湘南藤沢小麦の栽培がスタート ~種麦播き編~
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創業大正14年の長後製パン。
長年に渡りパンを作り続ける一途な思いは、原料である「小麦」を栽培し、オリジナルの地粉「湘南藤沢小麦」の製造を手掛けるまでになりました。
(地粉とは、地元で収穫・製粉された国産小麦粉のことを言います。)
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こんにちは。編集部Aです。
とことこ暮らしでご紹介している「長後製パン」さんが今年度の小麦づくりをスタートしました。
小麦の栽培は、種麦播き~麦踏み(2月頃)~収穫(6月頃)と、大きく3つの工程があります。
今回は初めの作業となる種麦播きをレポートします。
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冬晴れの青空の中、12月15日に実施した今年度の栽培。
今まで小麦を栽培していた藤沢市の圃場が病気にかかり使用できなくなったことを受けて長後製パンの齋藤社長は新たな圃場を探すことになりました。
昨今は休耕地の住宅化が進み、小麦を栽培する圃場の確保が難しい中、見つかった圃場は茅ヶ崎市赤羽根でした。
(今まで藤沢の圃場で共に育てていた農家さんは、各自の畑で栽培することになりました。来年は藤沢の圃場で小麦を育てたいとの思いがあるそうです。)
写真:長後製パンの齋藤社長&後ろで耕すのは齋藤社長のお孫さん。
圃場の広さは1反弱。小麦 約200㎏の収穫が見込める広さなのだそうです。
そして、小麦の栽培を通して新規就農者を支援したいという思いもあった齋藤社長は、新規就農の谷口齋隆さんと協働して栽培することになりました。
写真:新規就農の谷口齋隆さん
谷口さんは、茅ヶ崎では知る人ぞ知る「駄菓子屋Rock」のご主人です。
様々なイベントを企画し、移動トラックで出店して駄菓子を販売。時にはラジオのパーソナリティ、今年からは農業も行うマルチな方です。
写真:志しが同じ仲間と共に。畝の作り方を説明する谷口さん。
種麦播きに集まったメンバーは、谷口さんと家族、齋藤社長と奥様、娘さんとお孫さん。神奈川県パン組合から高久製パンさん(平塚)の高久社長。
そして、湘南藤沢小麦を使用して製品を手掛ける店主さん達4名の総勢12名。
皆さん、地元で採れる作物を増やしていつまでも豊かな農地を守っていきたいと考える齋藤社長の想いに共感して集まった仲間なのだそうです。
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今年度育てる小麦は、神奈川県の奨励品種「ゆめかおり」です。(「ゆめしほう」はお休み)
「ゆめかおり」はタンパク含量が多く、パン作りに向いている品種です。焼き色が良く、ふんわりと膨らみボリュームのある風味豊かなパンが焼けるそうです。
写真:JAさがみの指導員さんと谷口さんファミリー。谷口さんの愛娘もはりきってお父さんのお手伝い。
JAさがみの指導員さんによる指導のもと、作業を進めていきます。
畝は21列。1畝につき、200gの種麦を麦播きローラーを使用して播いていきます。(ローラーは種麦を播くと薄く覆土する仕組み。覆土しきれていない種麦は人の手で覆います)
写真:麦播きローラーの中心部に種麦をセットします。
谷口さんがローラーで播いた種麦に覆土されているかを確認し、土がかかっていない部分は人の手で覆う。この作業を繰り返し、種麦播きは夕方に終了しました。
今回の一連の様子を、長後製パンさんも加入している「神奈川県パン組合」の高久製パンさん(平塚)の高久社長が撮影していました。
神奈川県パン組合では、食育の一環として、小学校の給食で提供されるパンの原料である小麦の成長を動画にして児童に伝える取り組みをするそうです。
いつも給食で食べているパンの原料がどのようにして作られているのかを知る良い機会になりますね。
次回、麦踏みは2月頃に行います。
麦踏みは、発芽した小麦の茎葉を足で踏みつけます。畝に沿ってカニの横歩きのように足で踏みつけていくことで、霜柱などの凍霜害を防ぎ、小麦の耐寒性を高めます。また、徒長を防いで株分かれを促進することで収穫量を増やす効果もあるそうです。小麦が元気に育つために必要な作業なのですね!
麦踏みのレポートもどうぞお楽しみに!
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※現在、販売している強力粉は昨年栽培した小麦を製粉したものです。今年育てた小麦から製粉した強力粉の販売は今年の秋頃を予定しています。
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