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社会課題解決に必要なことー「edgeファイナル」観戦

のほほんと暮らしているこんな私でも、「え!なんでこんなことになってんの!」「なんか、自分にできんかったんか?」と、思うことがあります。

たとえば、近所の高齢者が孤独死したとか、不登校になってて子どもが引きこもってるとか、見たり、聞いたり、接したりしたときに、「これは、私が関わって首突っ込んでいい問題なのか?」「責任取れるのか?」なんて考えて足がすくんだり。

問題に気づいた時点で、たぶん「知った責任」というのがあるんだけど、そこから行動に移せるか、「ふーん」で終わらせられるかって、どちらにしても勇気がいるなと感じます。

今日はこちらの、ソーシャルビジネスプランコンペをオンライン視聴。白熱の三時間半!でした。

主催する「edge」とは↓

「edge」(エッジ)とは、Entrance for Designing Global Entrepreneurship の略。
直訳すれば、「グローバルな視野に立つ起業家をデザインする玄関口」。この訳語からも連想できるとおり「若者たちに向けて、社会起業家へとつながる扉を開く『きっかけ』、『チャンス』を、ビジネスプランコンペという取り組みを通じて提供したい」という、我々の「想い」が込められています。



通常のコンペとは異なり、プランの完成度や実現性を高めるブラッシュアップの機会を提供します。さらに、そのプロセスを通して、起業家や起業家を支援するサポーターとのネットワークや社会起業に挑むプレイヤーとの出会いが生まれます。

若き社会起業家を育てるコミュニティづくりも「edge」のめざすところです。(HPより)


6組のファイナリストの方々の社会課題解決のためのビジネスプランのプレゼン、プラス審査員の皆さんからの質疑応答。

大学生からすでに起業されている方まで、さまざまな立場のプレイヤーが、社会が抱える課題をビジネスの力でなんとかしようと立ち上がり、磨き上げたプレゼンをしてくださいました。

ただ、edgeというのは普通のビジネスプランコンペとは違っています。

冒頭、edge最高顧問の田村太郎さん(ダイバーシティ研究所所長)が

「社会はひとりでは変えられない。仲間を作って、一緒に変えていくもの。ここはそのためのコミュニティ」

とおっしゃったとおり、どこか「お互いを応援したい」というような雰囲気に満ち溢れていて(もちろん緊張もあると思うのですが)、見ているこちらとしても、手に汗握る、というよりは、メガホン持って応援したい、といった気持ちに近いものがありました。

コンペによっては、ちょっとどぎつい質問したりとか、プランの穴を突っつこうとする審査の方法もあるとは思うんですけれど(もちろん、ビジネスの視点で鋭く指摘されるのは当然と思いますが)、

審査員の皆さんも、参加者の皆さんも、「どうすればもっと良くなり、この課題が解決できるのか」という視点は共通していて、

それが見ているこちらにも本当に心地よく、ああ、頑張ってほしいなあ、どうしたらいいんかなあ、なんて一緒に考えてしまうような、そんな時間にもなりました。

プレイヤー一人が優秀なプランで勝ち抜いたところで、一つ解決できたから万歳ってわけでもありません。

全ては細密に繋がりあってできている社会。

果てしない課題に立ち向かい、「やってみよう」と思えたり「一緒にやろう」と言える仲間、そして、それを後押しできる場所、こんな場所が、子どもたちや主婦や高齢者、いろんなレイヤーで存在していたら、、いいですよね!!

ファイナリストも審査員もエッジを経由して今活躍しているひともみんな、「社会」でつながる、仲間なんだな。

そんなことを感じて、このedgeのコンペ、もっと広がってほしいなあと思ったのでリンクを貼っておきます。



最後に、総評として田村さんがお話くださった内容が心に残ったのでメモです。(ざっと、要約+私の解釈です)

ビジネスプランを作ろうという方だけではなくって、暮らしに役立つ視点でもあるような気がします。


一つは、「もっともっと、ターゲットをしぼる」ということ。しぼれているようで、しぼれていないことがあるので、そこをもっと突き詰めていく。そうすることで、本当に解決したい社会課題というのは見えてくるという指摘です。

これは文章術にも同じことが言えます。みんなに届くように書いた文章は、一人にも刺さらないように、あの人に、あなたに、伝えたい何かを絞ったときに、初めてその文章が意味をもつのと、同じことだと思いました。本づくりでも、編集でも、同じですね。

ターゲットを絞ることで、いろんな可能性を取りこぼしているような不安にも駆られるのですが、実際はむしろその逆。編集者として関わるときには、よりいっそうターゲットを絞るということ、心がけよう。


そしてもう一つは、「ふたつのコミュニティをつなげて課題解決する。実は、課題を解決しようとする側にも課題がある」ということ。この指摘にはハッとしました。

ほとんどの場合、課題に直面している人に向かって、解決策を持っている人がなんとかしようとするプランを考えようとします。でも、それだとどこか一方的、独善的になってしまうこともある。そうなるとバランスが崩れ、持続可能性にも関わってきます。

例えば、お金のこと、生活スタイル、移動手段。なんでもないようだけれど「解決策を持っている人にも課題がある」んですよね。日常に埋もれている課題を、別の課題解決に関わることで解消していけるとしたら、積極的に課題解決に関わっていく動機にもなり、プランの強度が上がる。

「ふたつのコミュニティをつなげる」というのは、社会課題にじっくり取り組んでいくときに、非常に重要な視点だなと感じました。


コンペに出場すること自体、エネルギーのいることだと思うのですが、それでもなんとかしたいと立ち上がり、社会に事業として還元していくみなさんの姿に本当に励まされた! それぞれのプランが、大きく育ち、広がっていくことを願います。



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