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5歳息子といっしょに「出勤」した、34才誕生日。

「8月15日、ヘルプで出勤できない?」

店長から電話がきて、その日付を耳にしたとき、「あ、私の誕生日だ。」と思った。

でも8月15日は月曜日で、父ちゃんは普通に会社。息子の幼稚園はお盆休みなので、息子と2人でのんびりいつも通り過ごすつもりだった。


「特に予定はないんですけど、息子の幼稚園が休みなんです。息子を連れて行ってよければ、出勤できるんですけどねぇ〜。」


出勤したい気持ちはあるけど無理なんです、という気持ちを伝えようと、そんな言い回しで返答したら、予想外の答えが返ってきてビックリした。


「え!?ほんと!?息子さん連れてきてもいいから、出勤してほしい!」


ひょんなことから、今年の誕生日は息子をつれて出勤することとなった。


スタッフの体調不良が相次いでいて、本当に人が足りていない状況。私もいつもみんなに助けてもらっているので、こんなときこそ私もお店の役に立とうと、意気込んだ。


でも、はじめての息子を連れての勤務。
果たして大丈夫なのだろうか?

幸い私の働いているリラクゼーションサロンは、個室での施術だ。イヤホンとタブレットを持参して、空いている個室でYou Tubeを見といてもらえば何とかなるだろうか。あ、お菓子も時間稼ぎになるかな。

頭の中でグルグルシュミレーションしてみたら、不安はあるものの、なんとかなりそうだ。



「りんりん、1日だけさ、母ちゃんの仕事場についてきてくれる?You Tubeみながら、母ちゃんが仕事終わるまで待っててくれる?」

「母ちゃんといっしょに仕事するの?」

「ちゃうよ。母ちゃんがお客さんをもんでる間、その近くの部屋で待っててほしいんよね。お客さんがいないときは、りんりんと一緒にいるよ。ずっと1人ではないし、母ちゃん近くの部屋にいるから。」

「わかった・・・」

若干不安そうな息子。でもとりあえず了承してくれた。



ドキドキしながら、当日をむかえたけれど。
結果、なんてことなかった。

息子は、「フカフカ〜!」といいながら施術ベッドの上であぐらをかき、ヘッドフォンをつけてYou Tube三昧。


店長や、私の後にシフトに入る方が、息子のためにお菓子やらジュースやらをたくさん差し入れしてくれた。

そして、いつもちょっぴりクールな店長が「今日誕生日やんな?」と、かわいいカンカンに入ったお菓子セットをそっけない様子で手渡してくれた。そのそっけない様子と、カンカンの可愛さがミスマッチで、心の中でクスッと笑った。

ここで働き始めて、はじめての誕生日。履歴書をみて、把握しといてくれたのだろうか。

年々、自分の誕生日がどうでもよくなってきているけれど、やっぱり自分の誕生日を覚えてくれている人がいることはうれしいな、と思った。


「息子とはじめて出勤する」という、ある意味刺激的で、そしてホッコリさせてもらった誕生日になった。




その日、お盆でお孫さんが家に泊まりにきているというおばちゃんの体をもんだ。

2歳と5歳の男の子のお孫さんで、相手をするのにグッタリ疲れてしまって、休憩しにきたとのこと。娘さんにこのサロンをすすめられて、お孫さんたちには「ちょっと買い物に行ってくる」とウソをついてきた、とケラケラと笑いながら話してくれた。


「私にも5歳の息子がいます。」と伝えると、"5歳あるある話"で盛り上がる。

ひとしきり話したあと、おばちゃんが私に聞いた。


「今日は息子さんはどうしてるの?お盆で幼稚園はお休みなんじゃないの?」


その質問に一瞬ドキッとする。


そして一瞬のうちに、
頭の中で答えを準備して返す。


「今日は主人が見ててくれてるんです。」


おばちゃんとの会話の中に、1つだけウソが混じってしまった。私の意識が、息子のいる個室へと飛んでいく。


「実は今日は息子もいっしょに出勤してまして・・・」

もしも私がそう答えていたら、おばちゃんはどんな反応をしただろう。おばちゃんはなんと答えただろう。やさしそうなおばちゃんだったから、きっと「息子さん、大丈夫?」とか「息子さん、静かにしててえらいわねぇ。」とか気遣ってくれただろう。

でも少なくとも、家に帰ってから娘さんにその話をするんだろうなと思った。おばちゃんにとって私との会話が、"他愛のない話"ではなくて、"ちっちゃなニュース"になっていたかもしれない。

ここはリラックスする場所だから、体も心もゆるめる場所だから、"他愛のない話"の方がいい。おばちゃんに余計な気をつかわせないように、私はウソをついたんだ。

とっさにウソをついた理由を探して、自分を納得させた。



勤務後、息子と自転車に乗って、家に帰る。

「母ちゃんの仕事場行けて、楽しかった〜。フワフワだったし、You Tubeいっぱい見れたし、お菓子食べれたし。」

「そりゃよかった。今日はついてきてくれてありがとね。母ちゃんさ、お客さんと話してて、りんりんと一緒に出勤したのに、りんりんは父ちゃんと一緒にお留守番してるってウソついちゃった。」

「なんで?」

「なんでやろね。口が勝手に動いちゃった。」

「口は勝手に動かないよ。母ちゃんの口が動いちゃう前に、"ぼくはココでーす!"って言いにいけばよかったね、ぼく。そしたら母ちゃんウソつかなくてよかったのに。」

「そんなんしたら、おばちゃんビックリしちゃうよ。」

「なんで?」

「まさか子供を連れてきてるとは、おばちゃん思わないと思うよ。」

「子供はあそこにいちゃダメなの?」

「ダメなことないねんけど、めずらしいことやからね。」

「なんでめずらしいことなの?」

「なんでかなぁ。子供がうるさくしちゃったら、お客さんリラックスできないからかな。」

「ぼく、しずかにしてたけど?」

「そだね。ありがとね。」


そんなような会話をしながら。

息子の「なんで?」は、いつも私にいろんなことを気づかせてくれる。



子供と出勤するということは、とっさにウソをついてしまうくらいに「特別なこと」「お客さんに気を使わせてしまうこと」だという感覚が私には根づいている。

でももし、どうしても子供を預けられない日に、ママが子供と出勤することができたなら。

それがどんな職場でも「普通の光景」になったのなら。

ママはどれくらい働きやすくなるだろう。
ママの気持ちはどれくらい軽くなるだろう。

そんなことを想像しながら、自転車をこぎ続けた。



今日1日、5歳息子との勤務を無事に終えて。

実際、

「いざという日は、息子を連れていくこともできなくはない!」という選択肢が増えるだけで、なんだかすごく自由になった気がするのは気のせいだろうか。


なにはともあれ、34歳の誕生日。
おめでとう私。おつかれ私。

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