見出し画像

沖縄集団自決の真実(1)

赤松大尉、梅澤少佐の無実について、当の事件を担当した弁護士として申し上げておきます。 

事件の判決は、問題の「沖縄ノート」の販売停止と損害賠償は認めませんでしたが、大阪高裁判決は、集団自決命令の軍命がなかったことを認定しています(あったということはできないという表現でしたが)。
にもかかわらず、勝訴とならなかったのは、『沖縄ノート』が発行された当時、軍命が事実として信じられ、それを真実として信じる相当な根拠があったこと、現時点では軍命があったという証拠はないが、明白に虚偽だとも断定できず、歴史論叢において将来変化するかもしれないので、直ちに違法とすることはできないという理屈をもって大江らを免責したのです。 

赤松大尉、梅澤少佐の無実が証明されたかどうかについては、現時点で「証拠はない」という形でその無実は勝ち取ったと評価しています。実際、集団自決の軍命令があったという展示は撤去され、沖縄タイムスや琉球新報でなされていた集団自決命令があったという報道は、以後はほとんどみません。裁判そのものは請求棄却で負けたわけですが、梅澤さんたちの無実については勝ち取ったといいえる内容の判決になっています。ネット等でもみることができます。

また、その分析で興味深いものは、橘玲という評論家が書いた「「リベラル」がうさんくさいのには理由がある(集英社文庫) 」の冒頭から50頁ほどに裁判の分析が書かれており、集団自決をあげて「軍隊は国民を守らない」という図式をたててきたリベラルの敗北が記されています。そこは違うという箇所もありますが、総じて的確に分析していますので一度、読んでみてください。此の問題は、橘玲の「朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論 (朝日新書)」にも引用されています。

※続き「沖縄集団自決の真実(2)」

(2020/10/11  MLでのやりとりから)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?