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マジック関連の良記事まとめ

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noteの中にあるマジックやエンタメ関連の記事のうち、気になるもの、好きなものを集めました。
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#マジック

おしゃべりロープマジックを見にいく

 白い髪に真っ赤なジャケットがよく映える。少し痩せただろうか。手にはロープを持っている。ということは、今日もロープをやるのね。  20年前もわたしはここで、この演者を見ていた。どこにでもいる顔つきの、人のいい課長さんといった風でグレーのスーツを着たマジシャンが、おしゃべりをしつつロープマジックを披露してくれた。ダーク広和さんである。  学生マジシャン時代、ダーク大和氏のアシスタントをしたことがある。そんな縁もあって、ダーク一門には親しみを持っていた。社会人になってだいぶ経って

Re-posting No.059 「奇術研究」M003. しんや少年、謎のオジさんに出会う

Re-posting No.059 「奇術研究」M003. しんや少年、謎のオジさんに出会う (少し書き直しています) 「『奇術研究』誰か買っているんですか?いつの間にか無くなってますよね」 「同じ人が買っていくね、お店にたまに来る人だよ」 昭和42年(1967年)小学5年生の時、西武デパート池袋本店6階玩具売り場で、父武に買ってもらった「マジックセット」が、マジックの世界に魅了されるきっかけの一つだった。値段は1000円ちょうどだったのを覚えている。小学生の時に友人や家

Review#17:ユージン・バーガー マジック・コレクション(Eugene Burger, Richard Kaufman)

いやぁ、面白かった!そして、少し値は張りますが、原著でなくこの日本語版で読む意味がありました。 前提として、私はユージン・バーガー氏の著作は(英語でも)読んだことなく、パフォーマンス映像はスクリプト・マヌーヴァから出ているDVDを少し見た程度。コンベンションにおいてショーは拝見したことがありました。ビザーマジック自体は学んだことも見たこともほぼない、という背景です。そんなユージン・バーガー初心者の私にとっても、バーガー氏の思想や彼の演技のブラッシュアップの仕方、それらが学べ

21-四次元パーラー「あんでるせん」

 これは僕と38歳で亡くなった高校の同級生の桐井が、長崎のはずれにある「あんでるせん」という不思議な喫茶店に行った時の話で、それは多分、1997年頃の出来事である。  桐井の子供が障害を持って生まれた(脳性マヒだった)ので、桐井はそれまで「インチキ」だと決めつけていた「気巧」のような治療をしている人達とも、次第に交流ができていき、その中のひとりに西村さんという人がいた。 この人は、ある日突然、身体の中に謎のエネルギーが満ちてくるのを感じ、 そのエネルギーの正体をつきとめるた

マジック・ボキャブラリー:えーっ!なんで!すごい!編

先日、Twitterにて大変興味深いご意見を拝見しました。 yaskoさんはマジックの大ファンで、中の人も大変お世話になっている方です。 (誰の演技かはわかりませんが)マジックを観て、このように感じさせてしまったのは素直に残念だな、悔しいなと感じています。 マジックが想起させる根幹となる感情が「驚き」である以上、マジシャンにとって 「えーっ!」「なんで!」「すごい!」 と歓声をいただくことが一番多いでしょう。 歓声を上げてくださるお客様は、そのショーを盛り上げるための

惨敗と手品師

 当時は動画サイトはおろか、ネット環境も整ってない頃です。  関西で手品をしていた僕の名前は人伝えに関東にも届いていました。  「関西に凄い人が二人居る。紀良京佑って人と○○って人だ」という話が東京にも流れていたそうです。  ちなみに○○とは僕の本名でした。ある人が「凄い人が何人も居たらイヤだから、同一人物で良かった」と言われた事があります。  そんな中、定期的にお客さんの前で演じる事になりました。  何をしようか考えて、お客さんの前で演じる。  次回は何しようか考

世界一簡単に"神アイデア"を降す方法

「最近良いアイデアが浮かばなくて。。。」 「なんかブレイクスルーできるアイデアがあれば。。」と        日々よく耳にします。 私はマジシャンになると決めた小学2年生の頃からアイデアノートを作り様々な手法を試してきました。アイデアに関する本も数百冊読んできました。  現状、最も効果的なアイデア、いわば"神アイデアの降ろし方"を     このnoteにてご紹介します。 ここで少しだけ自己紹介させてください。  私はイリュージョニストのHARAと申します。 「激レア

〈魔法〉は存在する

目次 ①種明かし ②騙されたくない? ③暗黙のルール ④余談 ⑤〈魔法〉は存在する 忙しい人のための結論まとめフィクションにはフィクションにしか生み出せない感動があり、その感動が僕たちの心にもたらす変化こそ〈魔法〉である。このような〈魔法〉はそのフィクションが成立するために必要な〈暗黙のルール〉を守り、自らフィクションを楽しもうとする人にしか訪れない。 ①種明かし僕はマジックが好きです。油性ペンの方じゃなくて、手品の方です。かれこれ10年くらい趣味でマジックをしています。

落語を通して考えるマジックという芸の事。

8月11日~20日に鈴本演芸場にて行われている「吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集」に行ってきました。しっかりと新型コロナ対策がされ、客席も一つ置きの半分が定員。豪華な面々が出る舞台なだけにもったいないなと思いましたが、逆に言えばとても贅沢な時間だなとも言えます。 落語という芸は本当に不思議な芸だなぁと見る度に思います。特に古典落語の場合、どんな話かはある程度オチまで含めて知っていたりしますし、他の落語家さんがやっているのを聞いている事も多いです。それなのに、例えば前座さん

プレッシャーに負けずにベストパフォーマンスを発揮する方法/マジックコンテスト編

失敗が許されないマジックコンテスト。 いつもと違う環境にドキドキ。プレッシャーで胃が痛い。         10年前まで海外の世界大会にチャレンジしていた頃、私も経験があります。これから夏に向けて国内外で様々なコンテストが開催されます。 そんなプレッシャーを感じる状況において最高のパフォーマンスを発揮するメソッドをお伝えします。このnoteは過去に海外のコンベンションにて有料で行ったレクチャーと同じ内容です。 コンテストを例にしていますがコンテストに興味が無い方に