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国際結婚10年を振り返るー夫婦関係編② あなたの愛の言語(ラブランゲージ)は何ですか?

先日、結婚前にカウンセリングを受けたことが、その後の結婚生活にとって有益だった経験について書きました。

今回も私たちの結婚生活を助けた考え方について、その元になった本を紹介します。ゲーリー・チャップマン『愛を伝える5つの方法』(ディフォーレスト千恵訳、いのちのことば社、2007年)という本です。(原著のタイトルはGary Chapman”The 5 Love Languages: The Secret to Love That Lasts”)

この本の著者は、長年アメリカで結婚カウンセリングや結婚セミナーをしています。原著は1992年にアメリカで出版されて以後、世界中で翻訳され、アメリカでも今なお読まれているロングセラー本です。

長年多くの夫婦と関わってきた著者は、人々が「感情的な愛を語り理解する方法は五通りある」という結論に達します。人によって「愛の一次言語」は違うため、相手の一次言語以外の言語で愛を表現すると愛情がうまく伝わらず、悪循環に陥るカップルが多いそうです。

相手の「愛の一次言語」を学び、その言語で愛情を伝えることで、相手のラブタンクが満たされ、劇的に結婚生活が改善していく。本書では、そのことが多くの実例と共にわかりやすく説明されています。

愛の基本言語は次の5つ。そこから派生して様々な「方言」があるというのが著者の意見です。

1. 肯定的な言葉(ほめる、励ます、「愛してるよ」と言う。)
2. クオリティ・タイム(向き合って時間を過ごす、一緒に何かをする。)
3. 贈り物 (高価なものに限らず、モノやあなた自身をプレゼントする。)
4. サービス行為(洗濯や掃除など、家事をして相手を助ける。)
5. 身体的なタッチ(手を繋ぐ、ハグをする、マッサージするなど。)

それぞれの言語の違いや、具体的な行動については、本書に詳しく書かれています。各章の終わりには、章ごとの要約と質問項目がまとめられています。そして最後に、夫用・妻用の「確認テスト」、その解釈や利用方法も書かれているので、自分に置き換えて考え、実践できるように作られています。

私と夫は、結婚してすぐに本書を読み、確認テストをしました。夫の一次言語は「サービス行為」。それに続いて、「クオリティ・タイム」も同じくらい大事だとわかりました。私は「クオリティ・タイム」が一次言語で、「肯定的な言葉」がその次だという結果でした。

10年前にこの本を読んだときは、「そんなに単純化して良いの?」「どれも大事な愛の表現に見えるから、相手には全部まんべんなく沢山やってほしい(笑)」と思いました。その一方で、「より愛を感じる方法があるなら、それを優先的に実行してみよう」と考えました。

私たちは、どちらにも「クオリティ・タイム」が必要だと知ったので、意識的に2人で散歩をしたり、旅行に出かけました。普段はお互い好きなことをしていても、「この時間はしっかり相手と向き合う」というメリハリをつけたことで、信頼関係が生まれたと思います。これにより、不満をためることなく、相手の趣味や交友関係を尊重することができました。

また、夫は、「外から帰ってきた時に夕食がテーブルに用意されていることが、数ある家事の中でも特に喜びが大きい」と言ってくれたので、出来るだけ希望に添えるよう努力するようになりました。あらゆる家事を完璧にこなせなくても、ポイントを押さえることで、できないことには理解を示してくれていると思います。

いつでも何でも相手の要求に応じることは無理なので、相手がより愛情を感じることに焦点を当てて努力することは、理にかなっていると思いました。

最近、改めてこの本を読み直して、新しい気づきがありました。それは、今の私は「クオリティ・タイム」より「肯定的な言葉」の方が喜びを感じるかも?!ということです。夫にやたらと「かっこいいね」と言ったり、「あなたは立派よ」とほめたりする自分を見て、自分自身が「もっと褒められたい」のかもしれないと感じたのです。

私たちは自分の愛の一次言語で相手に語ることが多く、自分がやって欲しいことを相手にしている可能性が高いと、この本でも指摘していました。改めて、確認テストをすると、一位が「肯定的な言葉」、二位が「クオリティ・タイム」、三位が「サービス行為」という結果でした。

そのことを夫に伝えると、「頑張ってくれてありがとう。」とか「君は最高だよ」などと言ってくれるようになりました。少し無理やり言わせている感があり、大げさに言われている気もしますが・・・まんざらではありません(笑)。これまで自分が「褒められたい」と思うことについて、「人の評価を気にしすぎているのかな」と否定的に考えていました。確かにそういう側面があると思いますが、同時に「肯定的な言葉」が自分の愛を感じる方法なのだと気づけたことで、必要以上に自意識過剰になる必要はないとも思えました。実際、夫がそのように意識して接してくれることで、関係がより良くなった感じがします。

相手の一次言語で語ると、「私のして欲しいことはそれじゃないのに・・・」という、夫婦のすれ違いを減らしてくれると思います。個人的には、一次言語だけでなく、他の方法でも愛を表現する必要がある、と今も思います。けれど、夫婦関係を改善するために何から手をつけるべきかわからない時や、新婚時に相手を知ってコミュニケーションを深めたい時に、この本は新しい視点を与えてくれるのではないかと思います。


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