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暮らしっ句

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「日々の暮らし」の味わい、ぬくもり、それさえ忘れなければ、成功なんかとは縁遠くても、まっとうに生きていける。逆に言えば、こわいのは「こんな世の中、ぶっ壊してやり直した方がいい」と…
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#暮らしっ句

[暮らしっ句] 蟻 3[俳句鑑賞]

世相編  異変でもおこるか 蟻の大移動  伊藤康子  五月でしたか、都内で行われた数万人…

トマリエ
10日前
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[暮らしっ句]夏の旅[俳句鑑賞]

 若き日々 甦りたる初夏の旅  稲畑汀子  若い頃によく行った場所で、ずっと行ってなかっ…

トマリエ
3週間前
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[暮らしっ句] 蟻 2[俳句鑑賞]

人生編  働いてゐる蟻見つめゐて 余生  土屋酔月  余生とは何か? いろいろな見方があ…

トマリエ
3週間前
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[暮らしっ句] 蟻 1[俳句鑑賞]

凡人編  バスに蟻 下車するあての あるやなし  武田正子  ねぇ、あなた、バス乗ってしま…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]オクラ[俳句鑑賞]

 何はさて オクラにかけし花がつを  小山森生 「まあまあ、落ち着いて、とりあえず一杯~…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]ソーダー水2[俳句鑑賞]

[シニア編]にするつもりでしたが、いきなりやると、 いかにもシニアなので、前回に引き続き…

トマリエ
1か月前
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[暮らしっ句]茄子の花3[俳句鑑賞]

人生編  数うれば 良き事もあり 茄子の花  斉藤裕子  イヤなことに焦点を当てれば、毎日、嫌なことだらけ。そりゃあ、つらい時期もありますが、そういう時こそ、数少ない「いいこと」をしっかりキャッチしないともったいない。  ただ、言葉で云われても簡単には変われません。この歌のいいところは、実感がにじみ出ているところ。生まれつきの楽天家なら、そういう気づきはないわけで、そこが他人にも響く。 .  何ごとも らしくありたし 茄子の花  市川玲子 「らしく」といえば「自分らし

[暮らしっ句]ソーダー水1[俳句鑑賞]

頬杖をして遠く見てソーダ水  松岡隆子 昭和の恋人たち編  こはれさうな恋 と 同席ソーダ…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]茄子の花1[俳句鑑賞]

おだやか編  ベランダに 夜風のありて 茄子の花  石川貞子  部屋の中では「暑いなあ」と…

トマリエ
2か月前
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[暮らしっ句]麦 秋2[俳句鑑賞]

 麦秋や 人呼ぶ声の一度きり  木下野生  こちらはファンタジーというよりオカルト的。 「…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]麦 秋1[俳句鑑賞]

 麥秋を一直線に旅心  川端実  麦畑とは書いてありませんが、麦秋という季語を選んでいる…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]つばめ[俳句鑑賞]

 つばめ来る 悼みの軒と知らずして  宇都宮滴水  ちゃんと黒着て来ましたよ~とツッコミ…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]新 緑[俳句鑑賞]

スナップショット編  新緑の木蔭や憩ふ 乳母車  吉田きみえ  新緑や補助輪はづす 父と子…

トマリエ
3か月前
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[暮らしっ句]風光る[俳句鑑賞]

 窓の字に心がありて 風光る  近藤千雅  作者に心があるから「心」が見えたわけですが、「窓」と「心」の取り合わせが新鮮でした。  最近、「意識」研究の話をよく聞くのですが、「目の前の点を見つめていて下さい」と云われているのに、別のことを話しかけられると「見ているはずの点が消える」という実験があるそうです。  このことから「見ているというのは実際には脳が見ている」と結論づけられるのだとか。脳がほかのことに意識を向けると、目から入ってる情報はスルーされてしまう。  もしかした