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みらいのメンタルヘルス

明日を切り開く最新の研究に触れれば、未来が見えてきます。ここでは、世界最先端のメンタルヘルス、精神医学の研究を紹介します。一緒に、メンタルヘルスの未来をのぞいてみましょう! 毎週…
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2017年4月の記事一覧

脳トレの科学的な根拠

脳トレの科学的な根拠

認知機能とは、記憶したり、学習したりなどの脳が持つ知的な働きのことです。

注意力、集中力も認知機能に含まれます。

この認知機能が少しだけ低下した状態が、

軽度認知障害と呼ばれます。

これは、実生活にはまだ問題が出ない程度で、少し忘れっぽくなった程度の症状です。

認知症の一歩手前の状態で、グレーゾーンという言い方もできます。

さらに認知機能が低下すると生活が成り立たなくなり、ここまでいく

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脳深部刺激療法と摂食障害の研究をシェアします

脳深部刺激療法と摂食障害の研究をシェアします

脳深部刺激療法という単語を聞いたことがある人は、きっとほとんどいないと思います。

これは、脳の奥に小さな電極を埋め込み、継続的に脳神経に電気的な刺激を送るという治療です。

主にパーキンソン病の治療に使うものですが、うつ病などの精神疾患の治療にも有効なことがすでに分かっています。

もちろん、手術が必要という大掛かりな治療になるので、薬の治療が効かない人、なかなか良くならない人だけに行います。

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精神疾患とナルコレプシーの研究をシェアします

精神疾患とナルコレプシーの研究をシェアします

ナルコレプシーとは過眠、つまり、夜にしっかり寝ても、昼間も眠くなるというように、睡眠が増えすぎてしまう病気です。

その他にも、楽しかったり、怒ったりなど、感情が動いた時に急に体の力が抜けるという情動脱力発作が出る人もいます。

これは、脳の病気であり、オレキシンという神経伝達物質が少ないなどのメカニズムが分かっています。

さて、

精神疾患も脳の病気ですから、ナルコレプシーも脳の病気であれば、

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双極性障害の診断改訂を検証する研究をシェアします

双極性障害の診断改訂を検証する研究をシェアします

双極性障害、別名、躁うつ病とは、気分が落ち込んで悲しくなる、うつ状態という症状と、気分がハイテンションになり活動的になる躁状態(躁病)という症状の両方が出てくる病気です。

この双極性障害の診断に関する研究を今回は紹介したいのですが、その前に、精神疾患の診断について簡単に説明します。

医学では診断をするための基準が用いられることがあり、そのまま診断基準と言います。

精神科における診断基準とは、

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双極性障害の入院回数を減らす薬の研究をシェアします

双極性障害の入院回数を減らす薬の研究をシェアします

今回は、双極性障害について、スウェーデンの研究をご紹介します。

双極性障害とは、気分が落ち込んだり(うつ状態)、テンションが上がったり(躁状態)する病気です。

気分が強く落ち込むと、死にたくなったりすることがあります。

また、テンションが上がりすぎても、暴力的になったり、なんでも買ってしまい多額の財産を失ったりすることがあります。

つまり、どちらの状態も、過剰になると大きな問題が出てくるの

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