日本と米国の30年比較
今回は2021年に投稿しました日米の経済・景気・企業について、直近30年の比較を2022年最新版にアップデートして発信したいと思います。
■日経平均株価は30年ぶりの3万台から大幅下落
日経平均株価は1990年8月以来、30年半ぶりに昨年3万円台に乗っていますが、今年に入ってからの世界的な相場下落により、日本株も大きく下落し、現在25,000円台で推移しています。下記の図のように、2012年のアベノミクス以降、日本の株式市場は急速に上昇しています。ただ、チャートをご覧になってわかる通り、1989年のバブルをピークにその株価を回復していません。バブル後の日本経済は失われた30年と言われていますが、その間米国と比較して日本の動きはどうなのか検証していきたいと思います。
■日米30年比較(日経平均・TOPIX・NYダウ・S&P500・ナスダック)
株価に関しては、代表的な指数の平成元年1989年と現在を比較したものを以下にまとめています。
上記をご覧になってわかる通り、日経平均やTOPIXは1989年の水準を上回っていない一方、米国の指数はすべて大幅に上昇しており、NYダウやSP500に関しては12倍程度、ナスダックに至っては30倍以上と、当時インデックスに100万投資していた場合、それを置いておくだけで現在3000万になっています。日経平均のインデックスに投資していた場合、100万が69万。
米国においては、GAFA(アルファベット(グーグル)・アップル・メタプラットフォームズ(旧フェイスブック)・アマゾンドットコム)を中心にハイテク企業の成長が著しく、マイクロソフトを含めたGAFAMの時間総額は東証1部の時間総額を上回っています。
■企業の新陳代謝
米国企業の新陳代謝は日本企業に比べて早く、米国の時価総額上位30社の創業からの年数は90年の「88年」から「44年」と半分になっている一方、日本においては「56年」から「66年」と10年延びています。
マイクロソフト1975年創業(創業45年)
アップル1976年創業(創業44年)
アマゾン1998年創業(創業22年)
グーグル1998年創業(創業22年)
フェイスブック2004年創業(創業16年)
フェイスブックに至っては、まだ創業してから20年以内と驚異的なスピードで拡大しています。ちなみに、現在躍進著しいテスラは2003年創業。
日本において、時価総額10兆円を超える企業6社を検証してみます。
1位 トヨタ自動車 時価総額26兆円 1937年創業(創業83年)
2位 ソフトバンク 時価総額21兆円 1981年創業(創業39年)
3位 ソニー 時価総額15兆円 1946年創業(創業74年)
4位 キーエンス 時価総額14兆円 1974年創業(創業46年)
5位 日本電信電話 時価総額11兆円 1952年創業(創業68年)
6位 ファーストリテイリング 時価総額11兆円 1963年創業(創業57年)
平均すると61年、GAFAMは平均30年ですので、代表的企業で比較しても日本企業の方が圧倒的に創業からの年数は長いことが分かります。これは一概に悪い話ではなく、それだけ息の長い企業が多いことの裏返しであるため、それはそれで素晴らしいことだと考えます。一方で、日本の終身雇用・年功序列・時間給といった従来からの働き方や企業風土を含めて考えると、米国と比較して、イノベーションが起きづらい環境になっていることは間違いありません。
■中国の台頭
米国が成長著しいのはもちろんですが、さらに急速に伸びているのが中国です。中国ではGAFAと比較する形で、BATHと言われている企業があります。
B→バイドゥ 2000年創業(創業20年)
A→アリババ 1999年創業(創業21年)
T→テンセント 1998年創業(創業22年)
H→ファーウェイ 1987年創業(創業33年)
事業内容はバイドゥはグーグル、アリババはアマゾン、テンセントはフェイスブック、ファーウェイはアップルと覚えておくと、分かりやすいかと思います。テンセント、アリババは世界時価総額でも上位20位に入っています。
最近の中国の躍進は著しく、ユニコーン企業数では米国と並ぶ勢いとなっています。人口14億人という巨大マーケットの中、技術力の向上と国策による企業保護により、独自の進化を遂げていっています。
米中を中心としたイノベーション革命下、日本企業の躍進にも期待したいところです。
■最後に
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まだまだ未熟者ですが、お付き合いいただけましたら、嬉しく思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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