見出し画像

Think Different な人生

洗顔の時水栓から両手に零れる水を見続けてみた。
部屋の壁の斑(まだら)が別の何かに見えるかなと思って見た。

レオナルド・ダ・ヴィンチは稀代のイノベーター。真ん中にあるのはアナロジーの探求。要するに類似性の発見。手足を解剖して筋肉や腱をスケッチするときには、ロープやレバー(機械)も一緒に描いたそうだ。
さまざまな領域の繋がりを発見することで新たな方向性を拓く。
たとえば、水の渦と乱気流のアナロジーは鳥の研究に派生していく。

人体を解剖し血管を調べながら、川の流れや空気の動きや植物の分岐と比較した。
人間への探求は自然界のパターン発見に繋がり、地球を生命体と捉えることへ繋がっていく。
観察や実験、解剖の結果を絵画に表現した。
事実「モナリザ」制作の頃は、解剖で微笑みに関係する口周りの筋肉について調べている。

ガリレオもコペルニクスも、200年以上後のダーウィンも影響を受けていたのではないか。

ルネッサンス期のヨーロッパ。有能なクリエイターの地位が高かったのは、威厳を誇りたい権力者が絵や彫刻を発注し、兵器や軍事作戦のアイデアや都市づくり構想の相談も求めたから。
てもレオナルドは、作品を完成させることができない、納期を守れない、権力者に取り入る、ミケランジェロへの批判など決して”立派”とは言えない性格。生い立ちや隠さなかった同性愛者としての振舞いも描かれている。

ルーブルに行ったら今度はじっくりとその微笑みの前に立ちたい。ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会で物語絵巻「最後の晩餐」を眺めたい。

ジョブスやアインシュタインを書いた作家によるレオナルドの評伝。ベース資料の「自筆ノート」は、アメリカ、ヨーロッパ各国に散らばり、現存するのは全体の1/4の7200枚。その一部はビル・ゲイツが30億円で購入している。
今年没後500年。映画版がレオナルド・ディカプリオ主演で近いうちに公開されるようだ。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ上下巻」(2019年3月文藝春秋刊)

#読書 #旅行 #歴史 #ワイン #世界史 #旅好き #旅の記録 #海外旅行好き #サッカー #映画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?