『クリティカルゾーン』（Critical Zone）第24回TOKYO FILMeX コンペティション部門

2023年10月29日 16:39

イラン、ドイツ / 2023 / 99分
監督：アリ・アフマザデ( Ali AHMADZADEH )

上映日時：
11月21日（火）19:10- @ヒューマントラストシネマ有楽町
11月24日（金）21:15- @ヒューマントラストシネマ有楽町
チケットは11月4日（土）10:00 amより発売！

テヘランが舞台となる今作の主人公は、アミールという名前のドラッグの売人。GPSの音声に導かれながら車で夜の街をさまよい、数々の顧客を車に招き入れてはドラッグを売っている。顧客は介護施設に住む老人たち、ストリートに立つトランスセクシャルの街娼たちと様々だ。

たった一晩の物語でありながら、ドキュメンタリー的な要素と超現実的な筆致を同居させ、抑圧が続く社会の水面下でくすぶっている人々、とりわけ若い世代の人々の苦悩や欲望を直接的かつ直感的に描き出していく。

中でもメインビジュアルで写っている女性は海外から帰国したばかりのフライトアテンダントだが、スカーフをかぶっていない。神谷ディレクターは本作について以下のように語っている。

このことから分かるように、今作は当局の目を盗んで、ゲリラ的に撮影が行われたようだ。また、最初から検閲を通すつもりもなく、撮影されたのではないかと思う

2015年に長編第2作『Atomic Heart Mother』がベルリン映画祭フォーラム部門で上映されたアリ・アフマザデ監督の長編4作目。7月のロカルノ映画祭でプレミア上映された時点で監督の渡航が当局より禁止され、監督不在のままの上映となったが、最高賞である金豹賞を受賞している。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？