見出し画像

人の話がつまらない時は自分に原因がある『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』

タンザニア在住ライターのほりともです(@tmk_255)です。

最近読んだ、おススメの本を紹介します。

『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』

原題「あなたは人の話を聞いていない」 

まさに、夫にこう言われることが最近多い…と感じて読んでみようと思いました。

「聞く」って当たり前というか、日常にやっていることですがこの本を読むと、その当たり前にやっていると思っていたことができていないこと、聞くと聞かないとで、人間関係に大きな差がつくことに気付きます。

一番印象に残っているのは、「人の話がたいくつだと感じる時は、だいたい自分に原因がある」という点。

自分がその人物に興味を持っていないとか、その人の話はつまらないと最初から自分が決めつけているからなど、自分に原因があるとしています。調査でわかっていることは、話す立場の人は、聞くことに積極的でない人に対して、「この人に明確に情報を伝えよう」とか「より多くの情報を伝えよう」とは思わないということ。

そりゃ、そうだ。わかりやすい例は、夫が妻の横で、他の人に話をしていて妻が「え、その話、私は聞いたことないよ、そうなの?」なんて妻が思う場合は、妻が夫の話を興味を持って聞いてのが原因の可能性あり。だから、夫は妻にそもそもその話をしなかったのだ、という例。私には覚えがあります…。

人の話を聞くことは孤独を感じる生き物である人間にとって大切というくだりで、日本の特異なサービスについて触れています。

日本にある「ファミリーロマンス社」は、寂しい人のために家族のメンバーのふりをしたり、恋人のふりをするサービス。実の息子と絶縁している母親が、息子の代行をレンタルして家を訪問してもらうなど。または独身の男性が代理妻をレンタルして家に帰宅後「今日はどうだった?」と声をかけてもらう。検索したら、この会社は今もあるのですね。

調査によれば、スクリーン(パソコンやテレビ、スマホなど)に費やす時間が長い人ほど、不幸せ度が高くなるという結果がでているそうです。そして長いスクリーン時間によってうつになることを防ぐためにも、人と対面で会うことが推奨されています。ただ、人がいる場所に出ていくことで、人と比べたりして逆に孤独を感じやすくなることもあるが、それを回避する方法が「人の話を聞く」だと著者は言います。そして「聞く」といってもいうほど簡単ではないと。

そして聞くために一番大切なことは「好奇心」を持つこと。小さい時には、誰しもが好奇心を持っていた。大人になったら聞けないような個人的なことさえも、子どもは好奇心から聞き、そしてとても注意深く「聞く」。そして、聞いたことを繰り返す。科学部門でノーベル賞を受賞したエリック・ベッツグ氏は「子どもの時の好奇心を大人になっても持ち続けられたから」と授賞理由を答える。

人は「頭の中で考えているスピード」と「本を読んだり、人に話したりするスピード」にかなりの差があるそうです。だから、人の話を聞いている時に、その話に集中していないと、話のゆっくりスピードに飽きて、頭の中では別のことをいろいろと考えがち。特にありがちなのは、人が話をしている時に、自分は次に何を言おうか考えること。つまり、話している人の内容をしっかりと聞いていない。

よい聞き手とは、人の話を最後まで聞き、聞きながら次に自分が何を言うか考えるのではなく、その後に、考える時間を少しとってでも、相手の話を解釈してから、自分の答えを考えて、それから相手に答えることがベストだと言います。なかなか、忙しい現代で、会話の途中で考える時間をもらってゆっくり考えるのも難しそうですが、意識するだけでも違うかもしれません。

「聞く」という普段やっていることについて、いろいろと考えさせられ新しい視点をくれる本です。

#わたしの本棚

この記事が参加している募集

読んでいただきありがとうございます。サポートいただいたお金は、noteでのさらなるクリエイター活動に充てさせていただきます!