1輪挿しのオレンジの薔薇は、すでに枯れ朽ちて、
今は、あれからさらに2年が経って、月日が流れている。
あの日あげたオレンジ色のバラは喜んでもらえた。
今、そのバラはもう朽ち果てているに違いない。
深夜2時、1件の通知音が僕の6畳一間に響き渡った。
それは、108本のバラの花束をもらったというキミからの知らせだった。
色んな思いが巡るなかで、ボクもボクの時間を過ごしてきた。
当時ボクがもう少し大人になれるようにちゃんと努力していたら、今とは違う未来を迎えられていたのかもしれないなと何度も思った。
ただ、ボクもボクの時間を過ごしてきたことで少しは大人になれたのかなって思っている。
いつになっても、今更感だけが残る。
すれ違いは、いつだって言葉足らずが原因だ。
今日、ボクは出先で見かけた花屋さんで白いバラを買ったんだ。
たくさん彩られた思い出に終止符を打ち、また新しい思い出を塗り重ねていく為に。花言葉は気にしなかったよ。自分の為のバラだから。
だけど、キミが吸っていたタバコをもらいながら、換気扇の下で、たわいもない小噺をする時間が大好きで、いつからか、ボクもタバコを吸い始めてしまったんだ。
なぜか、これだけは未だにやめられないんだ。
結婚おめでとう。キミの幸せを心から願っているよ。思い出をありがとう。
おわり。
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