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地域の声を社会課題解決のエビデンスに

Insight Tech CEO 伊藤です。不満買取センターを運営し、独自のデータ×独自のAIで「声が届く世の中を創る」ことを目指しています。

今日は町田市での挑戦についてお話しします。
「地域に住まう人の声を集めるプラットフォームを創り、これをまちづくりのエビデンスにしたい」というお話です。

VoCのCにはCitizenも含まれるはず

私たちInsight Techは「声が届く世の中を創る」の実現に向け、主にVoC(Voice of Customer)データの活用を通じ、企業のマーケティングを強化し、新規事業創出をサポートすることを生業にしています。

一方で、Voiceを発話する生活者の立場からすると、企業に対する意見も、地域や社会に対する意見も明確な差異がないはず、ですよね。

とくに社会課題に関する不満や不安については、民間企業で解決できるものもあれば、民間企業だけでは解決できないものもある。一人一人の不満や不安の積み重なりが社会課題だと考えます。

つまり、VoCのCを「Customer(顧客)」に限定してはいけない。「Citizen(市民・生活者)」へ拡げることが大事だと思うのです。

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私たちが運営する不満買取センターにも、社会課題につながるような不満・不安の声が多数集まっていますが、特定の地域に限定すると件数が限られるのが実情です。不満買取センターとして運営することの限界です。

そこで、私たちInsigth Techでは、不満を集める仕組み(不満プラットフォーム)を特定地域に展開することで、その地域に特化した声を集め、これを文章解析AIで解析し優先課題を炙り出すことで、まちづくりに生かすことができるのでは、という仮説を持ち、挑戦を進めています。

町田市での挑戦 まちだホンネBOX

ちょうど今、このような挑戦を町田市を舞台に展開しています。元東京都議会議員(町田市選出)の奥澤さんの発意により、政治と社会のコミュニケーションのカタチを変えたいという気持ちでスタートした「まちだホンネBOX」というプロジェクトです。

本プロジェクトはクラウドファンディングを通じて賛同いただける方から必要な投資を募る形で実現しました(ご支援いただいた皆様、改めて有難うございます)。目標額を突破したことからも社会が必要としている仕組みであるのがお分かりいただけるかと思います。

まちだホンネBOXは「町田の街をよりよくしたいけど行政や政治はちょっと遠い感じがしてどのように声を伝えていいのか分からない」といった生活者のホンネを集めるプラットフォームです。私たちが運営する不満買取センターの仕組みを応用しています。
このプロジェクトに込めた奥澤さんの想いは以下でご覧いただけます。

みえてきた”可能性”と”課題”

2021年7月21日にそのクラウドファンディングの報告会が開催されました。全編は支援者へのリターンなのでお示しできませんが、一部抜粋してご紹介します。

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ー課題の本質を突いた生活者目線の意見にハッとさせられた

伊藤)
政治と市民の新しいコミュニケーションのあり方を模索する中で生まれたまちだホンネBOXですが、どのような成果が得られましたか?

奥澤)3/1から現在までに寄せられたホンネはまだまだ少ないですが、そのどれもが本質を突いたものであり、課題が可視化されたものと思います。例えば、待機児童に関する意見では、市役所の窓口では言いにくいことをズバリ投稿してもらっていることで、保育行政全般の方向性を見直すきっかけになるものでした。

伊藤)具体的にはどのような内容ですか?

奥澤)0歳児のお子さんがいる方ですが、よくよく内容をみていくと、おそらく町田市の待機児童にはカウントされないようです。保育を求めても市側に認識されていない人がいるということがはっきりしました。「子育てと仕事を両立したいと考えるのは欲張りでしょうか?」という問いかけにはハッとさせられました。望む保護者にとっても、子どもの成長という意味でも、保育が社会インフラ化されるようになればと思います。

※町田市の待機児童は85人とされているものの、ここに含まれないが保育に困っている人が他にもいる可能性が大きい。

ー町田への愛着や誇りを根底にした思いが滲み出る声

奥澤)
伊藤さんは不満買取センターを運営していますが、それと比べてどうですか?

伊藤)非常に前向きな意見も多かったように思います。町田への愛着や誇りのようなものが根底にあるからこそ、課題を解決したいという思いが滲み出ているように感じました。

奥澤)実はまちだホンネBOXでは町田市をお勧めしたいかという設問も設けていますが、高評価が多く、またコメントもポジティブな内容が多いなと思いました。以前取り組んだ幸福度の調査でも、地域への愛着度は幸福度と関係が深いことが分かりましたよね。非常に有意義な取組だと改めて感じています。

ー件数の少なさが課題

伊藤)一方で、寄せられた件数が少ないのは課題ですね。

奥澤)今後は、周知に力を入れていきたいと思います。飲食店などにもPOPを設置いただき、その店への不満もとれる仕様に変えてみます。

伊藤)フィードバックにも力を入れたいですね。不満買取センターも今では会員数が60万人を越えましたが、はじめからそうではありませんでした。寄せられた意見を丁寧にフィードバックしていく、変わっていく実感を得ていくコミュニケーションを続けたいですね。

奥澤)おっしゃる通りですね。メルマガなども通じてフィードバックしていこうと思います。まずは来年2月まで継続する中で、より多くのホンネを集めていきたいと思います。あわせて、すぐに政策として取り組めるような内容もあったので、市議等との連携も模索していきます。伊藤さんにも益々連携を深めていただきたいので、どうぞよろしくお願いします。

伊藤)こちらこそ、よろしくお願いします。課題を見える化して、解決策を社会に実装していく取組をこれからも応援させていただきます。

難しい。だからこそやり抜きたい

上述の通り、データの「質」の有効性については確認できたものの、データの「量」についてはまだまだ課題が残っています。

しかし、「量」よりも「質」が大事だと考えます。不満買取センターと同様に、「質」を担保しながらいかに「量」を増やすか。これが課題だと実感します。これについては引き続きトライ&エラーが必要と感じています。

まだまだ社会・生活の情報インフラとして浸透させるには時間がかかります。でも、町田市での挑戦は間違っていないと思いますし、「声が届く世の中を創る」ためには必要とされていることを実感します。

だからこそ、この挑戦を続け、そこで得られた成果をビジネス(マーケティング、新規事業創出)だけでなく、政策立案や社会課題解決ビジネスのインキュベートを通じ、社会に還元させていきたいと考えています。


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「声が届く世の中を創る」の実現に向けて走り続けるInsight Techをこれからもご期待ください!


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