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沖縄集団自決の真実

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#最高裁判決

沖縄集団自決冤罪訴訟弁護団声明(最高裁決定を受けて)

沖縄集団自決冤罪訴訟弁護団声明(最高裁決定を受けて)

平成23年4月21日、最高裁は2年5カ月もの沈黙を経て、梅澤裕さんと赤松修一さんの上訴を退けました。決定理由は上告棄却が5行、サーシオレイライ(裁量上訴)不受理はわずか2行。その素っ気なさと沈黙の長さとのアンバランスは、平成21年11月30日の大阪高裁判決の結論と理由に対し、最高裁が多々疑問を感じていたことを推測させるものですが、所詮それも思惑の域を出ません。残念ですが、ついに隊長による集団自決命

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沖縄集団自決の真実(1)

沖縄集団自決の真実(1)

赤松大尉、梅澤少佐の無実について、当の事件を担当した弁護士として申し上げておきます。 

事件の判決は、問題の「沖縄ノート」の販売停止と損害賠償は認めませんでしたが、大阪高裁判決は、集団自決命令の軍命がなかったことを認定しています(あったということはできないという表現でしたが)。
にもかかわらず、勝訴とならなかったのは、『沖縄ノート』が発行された当時、軍命が事実として信じられ、それを真実として信じ

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沖縄集団自決の真実(2)

沖縄集団自決の真実(2)

※前記事 沖縄集団自決の真実(1)

軍の関与という言葉は、相当広い意味があります。「関与」は、通常、集団自決において軍が所有保管する手りゅう弾が使用されたことをいいます。あるいは、日本軍の兵隊が沖縄にいて、沖縄に鉄の暴風が降り注いだから、住民が追い込まれたんだという広い意味でいわれることもありました。それを「関与」というのかどうかという議論に入るとこれは出口のない迷路に迷い込むことになります。そ

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