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「ショーシャンクの空に」

公開のときに映画館で観た印象とまったく違っていたのは当然だと思った。
終身刑で刑務所に収監された男の話を、30歳になったばかりだった僕と50代後半の今の僕とが、同じように受け取るわけがないか。

インテリジェンスに富み穏やかな性格のアンディは、刑務所の中では異質だ。気の合う仲間はいても、悪い奴らからの乱暴や、刑務官たちからは理不尽な仕打ちを受け続ける。
それでも「希望の素晴らしさ」を語ってきたアンディの痛快逆転劇。繰り返された絶望と相まった傑作ドラマだ。
「フォレスト・ガンプ」と同時期の公開でアカデミー賞を逃したけと゛ベストランキングの常連映画の地位は無くさない。

今回観て、アンディの隣のストーリーというのかな、何十年も収監されて刑期を終える者たちの不安のほうに心が離れなかった。
まるで定年間近の勤め人。次の人生を考える壮年たち。
自由を望みながらも、気が付けば窮屈だと思っていた規律やルールが実は不安から守ってくれていたことを知る。
それは僕の世代から上の人たちに共通の共感ではないか。

娑婆(しゃば)という言葉の由来は皮肉だ。
もともとは男どもが女性と好き放題遊ぶ遊郭を「極楽」とし、生き辛い実社会を娑婆と呼ぶ、極楽と対の言葉だったらしい。

原作は、スタンドバイミー、グリーンマイル、シャイニングのスチーブン・キングによる小説。

1995年公開 アメリカ

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