伝統芸能を失くさない鍵〜vol.22〜
伝統芸能は観るだけではダメ、やってみて本当の芸がわかる…
こんな未熟者の私が言うのも難ですが、前から思ってたことです。先日、私の教わってる日舞の師匠とこの話をして、自分の思ってることは当たっていたのかなと思い、ノートに書いてみようと思いました。
えー、私は2年前から日本舞踊を習っています。週に一回、マンツーマンでお稽古をつけて頂いております。きっかけは学生歌舞伎をしていて、自分には難しいお役を頂いたので、日舞を習うことで少しでも上手く演じられるようにとの成り行きでした。
今まで、日本舞踊はほぼ観たことがなく、歌舞伎座でかかる舞踊くらいでした。その舞踊も退屈で、いつも舞踊は寝よう!という腹でいるような人間でした。
そんな私がいざ日舞を習い始めると、すごく面白かったんです。観てるだけではあんなゆっくり〜優雅に〜踊ってるイメージの日舞が、こんなに辛く、汗が出てくるものだとは!見た目と中身のギャップがすごかった!長唄や清元の音楽も好きです。それに日に日に上手くなっていくことがわかるんですよね。(私の師匠は稽古の動画撮影OKなので、成長過程がよくわかるんです!)
そんなこんなで、2年続けて参りました。今では歌舞伎の舞踊を観るのが楽しみですし、観る目に厚みが増したと言いますか、「この衣裳で、こんなに動いてる?!すごい!」とか「この体勢は絶対キツイとか」、、、etc
自分がやってみて初めてわかる日舞の芸があるのではないかと感じます。
師匠曰く江戸時代の人は、芸事として自分も習い、その上で芝居を観て、楽しんでいたそうです。
これまで伝統芸能が続いて来たのは、観客自身がその芸を身につけることによって、観劇を楽しむ目を養っていたのではないでしょうか。
伝統芸能を伝承させていくには伝統芸能を観る人を増やすだけでなく、伝統芸能を実際にやる人を増やさなければならないと思います。
芸術の秋、皆さんも伝統芸能を始めてみるのはいかがでしょうか。
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