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統一協会の手口②-04信者の生活編「組織と信徒会」

統一協会の手口②-04信者の生活編「組織と信徒会」

悪名高い統一協会(世界平和統一家庭連合)の
「マインドコントロール」や
「騙し」の手口を明かしていきます。
この章では、主に勧誘されて”信者になってしまった人の日々の生活”や
”教義”についてみていきます。


「信徒会」とは一体どんな組織なのか

統一教会問題が騒がれるなかで、教団が主張する「信徒会」なる存在を
初めて知った方もいるかと思います。
教団の解散命令の判断を裁判所が行うにあたって、
ここは重要なポイントの一つになります。

なぜなら、私自身もこの存在を、信者時代の途中で初めて聞いたからです。
統一教会は民事裁判などで
「霊感商法は信者らが勝手にやったこと」との主張を続けています。
その前提として彼らが主張しているのが信者らで構成されているとする、
全国にある「信徒会」なる団体
です。

”この組織が、勝手に霊感商法や教団名を隠して伝道を行って
社会問題を引き起こしてきたのであって、教団本部とは何の関係もない”

――との主張をしています。

多くの被害報道を見ても「関係がある」のは一目瞭然ですが、
いまだに教団はこの主張を続けています

すでに、”統一教会本部と信徒会の一体性を認めて賠償を命じる判決”が、
数多く出ています。
また札幌地裁(2012年3月29日)では
「宗教団体である被告の組織とは別個独立に連絡協議会又は信徒会という
信徒団体が組織されていたとは到底認めることができず、被告が連絡協議会又は信徒会として主張する組織は被告の一部を構成するものであって」

という判決が出ています。

教団と政治家の関係を追及してきたジャーナリストの鈴木エイトさんも
「教団は信徒会があるかのように言っていますが、そんなものはありません。
組織ぐるみで(正体隠しの勧誘で)リクルートして、財産を収奪してきたことについて、教団本部は関係ないという。信徒会というワンクッションをおいて、
信者らが自主的に経済活動をやっている形をとっている」
と指摘します。

現在、全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団は、
被害者らとともに教団に対して賠償請求を求めて集団交渉を行っています。
弁護団の一人・阿部克臣弁護士
「被通知人(統一教会)は、教団本部ではなく、
各地にある信徒会と担当弁護士との個別交渉にこだわっており、本部は対応せず、信徒会という(統一教会の)ダミー組織が個別に対応するという、不誠実な対応をしている」
と言います。

さて、この信徒会なる組織は本当に存在するのでしょうか?

教団の主張とは裏腹に、元信者らのほとんどの方は、”自分が所属していたところが「信徒会」であったとの認識を持っている人はいない”と思います。
自らは文鮮明教祖と教団本部の指示を受けて教会組織の一員として、
必死に伝道とお金集めの経済活動をしてきたと思っているはずです。

多田文明「統一教会の元信者が明かすその手口と実態」

教団の組織構造

日本国内の組織は
中央本部の下に地区→教区→教域→区域があり、
各教域に青年支部、婦人部、店舗、教会等の部署がある
統一協会友好団体
統一協会関連団体
国際勝共連合人脈・金脈図
統一協会と関連団体
統一協会関連団体組織図(内部資料)
文鮮明一家の家系図
教団組織図(英語)
教団組織図
教団組織図出典


「俺たちは信徒会に所属しているそうだ」と言われた過去

裁判の争点の一つになるだろう「信徒会」の存在――。
本当に教団と無関係に行動を行っていた団体なのでしょうか。

私自身も、「信徒会」は、信者として3年ほどたった頃に、
初めて聞かされた言葉
でした。
そのエピソードを話します。

日本国内の組織は
中央本部の下に地区→教区→教域→区域があり、
各教域に青年支部、婦人部、店舗、教会等の部署がある

といわれています。
年代によって多少の組織の変遷があったと記憶していますが、
基本的に私もその認識でいます。
私がいたところは青年支部で、信者時代は文鮮明教祖と教会の指示を受けているとの認識で活動していました。

献身信者(出家信者)として、活動していた1990年代頃だったと思います。
所属していた地区の支部長(団長)から、次のような問いかけをされました

「お前、知っていたか?俺たちは信徒会に所属しているそうだ」
それに対して私は首をひねり、
「知りませんでしたね」
と答えると、
「そうだろう。今、俺も初めて聞いた!」
自分より信仰歴の長い責任者は、薄ら笑いを浮かべながら話します。
「どうやら、裁判対策のようなんだ。いいか、誰かに何か聞かれたら、
これからは信徒会に所属していると答えるんだぞ」
「わかりました!」

アベル(上司)の言葉は神様の言葉であり絶対ですので、
それ以来、自分は信徒会に所属していると思いこんで活動をすることになりました
このように、”突然に自分たちは信徒会に所属すると、上から言われた”のです。

多田文明「統一教会の元信者が明かすその手口と実態」


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統一協会の手口シリーズまとめ


伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より




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