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傲慢と善良 辻村深月 生々しく人間の感情を丸裸にされた気分。圧倒的でした。。

#傲慢と善良 #辻村深月
#朝日文庫

ついに、、手に取りました。
読書好き界隈で噂になっていた、
Instagramでもよく見かけていた、
この、作品。
衝撃作、というワードを良くみかけていたので、ぜったい読みたいと思っていました。
やっと読めた、、😌

辻村深月作品は多分、初めまして。
『かがみの孤城』なども有名ですが、
こちらの作品を先に読みました。

一言で言うと、、
生々しかった、、。
アラサーで、結婚もまだしていない、
でもまだ婚活をするほどでもないなあ、
なんてのんびり考えていたわたしですが、
これを読むと
いろんな、自分が持っている、持っていた、といえる、
様々な価値観が、
実はこんなにも傲慢で、
善良とみえて実は醜い考えだったんじゃないか、と自信がなくなりました。

そういうとこの作品がマイナスな方ばかりにイメージがいってしまいますが、
それなのに、決して、ネガティブな感情だけに向かうのではなくて、
冷静に、一つの価値観、として受け入れられる、そんな作品でした。

言葉にして要約するのが、、難しい、、

登場人物達の、
その心理描写がリアルすぎて、
その心理に対しての解釈や例え方がまた秀逸すぎた。
人間の真理、本音、をぐさぐさ指摘されたような感覚になります。

人間がそーっと隠そうとする
愚かさやずる賢さを、
丸裸にされたような。

辻村深月さん、
カウンセラーとか臨床心理士なのか?!
と思うくらい、人のことを良くわかってる、、。

帯に書いてあるとおり、
『人生で一番刺さった小説』
ですね。

恋愛の話だけど、
恋愛に限ったことではなく
人生について考えさせられます。

唸りますね。
圧倒的でした。

久々に、
最初の1ページ目から、
ああこれは今日中に一気に読まなければ、
と思わせてくれる作品でした。👏

#読書記録 #読書感想 #辻村作品#本が好き #本が好きな人と繋がりたい #読書 #本スタグラム

以下、引用。

自分の価値を見せるための婚活であるはずなのに、没個性の方が話が進むのは皮肉なことだが、ともかくそういうものなのだから仕方ない。

婚活がうまくいかない理由を、そういう、本来は自分の長所であるはずの部分を相手が理解しないせいだと考えると、自分が傷つかなくてすみますよね

うまくいくのは、自分が欲しいものがちゃんとわかっている人です。自分の生活を今後どうしていきたいかが見えている人。ビジョンのある人。

皆さん、謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです。傷つきたくない、変わりたくない。-高望みするわけじゃなくて、ただ、ささやかな幸せが掴みたいだけなのに、なぜ、と。

現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、"自分がない"ということになっとしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います。

ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です

自分の一番高いパラメーターの数値ではなく、むしろ、一番低い数値から、相手を見る。-婚活で、そういう人たちが結婚を決めていくのが、架にはよくわかる。

どうして、ビジョンのある彼らは、そんな若いうちから結婚を意識したり、自分から婚活を始められたりするのだろう。

善良に生きてきた、と思っていた。
あんな、嘘の世界に生きてる人たちと、自分は違うと。
だけど、違ったのだろうか。

好きになりたいと思ったけど、なれなくて、すごくすごく苦しかった。

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