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新作舞台「金閣寺」リハーサルを終えて

5/6に逗子で
バレエ×日本舞踊×即興室内楽で
「金閣寺」の舞台をやるために
長崎、鳥取から逗子まで来てもらいリハーサルをしていました。
金閣寺放火事件の犯人の心理を通して
「その人を生きる」がどういうことなのかを相反する身体操作であるバレエと日本舞踊で表現します。

放火犯は
「こういうものが美しい、これが正しい道、こうあるべき」という
世間や他人が創り出した虚構の価値観に縛られ、
その中で自分が優れた人間になりたいと願うものの、決してそれが叶わないことに絶望している
という人間です。
それを自然に反する動きを美とするバレエで表現します。

しかしそんなことには何も囚われていない「純粋な自分」もまた存在します。
「社会的に成功している」ということに執着がなく、自分の個性に対して他人と比較して劣っているとも優れているとも考えない自分。
そんな人格を、日本人として自然な所作でありバレエとは正反対である日本舞踊で表現します。

そんな自分同士の対峙や葛藤を描いていくと、戦後に急変したその価値観が現代を生きている私達を今も苦しめていることがわかります。
インターネットによってそれはさらに加速し過激になっています。
SNSで恵まれている自分をアピールすることに必死になったり
ルッキズムに飲み込まれたり

「これこそが良い人生」というものに縛られると結局それが手に入っても幸せを感じないということになります。手に入れられないともっと辛く苦しい。
だからこそ、それに囚われない
「その人を生きる」ということが大切なのではないかということです。

誰しもがバレエダンサーの演じる人物的な面もあり、日本舞踊の演じる人物的な面も持っています。そのバランスが人それぞれ。
観ている人がそれぞれの人物に共感してもらえるのではないかと思います。
山下光鶴が考えてくれたこのテーマについて考えて共感しながらのリハーサルを重ねた3日間でした。

チケットは今日発売です。
2023年5月6日(土)
15:00開演 (16時終演)
逗子文化プラザなぎさホール
一般2,500円 高校生以下500円

電子チケット↓↓

暗闇の中。
見えないことへの不安と見られないことへの安心。
そのどちらがまさるのか……。

戦後の転換期に起こった事件
――劣等感と無力感にさいなまれた1人の青年が自らの美の象徴へ火を放った――
が今日を生きる私たちに再び投げかける、
「美とはなにか?」という問い。

美への憧れと、それに由来する孤独感。
内に閉ざされた世界で空回りする自虐的な豊かさ。
焦がれる心と不具の烙印、消えたいという想い……。
破滅へと至る魂の苦悩を、
バレエ×日本舞踊×室内楽という異色の組み合わせで描く。

新作舞台「金閣寺」
【日時】
2023年5月6日(土)
15:00 開演/14:15開場

【会場】
逗子文化プラザなぎさホール
―会場アクセス―
京浜急行「逗子・葉山」駅より徒歩2分/ JR 「逗子」駅より徒歩5分

【チケット】
全席自由
一般:2,500円/高校生以下500円
※未就学児のご入場はご遠慮ください

【お申込み】
下記 お申込フォームより
電子チケット:Pass Marketより



【作曲・構成】
山下 光鶴 (ホームページ)

【出演者】
バレエ:齋藤 充央
日本舞踊:永野 碧
ギター:山下 光鶴
トランペット:齋藤 友亨
ヴィオラ:村松 ハンナ
打楽器:齋藤 梨々子、難波 芙美加


【プロデュース】
Ensemble Classica Zushi
【後援】
逗子市教育委員会、葉山町、HAUSEN(株)


―Profile―
・山下光鶴 (作曲/構成/ギター)
Terukaku Yamashita
西洋のクラシック音楽、現代音楽、南米フォルクローレの技法を織り交ぜながら独自の音楽を生み出す作曲家兼ギタリスト。幼少より両親(ギタリストの山下和仁、作曲家の藤家溪子)のもとで音楽を学んだ後、ドイツのベルリン芸術大学に留学。クラシックギターと作曲を学ぶ。以降ベルリン、パリ、ブダペスト、ブリュッセル、ソウルなど、世界各国で演奏活動を行い高い評価を得ている。長崎ギター音楽院院長

・齋藤 充央 (バレエ)
Mitsuhisa Saito
逗子市出身。2010年ワガノワバレエアカデミー卒業。2011年加ゴーバレエアカデミー留学。2012〜2013年谷桃子バレエ団所属。2014年ロシア国
立ブリヤート歌劇場バレエ団入団。2022年完全帰国し現在フリーダンサーとして活動中。

・永野 碧衣 (日本舞踊)
Aoi Nagano
鳥取県出身。東京藝術大学在学中にソウル国際ダンスコンペティション、全国舞踊コンクールなどに出場。2021年 全国舞踊コンクール邦舞第一部にて、第一位、文部科学大臣賞受賞。2022年 推薦名流舞踊大会などに出演。

・村松ハンナ (ヴィオラ)
Hanna Muramatsu
神奈川県出身。2歳よりヴァイオリンを始め、15歳でヴィオラに転向。第15回日本演奏家コンクール、第21回ブルクハルト国際音楽コンクール入賞。東京藝術大学音楽学部卒業。ミュージカル「グレートコメット」にミュージシャンキャストとして出演。クラシック、ポップス等ジャンルレスに活動中。

・齋藤 友亨 (語り/トランペット)
Tomoyuki Saito
逗子市出身。19歳で渡独し、ヴュルツブルク音楽大学卒業。卒業と同時にロシア国立ブリヤート劇場オーケストラ副首席トランペット奏者に就任。2022年に完全帰国。Ensemble Classica Zushi主宰。

・齋藤 梨々子  (打楽器)
Ririko Saito
逗子市出身。東京藝術大学卒業後、ドイツ・フライブルク音楽大学修士課程で学ぶ。第15回イタリア国際打楽器コンクール小太鼓部門第1位。元ロシア国立ブリヤート劇場打楽器奏者。現在はオーケストラ・室内楽等の演奏活動のほか、逗子を拠点に様々なプロジェクトの企画・制作に携わっている。

・難波 芙美加 (打楽器)
Fumika Namba
岡山県出身。東京藝術大学音楽学部卒業時に同声会賞及びアカンサス音楽賞を受賞。2019年度コーブルク州立劇場研修生。2021年フランクフルト音楽舞台芸術大学修士課程修了。2022年アンサンブルモデルン・アカデミー修了。

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