人口知能の哲学(応用編8)
科学は芸術同様に、人間の文化的活動であり、特に仮説演繹法では、人間の認識の蓋然性の根拠になっているものである。科学は確実性を目指すが、科学の範囲内には確実性の根拠はなく、科学史では、パラダイムシフトが発生するとされ、科学には、絶対的な認識の確実性の根拠はない。パラダイムシフトは人間の認識が破綻して行き詰まる時に発生し、それまでの人間の認識の形質的制約を一挙に克服することも可能である(哲学的文芸論は直覚主義の立場に立っているのでパラダイムシフトではなく認識の行き詰まりは単なる認識不足になる。)。もし完全な認識に達することができなければ、科学ではパラダイムシフトにより理論構築をリセットしてしまい、また行き詰まりが発生すれば、再度リセットを行うことを繰り返す反実在論的科学史が現代的科学史である。
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