リハビリ・ノート
10年前、東京・あきる野市の友人宅で、脳出血(cerebral hemorrhage 左視床下部に37㍉)を起こして倒れて救急車に乗った。半年間入院となって、右片麻痺(ステージ3)が残る「第2級身体障害者」となった。
2014年、50歳の誕生日の2日前だった。人生が大きく変わったと思う日。
脳出血で片麻痺の身体になって都落ち、自己破産、熊本地震、認知症になった両親の介護と看取り…とあり過ぎるくらいにいろいろとあった。
退院直後から、自分で取り組んだリハビリを記録したノートも11冊目に突入した。概ね1年に1冊だ。
当初はプロのアドバイスを受けて、様々な関連書を読み、ネットを検索して関連情報を得て、ほぼ自己流で取り組んできた。
そんなに見返すことはないけれど、詳細にノートを付けるのは、ただリハビリを日常の”習慣”にし、モチベーションを上げるためだ。最初の記録から見ていくと“進化”が見れると思うけど。障害を負った当初は、一生懸命リハビリにも取り組むが、徐々に止めていく人が多いのではないか。動けない身体よりも精神的なことに逃げてカルトに走ったり。そうならないためにノートを付ける。リハビリは続けることが大切なのだ。
では、10年間続けて、麻痺は回復したのか。目に見えての回復はないと思うが、上手い身体の使い方を会得したと思う。それに、200超えの高血圧症が治って健康になった。
リハビリだけじゃなく、気になる関連情報のコピーを貼ったり、その時々の目標、自分を鼓舞する言葉なども書いてきた。
利き手だった右手から使える左手に替えて、手書きでなるべく丁寧に書くのも、脳のリハビリになるかと考えて。このSNSを真面目にやってるのも同じだ。
もちろん、これからも続けるつもりだけど、俺自身はある意味、麻痺回復を謳うリハビリには興味がない。今後、どんなにリハビリを頑張ってもこれ以上、劇的に右半身麻痺が回復するなんて、今のところ、ありえないと思うからだ。片麻痺を治すということよりも、片麻痺を受け入れ、今の自分に何ができるかを考えたほうがいいと思う。将来的にもっと医学が進歩して、壊死した脳を少しでも再生できれば変わってくると思うけど、いつになることやら…。だから、麻痺の回復にこだわるのではなく、今の身体を自分なりに受け入れた上で、前に進みたいと思うのだ。俺にとって片麻痺は一つの“個性”だ。
現在、取り組んでいる習慣となったリハビリも、体幹を鍛えること(バランスが崩れているから)と麻痺側が固まらないように動かすこと、ウォーキング、ダンベルと自重の筋トレがメインだ。リハビリは、続ける、無理しない、少し頑張るが基本。
俺の健康法としては、①たっぷりと水を飲む(1日2㍑)、②リハビリとウォーキング他で毎日汗をかく、③腹をすかして過剰に食べない(1日1.5食くらい)、そして、④充分睡眠をとること、だな。これで、約12㌔体重を落とし、身体検査でも全ての数値が基準値内となったし、10年間、風邪を引いてない。ただ、片麻痺で、やっぱりどこか無理をしてるところがあるようで、時々、腱や筋肉(特に麻痺の右側)を痛めることはある。
手帳を持つ障害者だけど、自分で自分にこれは障害があるからできないと限界を設けたくない。とりあえずやってみて、できなきゃ工夫し、もしくは手伝ってもらい、次にできるように努力する。障害者という枠に甘んじることはしたくないものだ。もっとひどい障害で努力してる人、苦しんでる人はいるからね。そして、アドバイスは受けても、基本は自分で自分の身体を意識して、深く考えて判断することだ。