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日本は多くの非正規労働者をどう扱うのか?

今回はコロナ禍における日本の現状についての考察です。多くの地域で緊急事態宣言が解除される中、東京では解除まであと一歩というところ。

この状況下で、人間の様々な感情を目の当たりにしている現実。それを今回お伝えしたいとお思います。

怒りを抱え始めている人々

先日、病院からの帰宅途中にたまたま入ったカフェで、延々と独り言を喋り続けている人間を見て、今の社会状況に相当な不安を抱えているんだと、話の内容から察せられました。

よほど何かに怒りを抱えているのか、周りに聞こえるほどの声で、ひたすら他者に対する批判・非難・誹謗・中傷の嵐。

決して耳障りの良いものではなかったが、こんな社会状況だからこそ、そういう人も多く生まれているのだろうと、妙に納得しました。

怖いのは、それが犯罪に発展してしまう危険性を孕んでいること。実際にニュースでもコロナによる経済苦から犯罪に走る人間が出始めてきているの見ています。

相次ぐ企業の倒産

コロナ禍で多くの企業が疲弊し、倒れていく中で、失われていく無数の雇用。その日の暮らしの目処も立たなくなってしまった人々。

これはまだ序章に過ぎないでしょう。今度出てくる失業率の数字はかつてないものとなり、その数字が導き出すものは負のスパイラル。

経済縮小、雇用環境悪化、犯罪率上昇、社会不安。
所得低迷、税負担増。そこから加速される婚姻数減少による少子高齢社会。

最近になり、アフターコロナと言われることになったが、アフターコロナはこれまでの社会問題をさらに悪化させていく代名詞になりかねないもの。

日本社会の病巣

この数十年間、日本経済は低迷を続け、所得は横ばいにもかかわらず、公共料金や税金がぐんぐん上昇してきていました。

所得格差は拡大し、今や消費に資金を回すゆとりの無い世帯が増えています。
そこに襲い掛かった今回のコロナウイルス。

休業を余儀なくされた企業や労働者。解雇された労働者。そこに投下される支援金や助成金。それではとても生き残れるわけもなく、これからも多くの企業が倒産していくでしょう。

それに伴い、多くの人間が仕事、家、そして未来を失っていくことでしょう。すでにそうなっている方々がいる中で、対応の遅い自治体、国、企業。

これは日本の病巣そのもの。有事の際でも他国と比較し対応が遅いと揶揄される日本。その陰でどれだけ多くの人が苦しむことになるのか、想像もつきません。

セカンドチャンスがない日本

日本では、一度社会のレールから外れると、元に戻るのにとてつもなく大きな労力が必要とされ、どれだけ努力してもそのレールに再び戻ることができないケースが星の数ほど存在します。

例えば、就職活動。就職氷河期世代は、ただその時期に当たってしまったというだけで、企業が採用を徹底的に抑え、仕事がなく非正規に甘んじるしかなかったという厳然たる事実があります。

新卒一括採用で採用を絞られ、非正規となり、その後も続く不況の中で非正規として働き続けるしかなく歳を重ねた人々。

今回のコロナ禍でもまた派遣切りや契約打ち切りの憂き目に遭い、終わることのない不遇な境遇。新卒での就職を逃すと、日本社会だけにある「正規のルート」に戻ることは容易ではありません。

新卒入社しなかっただけで「失敗」という烙印を押されてしまう異様な社会。それが日本という特殊な社会なのです。

見捨てられた世代の報復が待っている

社会は時代の犠牲者である彼らを、これまでひたすら放置し続けてきました。おそらく、それは今後も改善されないのでしょう。たまに見られる氷河期世代救済というお題目も、対象者が数名というあまりにも不思議な支援。

これは世間に対する「やっていますよ」というアピール程度にしか過ぎないわけです。でなければもっと大規模にやるはずです。

すでに見捨てられた世代。この世代のこれまでの厳しい20年間と、これからも継続するであろう20年〜25年間は日本社会に致命的な問題をもたらすものは明らかです。

社会構造による犠牲者ともいえる彼ら。企業の都合による犠牲者ともいえる彼ら。いずれまた、生活苦から人生に絶望した人によって、以前あった、無差別殺傷事件のような事件が引き起こされることでしょう。

解決するには抜本的改革が必要

正規・非正規という垣根を無くす。そもそも雇用形態そのものを廃止し、契約ベースで働き方の多様性を実現する。

賃金は先進諸国同様に大幅に引き上げる。経団連や企業の都合ではなく、労働者を守ることを第一に考える。残業規制も、先進諸国と同様に厳しいものにする。

失業者にはより手厚い支援を行う。例えば、失業手当20万円の1年間一律支給と職業訓練職業紹介のセット。企業側は行政による紹介の場合、一定条件を満たした応募者を受け入れるという制度設計。ここにも助成金を活用する。

上記を実施した上で、解雇規制も緩和することで雇用の流動化を図る。

といっても日本では非常に難しいでしょうね。異常なほど会社に依存しなければ生きていけない社会構造となってしまっているのだから。私自身もその呪縛からなかなか逃れられず、苦しんできているのだから。

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