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手紙その1『誠』

いいかい息子たち。
「仁」や「勇」といった徳目はたくさんあるが、
その中の一つ「誠」の重要性を君達に伝えたい。

僕は人間関係において「誠実さ」こそ
最強の剣であり、最強の盾であると実感してる。

結論から言うよ。
誠実とは何か…
それは『狂気を含んだブレない動機』だよ。

『至誠』って言葉を知っているかい?
僕の野球帽の鍔の裏に書いてあっただろう。
吉田松陰という人の言葉やね。
正しくは…
至誠にして動かざるものは未だこれあらざるなり
誠実でないと人は動かないということさ。

では誠実とは何か?
僕は最初、悩んだよ。
だって辞書には…
『嘘偽りのない心』『まごころ』
…としか書いてないんだから。

どうしてこれだけで人を動かせるのか
僕は全くわからなかった。

教えてくれたのは君たちだった。
毎朝6時に起きて野球の朝練に行く。
雨の日も風の日も暑い日も寒い日も。
僕を叩き起こして、連れて行く。
夜は僕のミットに時間の許す限り投げ込む。
その姿に僕は狂気を感じたよ。
それと同時に感じたのは『野球が上手くなりたい』という嘘偽りのない心だった。
あるいは『僕と練習したい』というまごころを。

その狂気じみた行動が、僕を変えた。
結果的にどうなったか。
僕の鬱病を治したのは君たちだ。

いいかい息子たち。
どうかそのまま誠実であってくれ。
誠実さに人は着いていく。
誠実さが道を切り拓くよ。

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花言葉は『誠実』

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