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【初ソウル7日目】①韓国映画博物館とDMC

11/1(火)

あっという間にソウル最終日。なのにミセモンジ(PM2.5などの大気汚染)が多いらしく、朝から空が灰色だった。そして今朝も洗濯しないと今夜お風呂上がりの着替えがないので、ホテルの洗濯室で洗濯だけ終えて、濡れた洗濯物を担いで地下鉄とバスを乗り継いで、目的地近くのコインランドリーへ。

ビルの周りを一周してもコインランドリーが見当たらないので、コンビニに入って若い男性の店員さんに「チョギヨ(すみません)、セルプランドリ、コインランドリ、洗濯、オディスミカ(どこでしょうか)?」と通じそうな単語を並べて尋ねてみた。

彼は私が見せたNAVERマップのコインランドリーの写真を見てから「ヨギ、エスカレイトァイッチャナヨ〜(そこにエスカレーターあるじゃないですか?)」と、地下に降りればコインランドリーがあるらしきことを伝えてくれた。

外にエスカレーターなんてある?と不安になり、コンビニを出る時に彼の方を振り返ると、レジカウンターから飛び出してきてくれて、ドアを出て2〜3メートルくらい先にあるエスカレーターを指差してくれて、ジェスチャーで「降りて、ぐるっと回ればあります」的な説明を追加でしてくれた。彼も非常に懇切丁寧な若者だった。

若者のおかげで無事に乾燥機を使えた。前回と違って、こっちは3,000ウォンで40分という固定方式。ちょうど1,000ウォン札が3枚あってよかった。 

ここはDMC(デジタルメディアシティ)というテレビ局が集まるエリアで、おしゃれなオブジェの多いオフィス街。国立の韓国映画博物館があって、それこそが、最初は釜山にしか興味のなかった私がソウルに行かなければと思ったきっかけだった。

入っていきなり、今年公開された最新映画「犯罪都市2」のマ・ドンソクとソン・ソックの衣装が!マブリー(マ・ドンソクの愛称)の肩幅ひろっ。



その隣には、日本では東京国際映画祭で上映されたけど一般公開日はまだ決まっていない「オマージュ」という映画の衣装と小道具も。主演のイ・ジョンウンは私が一番好きな韓国女優(パラサイトの桃アレルギーの家政婦)。ぽっちゃりなイメージだけど、衣装は意外と細い…?



その向かいにチケットブースがあったので、1枚くださいというと「ムリョエヨ(無料です)」と!そうだ、国立だった。昨日も思ったけど、税金が芸術文化に使われていて本当に羨ましい。


常設展では韓国映画の歴史が時系列で紹介されてて、1970年代くらいまでは漢字を使ってたんだなぁと実感する。最後ウィ證人。ウィが日本語の「の」だと一目で分かるなぁ。

↑これは80年代のポスターで、この辺りからハングル表記のみになっている。


JSAでソン・ガンホさんとイ・ビョンホンが着た衣装!昔観た時は南北の事情について無知すぎてよく分からなかったけど、改めて観なくては。それにしても、JSAの原題が「共同警備区域」だったことに、これを書いている今気づいた(ハングルが読めるようになると単語力がなくても、こういう漢字由来の単語は脳内で予測変換できてすごく便利)。

グエムルでソン・ガンホさんとぺ・ドゥナが着た衣装!これはCG満開なファンタジー映画が苦手な私でも何度も楽しく観られる超名作。さすがポン・ジュノ監督と言わざるを得ない。

そして満を持してのパラサイト。左からソン・ガンホさん、イ・ジョンウン(桃アレルギー家政婦)、チェ・ウシク(ソン・ガンホさんの息子)が着た衣装。

ソン・ガンホさんが韓国映画にどれほど貢献しているかこの3作品だけでもよく分かるけど、彼の出演映画は30本以上ある。私はそのうち19本は観たはずだけど、ほとんどが面白かった。彼は演技だけでなくその顔自体に見応えがあって、本当に貴重な俳優だと思う。来年には初めて出演されるドラマ「サムシクおじさん」も放送されるし、映画「非常宣言」も日本で公開されるから今から楽しみで仕方ない。



