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高畑充希の、映画「明日の食卓」

映画監督の西川美和が、エッセイ本「スクリーンが待っている」の中で、役所広司に出演オファーした理由を「役所さんの出演作を観て必ず思うのは、どんな役も『そういう人生を歩んできた人ににしか見えない』ということだ」と書いていた。
確かに役所広司という俳優はそうだと思った。
陸軍大臣を演じれば、やくざを演じれば、はたまたガソリンスタンドのおっさんを演じれば。どの役所広司もその職業を生きている人になっている。

どんな役を演じてもその俳優っぽさが同じという真逆の存在の大物俳優を何人も思い浮かべることができる。

「明日の食卓」は、高畑充希という30歳にならない女優の存在感が強烈な映画だった。
小学生の男の子を育てるシングルマザー。アルバイトを掛け持ちしながら体力的に経済的にギリギリの毎日を送っている高畑演じる石橋加奈。
いくつもの表情、瞳の動きまでもが映画の余韻とともに今も浮かびあがる。

重く、怖い映画ではあった。
子育てを通じた親子、夫婦のある種の「闇」。普遍的な部分と現代的な側面。
そういったテーマ性やストーリー云々より3人の女優それぞれの演技が映画を印象付けていたことは間違いない。

そして人それぞれだと思うけど、僕には高畑充希の存在に対して、期待していた菅野美穂も尾野真千子も霞んでしまった。

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