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【読書記録】常設展示室

父の部屋にとある本が置いてあった。

「常設展示室/原田マハ」

本の帯には女優の上白石萌音さんのコメントも付いている。

私の父は美術が好きで、部屋には芸術関係の書籍が山積みに置かれている。

これも芸術関係の本なのかなと思い、手に取ってペラペラ読んでみたが、気づいたら2時間で読破していた。

それくらい、私はこの作品に引き込まれた。

偶然の出会いから私の美術に対する見方が変わった。

作品の内容は以下の引用のようになっている。

その絵は、いつでもあなたを待っている。人生の岐路に立つ人たちが辿り着いた世界各地の美術館。巡り会う、運命を変える一枚とは――。故郷から遠く離れたNYで憧れの職に就いた美青は、ピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会うが……(「群青 The Color of Life」)ほか。アート小説の第一人者が描く、極上の6篇。
https://www.shinchosha.co.jp

まず、読み終わった後に「美術館に行ってみたいな」と思った。

様々な有名美術作品と登場人物の想いが交差する瞬間がとても美しく、1枚の絵から広がる人生にとても感動した。

私は父に連れられ、幼い頃から美術館に行くことが多くあったが、その度に絵を覗き込むように見つめる人に疑問を抱いていた。

何を一体見つめているのだろう。
美術館って何が楽しいのだろう。

しかし、この本を読んで、人々が美術館に引き込まれる理由が分かった気がする。

あくまでも私の推測だが、運命の1枚に出会った人が、その絵と自分の人生を重ね合わせ、自然と時間を忘れるように作品に引き込まれているんだろう。

私も色んな作品に触れて、自分にとって大切で思い入れのある1枚を見つけたい。

今まで美術館巡りをする父のことをあまり理解できなかったが、この本に出会ってから美術館で過ごす休日も素敵だなと、自分の芸術に対する考えが変化した。

さらに、今まさに世界史で学んでいるルネサンス時代の芸術家たちが多く取り上げられているので、この本に登場した芸術作品をさらに身近に感じることができた。

私は本当に影響されやすい人間であるため、本を読み終わってからすぐに世界史の資料集を広げ、その絵の美しさに釘付けになった。

いつか、ヨーロッパに行って本物を見てみたい。

思いがけないこの本との出会いが私の価値観を広げてくれた。

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