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緊張型頭痛(筋緊張/収縮性/緊張性頭痛)の鍼灸治療

疫学:年齢差、性差、家族歴なし。慢性頭痛の類では最も患者数が多い。

原因:精神的・肉体的ストレスに起因する後頚部の筋収縮(筋ストレス)、頭痛薬の乱用が原因とされる。一般的に頭蓋筋の持続性収縮で発生し、筋肉が絞扼されたような鈍痛が多い。サイズのきつい帽子をかぶった時のような痛み(被帽感)や後頭部痛、後頚部のコリを伴う。痛みの強さは軽度~中程度で、血管拡張性頭痛よりも軽症で、痛みで寝込むほどではないことが多い。拍動性頭痛を伴う場合、混合性頭痛と呼ばれることがある。

一般的な治療法:NSAIDsや筋弛緩作用のある抗不安薬(エチゾラム、ジアゼパムなど)、抗うつ剤を鎮痛剤と併用する。筋弛緩剤(チザニジンなど)の併用が有効な例もある。

当院での治療法:当院では最も治癒率が良く、比較的簡単に完治が見込める頭痛です。軽度であれば、1回の施術で完治し、しばらく頭痛が出なくなるようです。生活上のストレスが多いとすぐに再発することもありますが、定期的に刺鍼すれば、重症な慢性頭痛へ至ることは無いようです。緊張型頭痛は、いわば慢性頭痛の入門で、放置しておくと偏頭痛や群発頭痛へ至るような感じがあります。顎関節症(食いしばり、歯ぎしり)がある場合は斜角筋や胸鎖乳突筋が収縮したり、交感神経が優位になって、自律神経に異常を来すことがあるため、顎への刺鍼も必須となります。通常は3~5回程度の施術が必要で、慢性的な食いしばりや他の基礎疾患がなく、抗不安薬や向精神薬、頭痛薬をしていなければ、簡単に治ってしまうケースが多いです。有名な頭痛外来や、有名な鍼灸院へ行っても全く変化が見られなかった患者が、当院の施術1回で完治すると、非常に驚かれますが、そういった患者は薬に依存してないことがほとんどです。

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