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観光は、「消費」から「持続」への新たなスタートを切った

そろそろお盆休みですね。帰省や、旅行をする方も多いと思います。

旅行といえば、ここ何年かでオーバーツーリズムという言葉をよく耳にしませんか?
ドキュメンタリー映画にもなるほど社会問題となっていて、その一つが、『ラスト・ツーリスト』です。


鑑賞前は、「オーバーツーリズム?ニュースでたまに聞くなあ」くらいの認識でした。しかし鑑賞後は、これからの旅行先をどう選ぶか?そこでどう過ごすか?といったことを、自然と考えるようになったのです。


そこに住む人から見た、観光の「公害化」


もともと、私のオーバーツーリズムのイメージといえば、京都でした。

10年ほど前、祇園あたりへふらっと遊びに出かけたときのこと。人がすれ違えない道路や、ぎゅうぎゅうで1本見送らないといけないほど混み合ったバスに遭遇したとき、「これは、地元民は大変だろうな……」と思った記憶があったのです。

一方、映画の舞台は、タイ、カンボジア、インドといった、アジアの人気観光地。その多くは、観光産業に依存している国です。ちなみに、ASEAN 諸国では、雇用全体に占める観光業の比率が高いです。世界平均:10.6%に対し、フィリピン:22.7%、タイ:21.8%、マレーシア:15.1%とのこと。

一番の学びは、60年代に旅客機が大衆化してから今日まで、いかに地元の人々や土地が消費され続けたかということ。そのせいで、利害関係者の一部だけに、利潤が行き渡っていったのです。

作品によれば、人気な観光地ほど貧困率が高いのだそう。
例えば、大型船でリゾート地に行くツアーがあったとしましょう。儲かるのは主に、大型船の内部です。宿泊場所、お店、様々な娯楽施設など、全てが船内に集約されているからなんですね。

つまり、地元の食事を味わう、遺跡を巡る、陸地のお店で買い物……といったことをしないまま、旅のほとんどが船内で完結してしまうのです。

仮に、観光地に降り立ったとしても、ツアー会社が指定したお店で買い物するように指示をされる。「地元のお店は危ないから」と言い聞かされて。

そして、その手綱を握る外資が、ほとんどの利潤を得るのです。


旅が、欲求から消費へと変化している


古来、人類は移動しながら、発達、進化してきました。「旅をすることは、先天的な欲求なのだ」という言葉が印象的でしたね。

私たちは、移動しながら様々な文化を学び、人と交流してきました。しかし、観光が大衆化してからは、観光=消費と言う意味合いが強くなる一方です。

消費されつづければ、やがて消える。非常事態なのです。

私は、知りませんでした。

動物虐待の上に、動物と触れ合う観光ツアーが成り立っていること。

孤児院ビジネスは儲かるから、孤児院が増え、結果的にボランティアも増えて、ますます孤児が増えていくこと。孤児達がボランティアになつくのは、つながりが欲しい、愛着障害の一種であると言うこと。

女性の労働の権利がまだまだ未成熟な国が、カンボジアやインドといった有名な観光地に存在していて、そこで戦って生きている女性達がいることを。

しかし、人々が課題意識を持ち始めたという意味では、ポジティブな変化とも言えます。今こそ観光の在り方を考える、パラダイムシフトの時なのだと。


良い足あとを残す観光客

映画をきっかけに、「良い足あとを残す観光客になろう」と決意できました。
ホストもゲストもハッピーになれる、持続的な観光が理想ですね。その土地の人々や場所に対して、リスペクトを持てるような観光をしていきたいです。例えば、動物であれば、暴力ではなく、愛を持ってしつけているところへ訪れたい。

『ラスト・ツーリスト』は、アジアンドキュメンタリーズというサイトで有料配信中。サブスクでも、単品でも視聴できます。


おまけ:「積読」の映画を見る方法

ちなみに、皆さんは「積読」するタイプですか?私は、うず高く積み上げるタイプですね。本はもちろんのこと、マンガ、映画、ドラマなどをメモしては「いつか見よう」と、どこまでも、どこまでも……!あの青い空へ……!

「もういい加減!なんとかしたい!!」

と、試しに、「この週末にやりたいこと一覧」と題してB5サイズのノートに書き出すと、案外すっと着手できました。なーんだ。かんた~~ん。

脳から情報を取り出してあげるのって、やっぱり大事ですね。見たい映画を見られて、大満足です♪

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