは…

          前回の投稿と、テーマ的には同一の領域に属する内容ですが… 飲食店をやる。何か、事業を始める。 そのために必要なものは、「信念」だと…思ってきました。信じてきました。それすらも、すでにひとつの信念でした(笑)。 自分は、社会のなにか、現状の、現存のなにかに対して、 これこれこういう問題意識を、持っている。これは問題だ。これこそが問題だ。 だから、そういう、自分が考える「社会の問題」を解決し、社会をちょっとでもよりよい方向、少なくとも「自分が考える」よりよい方向に向けてい

          事業主とはいえ、自分の信念に、固執しすぎるということは…