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野茂英雄と円高と1995。ロサンゼルス

最近、20代後半の野球ファンに「大リーグで活躍した日本人で一番凄いと思う選手は?」と聞いたら、迷うことなく「野茂英雄」と答えた。
2度のノーヒットノーランの偉業は、他の日本人とは比較にならないという。「イチローもすごいでしょ」って聞いたら、アメリカでもやれるという感じが最初からあったからランキングは下になるとのこと。

90年代に数度アメリカ西海岸へ行っている。ドジャースタジアムで野茂英雄とエンジェルスの長谷川滋利の投げ合いを見たのは97年。さっき調べるまで95年だと思いこんでいた。
阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と狂乱のスニーカーブーム。個人的な出来事も含めて95年は特別な年だった。
超円高。ロサンゼルス郊外のナイキアウトレットでは、スニーカーを高く積み上げてレジに並ぶ日本人を見て恥ずかしい気持ちになった。エアーマックス、エアー野茂マックスっていうのもあった。
ダウンタウンで見ず知らずのアメリカ人に「今晩の野茂の試合は観に行かないのか?」と声を掛けられて、登板を知った。
ネットもスマホもない時代だったのだ。
あの頃僕はタバコを吸っていて、汚れたジーンズにTシャツ姿でタバコを咥えようとしたら、ビジネスマンに見下すような視線を送られたことや、双子用のベビーカーを押しながらジョギングする光景など、欧米に蔓延した健康ブームも妙なことになっていた。

バブルは相当おかしな時代だったけど、1ドル80円のこの時代も振り返ればけっこう独特だった。

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