2014年に韓国映像資料院が発表した韓国映画100選を紹介するコーナー。私は古い映画を全然観てないので、このうち観たことがあるのはたった10本だった。

唯一観た古い映画は1960年の「下女」。なんと、これが100選の中で1位らしい。お金持ちの旦那さまがメイドを誘惑したら逆に利用されて一家崩壊する映画で、レトロ感も相まって面白かった(2011年の「ハウスメイド」はこれのリメイクらしく、100選には入ってないけどこっちも面白かった)。

あとは1999年以降の、韓国映画の定番と言える9本だけ観たことがあった(そのうち6本はソン・ガンホさん出演)。
・殺人の追憶(一番好き)
・シュリ
・JSA
・復讐者に憐れみを
・オールドボーイ
・グエムル
・シークレットサンシャイン
・母なる証明
・嘆きのピエタ

さすがポン・ジュノ監督とイ・チャンドン監督は、100選の中にそれぞれ3本ずつ選ばれている。イ・チャンドン監督でもオアシスは入ってないんやな…というか、名作が多すぎるから枠が100個じゃ全然足りないんやろうな。とりあえずペパーミントキャンディーは、Amazonプライムにあるのだから早急に観よう。

常設展の一番最後に「最新の韓国映画」的な感じで、なんと是枝裕和監督のベイビーブローカー特設コーナーが!いくら世界のコレエダと言えども、日本人が監督した映画を今年の代表作的な感じでフィーチャーしてくださるとは、ありがたすぎる。

カン・ドンウォンとソン・ガンホさんの靴デカい!

IUが赤ちゃんを捨てる時に添えた「ウソンごめん。必ず迎えに来るね」のメモ。

みんなで撮ったプリクラの拡大写真。そして上にある3〜4cm四方の現物。

映画のラストシーンに出てくるこの小さな写真。これを見た瞬間、あまりに不意打ちすぎて嗚咽レベルで泣きそうになった(別に周りに誰もいなかったけど、必死に我慢した)。

ソン・ガンホさんの顔のアップが少なくて物足りない気がしたベイビーブローカー、思い返すとすごく良い映画だったんだなと、この小さすぎる小道具ひとつだけで再確認できた。是枝監督もソン・ガンホさんの顔の価値はちゃんと分かっていたんだなと。夜寝る前にこの写真をインスタに載せた時、なぜか映画を観た時よりも泣いていた。


涙を拭きながら、今度は期間限定のゾンビ映画展へ。タイトルがNetflixのゾンビドラマ「今、私たちの学校は」にかけて「今、私たちのゾンビは」となっているのが可愛い。特にゾンビものは好きじゃないけど、こっちも無料だしついでに見ていこう。

アメリカとイギリスのゾンビ映画も紹介されている。好きじゃないジャンルのはずなのに、写真の左側にある「ショーン・オブ・ザ・デッド」と「ウォーム・ボディーズ」どっちも観たなぁ…面白くはなかったけど。


この逃げるマネキン達はもしや…

やっぱり新感染だった。この映画はゾンビものが好きじゃない私も大いに気に入った面白い作品だった。ただ、新感染という邦題がダサすぎて情けない。原題は「釜山行き」という硬派なタイトルなのに。

やっぱりマブリーの肩幅は広いなぁ。この映画のマブリーはかっこよすぎて、主演のコン・ユでもゾンビでもなく、新感染は、もはやマ・ドンソクの映画だった(続編の「新感染半島」はマブリーがいなくて面白くなかった)。


充実しすぎの韓国映画博物館を出て、綺麗に乾いた洗濯物を回収すると、私はDMCでも韓国ドラマのロケ地巡りを敢行した。


↑一番好きな「椿の花咲く頃」でドンベクがピルグを高速バスで連れて帰る時ここら辺を通る。一瞬のシーンすぎて動画も画像も見つからなかったし、実際はこんなとこにバスターミナルはないけど。

↑そして、このビルは「愛の不時着」でヒロインの自社ビルとしても使われたらしい。北から潜入した隊員4人と耳野郎がここに来て圧倒されてる写真がこちら。


そして私は乾いた洗濯物を担いだまま、また別のロケ地に向かうべくバスに乗り込んだ。

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