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藤原聡に喉と体と心を休めるバカンスを

彼の体はとっくに限界を迎えていた。
2月の15~16、SHOCKING NUTS TOUR最終会場武道館の日。私はTwitterで情報を見守っていた。そして彼がとにかく不調だったという話を沢山見聞きした。
高音が出ない。
裏で調子を整えるために途中ステージから降り、
ベース楢ちゃんが弾き語りで場を繋いだ。
アンコール前最後のミックスナッツでも
仮初めまみれの日常だけど のハイトーンを外してしまった。
彼は悔しいと泣き崩れる。まだ声出しはできなかったので声援の代わりに割れんばかりの拍手が武道館を包み、ギター大輔さんが駆け寄ってタオルを渡す。想像しただけで泣ける。
「完璧なスーパースターで3年しかできないより、かっこ悪くても、ダサくても、つまづきながらでも80年続けていきたい」
名MCを残して武道館最終日まで歌い切った。
そしてこの日を最後にポリープ治療のため8月までライブ活動休止を発表した。
UVERworldとの対バンも予定されていたのだけど、髭男としては出れなくなっても大輔さんをギターとして招いてくれた。ありがとう。

聡さんがあまりにもサラッと簡単そうに歌うものだから、行けるしょ!と思ってカラオケで髭男の曲を歌ったら全然行けなかったということが何回もあった。女は高音は出せても男声の領域の低音が全く出ないなんてことはよくある。subtitleの最初のポジションをとかごめんねとかきつい。
ただ、逆のことを言った方が正しい。男の人にとって高音は裏声地獄だ。特にLost in my room、始まりの朝、ESCAPADEは女の私でも原曲キーで歌えてしまう。ブレイクする前も後も自らの喉にムチを入れまくっていた。大学時代入っていた軽音サークルでも、ボーカルは私含め女、男でもレベルの高い1人しかやったことしかない素人泣かせのハイトーンだった。

そして藤原聡は働きすぎだ。
高い声を出しまくってるだけではなくここ数年は人生を作詞作曲制作の時間に費やしている。プライベートの時間などほとんどなく。19年のいい夫婦の日に彼は結婚した。結婚指輪をライブ含めほとんどの公の場で付けているにもかかわらず、その年の大晦日から毎年紅白に出て、一度も奥さんと年末をゆっくりできない年を送っている。
それ以外の日常も家族との時間なんてなかったんだろう。それに曲の制作で行き詰まったら「グミ食うしかない」らしい。食生活も含め心配だったのは言うまでもない。
歌うのが好きとか自分には音楽しかないとか、
もうそういうのを通り越して自分の体が悲鳴を上げているのに気づかなかった。そして大切な人と過ごす時間もなく心をすり減らして。
ファンはつらい時、あなたの音楽に救われてきた。だからあなたもあなたの好きなアーティストを見たり、バンド友達はもちろんずっと会えていなかった友達と会ったり、思いっきりのんびりしたり、自分の心の栄養になる時間を過ごしてほしい。
そんなファンの気持ちが届いて、その通りに過ごしているよ!と言わんばかりに彼はインスタストーリーを更新した。レイラハサウェイのライブに2日連続で行ったとらしい。
「楽しく、やりたいことだけやって過ごしています心配ありがとね」
藤原聡は人の気持ちを汲む天才。
休養期間でもファンの心配に応えようとしている。どこまでも周りの人を大切にする人柄が好きだ。

応援する気持ちは変わらない。そしてそれ以上に体を第一にしてほしいという願いも変わらない。
壊れないペースをつかむために、
しばらくは自分をいたわって過ごしてほしい。


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