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販売方法の昔と今(後編)

農家さんは作るプロであって売るプロではないと申し上げましたが("基本的には"です)、それはなぜかというと、大多数の農家さんはJAなどを通して市場に流したり希少性のある物は直売所に置いてみたりしていると思います。
規格品でさえあれば全量買い取ってもらえたり、スーパーには並ばない様な物を求めて来る方に受けが良い直売所の利点もありますね、そして何より鮮度が良いことでしょうか。
ですが、それらの価格は自分で決められていますか?
直売所の価格は自分で決められるかも知れません、

ん?"本当に適正な価値で提供出来ていますか?"

「隣の人がブロッコリー🥦を一個150円で置いてるからウチは130円で置こう、ウチの方が大きいし、お得感あるからイケるよね」ってことしてませんか?
それって自分で価格を決めている事にならないですよね、だって隣りの人に左右させられているんですから。

わかります、心理的に同じ物を選ぶ時に高い物より安い物の方が絶対売れるだろうという気持ち、
ですが、例えばなしですが、130円で売れたとしてそれは利益が出ていますか?本当は200円で売らないと利益が上がらなかったんじゃないですか?
大きいブロッコリーな分、隣の人よりも多くの時間を掛けて栽培したんじゃないですか?
そもそも隣の人の事をどこまで知っていますか?規模は?品種の違いは?種から?苗から?等、初めから誰もがフェアな状況じゃないのに価格だけは何故か"ある一定の価格の上下"でみんな競争したがるんです。
国が取り決めている市場価格があって(輸出入の関係もあるから市場価格がある事自体は非常に大事)それは余程の事がない限り大きくはブレないということが原因かと思います。

しかし!農家、農家と簡単に言いますが大前提として、経営者です❗️起業家です❗️規模に関わらず、天候に左右されようとも利益を出さなければいけないんです❗️
なのに、なんで頭打ちのある市場にばかり目を向けるんですか?それって年収を国に決められているのと同じじゃ無いですか?
形や大きさを一定に生産するのは簡単じゃないです、見えない所に大変な苦労があるんです。

ですが、一度市場に入ってしまえば、一緒くたにされセールスポイントもアピールポイントもありはしない。
その点、直売所は手作りのpopが置けたり、品種の違いを明確に表示できたりと、利点がたくさん有りますね。
他者との違いを明確にして、それをセールス、アピールする事が出来れば隣の人よりも高い価格で出品する事も厭わなくなります。

さて、ここで話しは私ごとに戻る訳なんですが、モノを売る商売の基本は"気に入ってもらう、得をさせる"だと思っているんです、要するにリピーターになっていただくという事ですね。

毎週一見客を100人呼び込むより、リピーターを100人味方につける方が遥かにコスパ良いですよね。
"いかに人を多く呼び込むか"にコストを割くのではなく"いかにまた来たくなるか"にコストを割くということです。

どの業界にも言える事だが、大規模には大規模の、小規模には小規模の戦い方があると思っていて、小規模企業が大規模企業とわざわざ同じ土俵で戦っているのをよく見かける気がする。
だから勝ちの目が低いのだ。
昨今ではその必要が無いのに、だ。

さぁ、その戦う方法だが、個人経営レベルの規模で知名度も低い場合は、前編で軽く触れた様な自身の身の回りに居る人達をまずは味方につける事を最優先に、いわゆる"ドブ板営業"を仕掛ける事が望ましい。
だが、これを誰もやらない。

味方が出来たのなら、さぁ、(ここでやっと)SNSで存分に発信していこうじゃないか!、リピーターさえ居れば安心感があるし、一見客はおのずとついて来る。
古い言葉だが、"口コミ"がなんだかんだ最強の営業ツールなのは不動の事実。

つまりそういう事。

販売方法としてダラダラと話して来た訳だが、企業にとって生産性も考えなくてはいけない話しなので、次章では生産性についてお話しする。

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