臓器を売る男
こんにちはトクです。
本日も訪問くださりありがとうございますm(*_ _)m
今回も創作物語(ショートショート)を書いてみたいと思います。
拙い文章ですが、是非最後までお付き合いをお願い致します。
その男は今日も働かずにブラブラしていた。
男の趣味は酒と女である。
働いてはいないのに、酒と女に不自由することはなかった。
別に家が資産家という訳ではない。
男にはこれといった特徴はなかったのだが、強いて言えば太り気味に見えた。
ただ、普通の肥満体とは違っていた。
それに体中に傷があった。
そんな男の前には、病気で余命が残り少ない患者の家族が入れ代わり立ち代わり訪れていた。
「うちのお父さんが死にそうなんです。どうか助けてください」
「俺がアンタの親父を助ける義理なんてないさ。助けたかったら金を持って来い」
男にそう言われ、泣き泣き戻る人もかなりの人数だった。
そんなある日のことである。
大企業の社長が心不全で倒れた。
会社の重役連中が大挙して男の元にやって来た。
「ウチの社長が心不全で倒れました。どうか助けてください」
「金はあるのか?」
「はい。ここに用意できるだけの現金を持って来ました」
「う~ん。なかなかの金額だな。」
「よし分かった。助けよう」
「ありがとうございます」
男は、大企業の社長が運ばれた病院へと急いだ。
数時間後、男は病院の一室で目が覚めた。
担当の医師が彼に告げた。
「社長は無事です。あなたのおかげで助かりました」
「そうか。良かった・・・」
「それにしてもアナタのような人間がいるとは今でも信じられないね」
医師はそう言った。
「ああ。本人である俺でも信じられないからね」
「でも、これは生まれつきだからしょうがないね」
「神様のイタズラかもしれないな・・・」
男が働きもせずにブラブラしていることができるのには男の体質に秘密があったのだ。
その秘密とは・・・。
男は、恐らく世界中でただ一人と思われる体質を持っていたのだ。
その体質とは・・・。
すべての臓器が2つづつあるというものだった。
心臓も肝臓もである。
そう男は自分の臓器を売ることで、お金を得ていたのである。
それでは、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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