米国株セクター別の直近の動き
今回は年明け以降の米国株式相場の動きをセクター別に検証していきたいと思います。
■2021年の米国株式相場
下記は2021年、年初からの米国株式相場です。
赤がNYダウ、青がS&P500、オレンジがNASDAQ100のチャートです。
年初来パフォーマンスはNYダウが+4%程度、S&P500が+3%程度、NASDAQ100が-2%程度となっています。
昨年まで非常に好調であったハイテク株の比率が多いNASDAQ100の下落が大きくなっています。一方でNYダウやS&P500に関しては、年初来プラスとなっているため、セクターアロケーションの見直しが起きていると考えられます。
■指数ごとのセクター比率
まずは指数ごとのセクター比率から確認していきます。
NYダウ(2021/3/1時点)
ヘルスケア 19.0%
金融 18.6%
情報技術 17.8%
資本財 16.4%
一般消費財 13.4%
生活必需品 7.0%
通信 4.9%
エネルギー 1.9%
素材 1.1%
不動産 0.0%
公益事業 0.0%
S&P500(2021/3/1時点)
情報技術 24.2%
ヘルスケア 13.6%
金融 13.5%
一般消費財 12.5%
通信 10.8%
資本財 8.8%
生活必需品 7.0%
公益事業 2.8%
不動産 2.4%
素材 2.3%
エネルギー 2.3%
NASDAQ100(2021/3/1時点)
情報技術 44.4%
一般消費財 19.1%
通信 18.8%
ヘルスケア 7.2%
生活必需品 4.8%
資本財 2.6%
金融 2.3%
公益事業 0.9%
不動産 0.0%
素材 0.0%
エネルギー 0.0%
指数ごとのもっとも大きな違いは情報技術の配分比率です。
情報技術はいわゆるハイテク銘柄が分類されます。アップル、マイクロソフト、エヌビディア、ペイパル、インテル、アドビ、ブロードコム、シスコ等です。年初からのパフォーマンスの良し悪しはハイテク銘柄の比率がどれだけなのかによるところは非常に大きい状況となっています。
■セクターごとのパフォーマンス
では実際、情報技術も含めたセクターごとのパフォーマンスをみていきたいと思います。
検証にはバンガード社にて扱っているセクター別ETFで検証します。
下記は年初を100とした場合の推移です。
パフォーマンスの良い順にエネルギー、金融、通信、不動産、資本財、素材、情報技術、一般消費財、公益事業、ヘルスケアとなっています。
セクターごとの代表的銘柄は下記です。
・情報技術
アップル、マイクロソフト、エヌビディア、ビザ、ペイパル
・一般消費財
アマゾン、テスラ、ホームデポ、ナイキ
・ヘルスケア
ジョンソンエンドジョンソン、ユナイテッドヘルス、ファイザー、メルク
・生活必需品
P&G、コカ・コーラ、ウォルマート、ペプシコ
・素材
リンデグループ、エアープロダクツ&ケミカルズ、
シャーウィンウィリアムズ
・公益事業
ネクステラエナジー、ディークエナジー、ドミニオンエナジー
・資本財
ハネシャルインターナショナル、ユニオンパシフィック、キャタピラー、
ボーイング、GE
・通信
フェイスブック、グーグル、ウォルトディズニー、ネットフリックス、
コムキャスト
・不動産
アメリカンタワー、プロロジス、エクイニクス
・金融
バークシャーハサウェイ、JPモルガン、バンクオブアメリカ、
シティグループ
・エネルギー
エクソンモービル、シェブロン、͡コノコィリップス
昨年までのハイテク株への資金流入の流れから、様相が変わってきていると感じます。今年に入り、エネルギーや金融等のオールドエコノミーへ資金が移っていることが分かります。
金融緩和でジャブついている資金がハイテク関係を中心としたグロース株に資金が流れていましたが、直近の米国金利の上昇等によるセクターの見直しから割安となっていたオールドエコノミー系のバリュー株へ資金が流れたものと考えられます。
■グロース株・バリュー株比較
グロース株はいわゆる成長株。ですので、短期間で株価が大幅に上昇する可能性があります。一方で、基本的に配当利回りは低く、期待が先行し株価が割高の状況も多くあります。配当利回りが低いのは、成長への投資に資金を振り向けているためです。また、ひとたび株価が下落し始めると、下落幅は大きく、回復までに時間を要することが多いです。
バリュー株は本来の企業価値と比較し、株価が割安に放置されている銘柄です。著名投資家であるウォーレンバフェットは有名なバリュー株投資家です。配当利回りは比較的高め。グロース株と比較し、大きく下落する場面は多くなく、下げ幅も比較的小さいのが特徴。グロースのように短期間に大幅に上昇することはないため、中長期投資に適していると言えます。
現在、セクターアロケーションが進み、グロース株が調整局面となっていますが、「相場は悲観の中で買え」という格言があるように、みんなが狼狽している状況下、いかに買うことができるか、それによって大きくその後のパフォーマンスに影響してくると思います。
今回の調整局面がいつまで続くか分からないですが、過去の相場からすると、遅かれ早かれ回復していますので、安いところで買い増しをしていきたいところです。
■最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。読んでいただきましたら、ぜひ「いいね」を頂けると泣いて喜びます。今後のモチベーションに繋がりますので、ありがたいです。また、次回以降のコンテンツ作成の参考にさせていただきたいので、感想等コメントいただけたら幸いです。まだまだ未熟者ですが、お付き合いいただけましたら、嬉しく思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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