過疎地の美容室事情。私の美容師さんはUターン人材
こんにちは。tommy（トミー）です。普段は起業家ママtommyと名乗っておりますが、本名は松坂智美と申します。
現在は夫の仕事の都合で移住した限界集落・人口4900人の徳島県神山町に在住。大自然の中にある一軒家で3歳と6歳の女の子を育てながらママ起業家として活動をしています。
今回のテーマは「限界集落の美容室・ヘアカット事情」です。
東京時代にはオシャレな街・恵比寿にある美容室でヘアカットをお願いしていた私ですが、神山町に移住したいまはどうしているのか？
限界集落のリアルと、地元の人との交流から生まれた新たな価値観にせまっていきたいと思います。
髪の毛は嫌でも伸びる！
生まれてから一度も髪を切ったことがない人はほぼいないのではないでしょうか？事情がない限り、髪は嫌でも伸びますし、自分で切るのも難しい。
美容クリニックがなくても困らないけれど、美容室がないと心底困ってしまいます。髪は放置でどうにかなるものではありませんから、美容室は切っても切り離せない（美容室だけに笑）存在です。
ですから、人の少ない限界集落でも美容室は超重要。ここでも私のこだわりが発動しました。
隣町にはあるけれど・・・
神山町のお隣にある町には生活に必要なものがそろっています。隣町まで行けば美容室にも困りません。選択肢だってあります。でも、やっぱり私は“地元の美容室”にこだわりたかったんです。
「地元の美容師さんとの会話も大切にしたい」
美容室は髪を切るだけの場所ではありません。交流の場でもあるのです。だからこそこだわりたかった。
そんな私が選んだ美容室がこちら。
【森の小さな美容室 Garden of the Forest】
名前の通り、まさに森の中にある美容室。
「こんな……車1台しか通れない道を通るなんて！対向車が来たらどうするの！？」と運転手が泣いてしまうほどの細い山道をのぼって辿り着くとても素敵な美容室です。
こちらの美容師さんは、神山町で生まれ育った地元の方。社会人になり都心で働いた後に戻ってきた、いわゆる「Ｕターン人材」と呼ばれる方でした。
名古屋の美容室で高単価で施術し、店長まで務めた腕のある美容師さんですので、もちろんカットスキルはお墨付き。
安心して髪をお任せしながら聞く地元話がとっても面白いんです。
Uターンの魅力
私が「なるほど～」とうなったのが、Uターンの魅力です。森の小さな美容室の美容師さんは生粋の地元民。もともとおじいちゃんが住んでいた家を手作業で改良し、美容室にリフォームした創造力に溢れる方です。
そのユニークさが極まって、美容室には人が集えるスペースとミラーボールまで設置されているほど。
実際に美容室ではDJイベントが開催され、地元の人が集まりみんなでワイワイと楽しく過ごしているそうですよ。本当に楽しそう！
いま神山町では、地元を熟知したUターン人材が、”何もない”とされていた田舎の町を創造力で変え、魅力を再発見してくれています。
いつまでもキレイでいてほしい
そして、忘れてはいけないのが地元のシルバー世代です。神山町のような限界集落では、若者だけではなく年長者との交流も重要です。
そこで森の小さな美容室ではおじいちゃんおばあちゃんのヘアカットに加え、自宅までの送迎も行うようになりました。
冒頭に申し上げたように、髪は嫌でも伸びてきます。
どうしても美容室から足が遠のいてしまうシルバー世代が、いつまでも心身の健康を保てるよう心を尽くす。ヘアカットと送迎を合わせて行うハートフルな美容室はとても貴重で素晴らしいですよね。
幸せの価値観が変化する時代
「名古屋で店長まで務めた美容師が、限界集落に戻って美容室を営む」
こう聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか？
楽しそう？
大変そう？
そもそも、経営していけるの？
いろんな疑問が浮かぶでしょう。なかなか具体的なイメージが湧かないかもしれません。確かに、ここは都会と比べたらビジネスとして成り立たせるのが難しい場所ではあります。
でも私は疑問に思うんです。
都会の有名店だけが、美容師が輝ける場所なのでしょうか。
借金のリスクを背負って都会で開業し、数多くのライバルとギリギリのところで戦い頑張るだけが正義なのでしょうか。
都会でたくさんのお金を使って遊ぶだけが正解なのでしょうか。
おじいちゃんが住んでいたお家をDIYで改良し、コストを抑え仲間と楽しく遊びながら仕事をする。それでもいいのではないでしょうか？
大人が焚火に心を躍らせ、子どもと一緒になって川で弾けて遊ぶ。そんな豊かさがあってもいいのではないでしょうか？
画一的ではない価値観がここにはある。
神山町で都会とは違った楽しみ方をしている美容師さんと出会い、私の価値観は大きく変わりました。
少し前だったら、ダサい田舎暮らしと揶揄されてしまうような生活が、むしろ“今っぽい”とさえ感じます。
人生の多様性と画一的ではない価値観がここにはあります。
都会でたくさんのお金を持ってたくさんのお金を使って遊ぶのではなく、いま自分がいたいと思う場所で心の赴くままに生きる。
これは美しいじゃないか。
私は美容師さんとのお話を通して、自分の中にあった価値観が大きく変わっているのを感じました。
これからも地元の人たちとの交流は続きます。私は自分史を作る起業家として、こうした結びつきを通して、地元の人と一緒に自分史を作っていくのもいいなぁと思いを巡らせています。
チャレンジしたいことがまたひとつ増えました。
神山町には、私に大きな気づきを与えてくれる素晴らしい人がたくさんいます。
ここに移住してきてよかった！
「あなたはあなたのままで素晴らしい」
tommy
このnoteはstand. fmでの音声をもとに書きました。同じ内容を音声でもお聴きいただけます。
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