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ウェブ漫画広告のアレで思い出した『夜をとめないで』

どうもこんにちは! ウナーゴンだよ。

突然だが今、私の手元には『夜をとめないで』というマンガの単行本がある。(以下のリンクで試し読みができるようです)

私はこの本の作者であるハルミチヒロ先生には全然詳しくないのだが、本屋さんでふと気になって購入した単行本の一つだ。まず表紙の色がとても良い。そしてふわっとしていると同時にしんみりした絵に興味をそそられた。

そもそもなんでこれが目にとまったかというと、白泉社の『楽園(ル パラディ)』というコミック誌があり、その連載作家の棚をぼんやり眺めていたからだ。

私は雑誌を買う習慣がないのでよくわからないが、『楽園(ル パラディ)』はラインナップを眺める限り、恋愛系コミック中心、女性作家多めな感じだ。「恋愛系コミック最先端」を標榜するとおり、かなり尖ったレーベルのようであり、そのアティチュードを貫くさまはたいへん好ましい。

私は恋愛コミックそのものをほとんど読まないので、単行本が何冊も出ている続きものだとちょっとしんどい気がするが、一冊だけで完結しているものも棚に並んでおり、それなら読めるだろうと思って買ったうちの一つがこの『夜をとめないで』だった。

内容は独立した短編が6作で、それぞれ異なる若い女性を主人公として、その恋模様や抱えた秘密などをテーマに、その生き様を短く切り取った形式で語るものとなっている。比較的ダウナー系というか、夜のように沈んだトーンとウェットさを特徴としたエピソードが多いのだが、語り口がやわらかなので、読んでいて嫌な感じとかはまったくない。ちなみに絵柄はやや中性的で親しみ易い。

その中に『仮初めの花』というエピソードがあった。6作の中でも少し暗めの物語だ。話の内容を書くとネタバレになるので書かないが、整形した女性が主人公の話で、最後はしんみりした哀しさを漂わせて終わる。私は短編集というのは音楽アルバムみたいなものだと思っているのだが、ともかくそういうトラックだった。

で、私はしばらくの間、本の存在自体を忘れていた。他にも読む物理書籍マンガは大量にあり、本の山の一角に埋もれていたのだ・・・。

ところがある日、スマッホでウェブサイトを閲覧していた際、突然視界にウェブ漫画広告が飛び込んできた。人類の負の感情だけを煮詰めたような露悪的画面で、見る者にストレスと精神的ダメージのみを毎回ボディブローのように与えて苦しめる以外のことをしない、例のアレだ。それはなんと『仮初めの花』のコマを使用した『夜をとめないで』の広告だった・・・。

結構驚いたのが、漫画本体を読んだ時に受けた良好な印象とは打って変わって近寄りがたい印象になっていたことだった。知っている漫画が出てきたのは初めてだったが、なるほど、こうなるのか・・・。

私は常々思うのだが、広告宣伝は諸刃の剣のようなところがあり、なんでもいいからやれば良い訳ではなく、宣伝をしたことによりマイナスの経済効果が発生することすらあるのではないかと疑っている。百歩譲って多少は売れたとしても、収支トントンには至らず結果マイナス、みたいな・・・。仮にそれで一時的に利益が出たとしても、金銭的には目に見えない部分で周囲に負のイメージを植え付けてしまっているので、その後も長期的にマイナスの効果を与え続ける・・・そういう事業経営は健全ではないし、10年20年先のことを見据えて作品の良さをプロモートしない経営者はいなくなってほしい・・・。少なくとも私が例のアレのウェブ漫画広告を見たことにより、作品を読んでみたくなって本を購入するということは絶対に無いと断言できる。というか逆で「うわっ、読むのやめとこ」となる。

で、なんでこの話をし始めたかというと、ダイハードテイルズさんの雑記でウェブコミックのアレの話を見かけ、そのときの出来事を思い出したからです。

まあ例のアレの話はともかくとして、ハルミチヒロ先生の作品は上記で紹介した通り、面白かったですよ!



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