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エッセイ

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小さな日常とか
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いのち短し、恋せずとも歩いていけよ乙女

「日記つづいたことない」を体現しながら五月に入ってしまったのでエッセイでも書こうかと……。毎日ひとことだけでもなにか書き残そうと思うのにペンが追いつかない。さいきんはツイッター(ちがうよ、X)さえさぼっているし、LINEの返信も滞らせている。書くことがないのではなく、書く時間も現実を生きているだけなんだけれど。隙間なく忙しくしているほうが余計なことに心を引っ張られずに済むから、居心地はわるくない。

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日記つづいたことない

日記つづいたことない

 人生で10回くらい、日記をつける人間になるぞ、と宣言したことがある。そして、長くても数か月、はやければ一日で、その宣言を裏切ってしまう。面倒くさくて。はやく寝たくて。
 このnoteにも書いていたことがあるけれど、一日一記事がだんだん週に一記事になり、月に一記事になり、もはや日記じゃなく月記って感じになってきてもはやそれはただの近況報告なのよ、となりフェードアウトした。ざんねん。読書記録とかもち

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エッセイ「かわいくなりたい、?」

エッセイ「かわいくなりたい、?」

 22歳と1か月にして、微々たるメイクをするようになった。

 なぜこれまでしていなかったかと言えば、自分の容姿にとくに興味がなかったのと、コスメを買うお金があるなら本を買ったほうがいいとしか考えていなかったせい。なぜ今しようと思ったのかと言えば、そろそろマスク外していいんじゃないか風潮を感じた(でもさいきんインフルエンザも流行り出してますね)のと、コスメに詳しい高校時代の同級生と久しぶりに会って

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そういえば女子高生作家だった

そういえば女子高生作家だった


 高校生のときにちいさめ(と言ったら失礼だけれど、そんなに大手ではない)文学賞で賞をもらって、本を出してもらったことがある。新進気鋭の女子高生作家、だったことがある。身元、まあべつにばれてもいいのだけどあえてここで当時の名義を出さないのは、いま書いている純文学系の作品と当時書いていた作品の方向性がぜんぜん違うから、お互いの作品には影響を及ぼさないほうがいいんじゃないかなと思っているせい。それでも

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エッセイ「おいしそうに食べるひと」

エッセイ「おいしそうに食べるひと」

 おいしそうに食べるひとに憧れる。食べものを前にして目を輝かせ、大きく頬張って、幸せそうに咀嚼するひとに、どうしても惹かれてしまう。じっと見つめてしまう。

 おいしそうに食べるひとが好きです、と言うひとを見ると、ああ、そうだよね、と思う。そして、敵わないな、と思う。

 わたしはたべるのがおそい。ひとつの食事を済ませるのに、30分から1時間ほど要する。どうやらひと口あたり100回くらい噛んでいる

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