コペンハーゲンのコミュニティづくり
1年ほど前ですがコペンハーゲン市は新しい観光促進計画を発表しました。それがともて面白く、いかにもデンマークらしいなーと感じた。
これがその計画書↓
THE END of TOURISM
観光の終わり
なかなか過激なタイトル。
日本もそうですが、国にとって観光は大きな産業。特にヨーロッパは小国が多いので、国の主産業が観光。という国も少なくない。東ヨーロッパを旅してた時も、事前に行く国のことを調べると、主な産業で観光が一番にあがるというのは珍しくなかった。
コペンハーゲンも例外ではなく、小さな市の中に世界的にも有名な観光スポットがいくつもある。
絵葉書にもなるニューハウン↓
人魚姫像↓
世界最古の遊園地チボリ公園↓
などなど。
観光客はその土地の景色や建物、文化などを楽しみにやってくる。時に大きなPR活動や飲食、施設などのインフラを整えるといったその土地をあげての一大プロジェクトになってくる。それはまさに一人でも多くの人を呼び込もうというものだ。だが観光客の増大により、様々な問題も出てくる。人の多さにより元々の美しく静かな景観が損なわれる。また特に外国人の場合だとマナー文化の違いなど、日本でも度々話題になり、観光公害と言われたりたりもしている。
しかし国にとって観光は大きな資金源であり、実質日本も2020年には年間4000万人の訪日外国人を獲得しようとしている。ちなみに2017年は年間2900万人ほどが日本に来たみたい。
ある意味時代に逆行しているかのように見えるこの発表の根元にあるのは、デンマークの暮らしを大切にするという文化である。
いくら観光客が増えて、国が経済的に豊かになっても、市民の暮らしが損なわれたら意味ないじゃん!という考え方。コペンハーゲンは観光客を”観光客“として切り離して考えるのではなく、一時的なコペンハーゲンの市民として受け入れ、観光というものを市、地元企業、住民、そして観光客が一緒に作り上げていくべきだと考えました。
これまで行ってきた「観光」という考え方を止めましょう!というもの。
観光客もただその国を訪れるだけでなく、より深くその国や地域を知れて愛着も湧くであろう。
なんともデンマークらしいというか素敵な考え方。コミュニティのづくりがとてもうまい。多角的にみんなで作り上げていく。長期的に見たらその方がいいんだろうなー。
何かをやるときに、何を大事に考えるか。
コペンハーゲンの場合は「暮らし」だったけど、
自分にとって一番大事なことをブレずに持つことは
とても大切。